自己啓発本が気持ち悪いと感じる人への安全な本の選び方と付き合い方

今回は自己啓発本が気持ち悪いと感じる理由と、安全に付き合うための本の選び方について解説します。

・自己啓発本を読んでみたけれど宗教っぽい
・自己啓発本は前向きな言葉が押しつけがましくて無理

こうした疑問や思いをお持ちの人はたくさんいます。

一方で同じ自己啓発本でも、静かに自分を見つめ直すきっかけとして上手に使い、仕事や人間関係を整えている人もいます。

この違いを生むのは、本そのものよりもどんな本を選ぶかとどんな読み方をするかです。

そこで今回は自己啓発本を気持ち悪いと感じる理由、嫌いや苦手意識につながる特徴について解説します。

この動画を見ると危ない本と読んでもよい本の見分け方、読み方のコツが分かりますので是非最後までご覧ください。

それでは早速、なぜ自己啓発本を気持ち悪いと感じるのが自然なことなのかから見ていきましょう。

自己啓発本を気持ち悪いと感じるのはごく自然な反応

自己啓発本を気持ち悪いと感じること自体は、とても自然な反応です。

・強いポジティブさ
・成功者のきらびやかなストーリー
・考え方を変えればすべてうまくいく

多くの自己啓発本にはこういったメッセージが詰め込まれています。

ですので読む側の状態によっては、本当にそんなに簡単にいくのかと違和感を覚えます。

しんどい時期ほどもっと感謝しなさい、すべては自分の思考が作っているといった言葉は、慰めではなく責めに変わります。

また自己啓発本の中には、悩みの深さや背景を説明せずに、今の自分を捨てて生まれ変わろうと変化を勧めるものもあります。

現実の生活や人間関係がそのまま残っている状態で、いきなり全ては自分の選択だと言われるとどうでしょう。

これでは、この本は現実の大変さを分かっていないと感じてしまうのは当然です。

この自己啓発本は気持ち悪いな、と距離を取りたくなるのは、むしろ自分を守る健全な感覚でもあります。

大事なのは、自己啓発本が気持ち悪いから自分がおかしいと思い込まないことです。

違和感を覚える自分を責める必要はありません。

・どの部分にモヤっとしたのか
・どんな表現がしんどかったのか

これらを整理しておくことで、次に読む本を選ぶときの判断材料になります。

気持ち悪さを感じた経験も、次に進むためのヒントに変えられると考えてみてください。

自己啓発本が嫌い・苦手になってしまう典型パターン

自己啓発本が嫌い、自己啓発本が苦手と感じるようになる背景にはいくつかの典型パターンがあります。

一つは身近な人が自己啓発本にはまりすぎてしまい、会話のたびに本の言葉を引用してくるケースです。

・それはマインドが弱いからだよ
・この本にも書いてあったけどさ

こう何度も言われると、本そのものよりも自己啓発本をふりかざす人が嫌いになってしまいます。

そしてその印象が、自己啓発本全体に広がっていきます。

もう一つは良いと言われた本を真面目に読んだのに、自分はあまり変われなかったという経験です。

自己啓発本の多くは、読んで実践すれば人生が変わるといった強いメッセージを打ち出しています。

そこで期待して読んだのに、現実が劇的には変わらなかったり、逆に自分を責める材料が増えてしまったりします。

するとこういう本はもう嫌だ、自己啓発本は自分には合わないと感じやすくなります。

真面目な人ほどできていない自分に意識が向きやすく、苦手意識を抱きやすいのです。

さらに自分の価値観と本の価値観が合わないことも、自己啓発本が嫌いになる理由の一つです。

たとえば収入や地位を最優先にしているような本を読んだとします。

このとき、自分はそこまでお金にこだわりたいわけではないと感じてしまうと、本全体が薄っぺらく見えてしまいます。

こうした経験が重なると、自己啓発本=気持ち悪いものとまとめてしまいがちです。

しかし本当に合わなかったのは、その本の価値観だけという場合も多くあります。

危ない自己啓発本と読んでもよい本の見分け方

自己啓発本を気持ち悪いと感じるとき、この本は危険では?変な方向に連れて行かれないか?という不安も混ざります。

そこで危ない自己啓発本と、読んでもよい自己啓発本を見分けるためのポイントを整理しておきましょう。

ここでは読み進めてしんどくなる自己啓発本と、読んだ後に落ち着く自己啓発本という視点で比べてみます。

この表は本を読みながら違和感を覚えたときに、チェックする目安として使ってください。

視点危ない自己啓発本の特徴比較的安心して読める自己啓発本の特徴
お金との距離感高額セミナーや教材にすぐ誘導し、これが唯一の解決策と断言する本だけで完結しており、他の商品はあくまで選択肢の一つとして紹介
失敗や弱さへの態度失敗を内容を信じてない、努力不足と一方的に決めつける失敗や迷いも含めて、どう向き合うかを一緒に考えてくれる
思考と現実の扱い方すべてを思考だけで説明し、病気や環境要因も自己責任にしてしまう現実の制約や専門家の助けが必要な場面にも触れている

自己啓発本が苦手な人ほど、読んでいて自分を責めたくなるかどうかを一つの基準にすると安全です。

読み進めるほど自分はダメだ、この通りにできない自分は価値がないと感じる本は、閉じて距離を置いてかまいません。

逆にこの一文だけは自分の支えになりそうだと感じる本は、その一行だけを持ち帰るつもりで読めば十分です。

自己啓発本はすべてを受け入れなければいけない教科書ではなく、自分の感覚で取捨選択してよい素材だと考えましょう。

自己啓発本の読み方を変えて違和感を減らすコツ

自己啓発本の読み方を少し変えるだけで、違和感や気持ち悪さはかなり減らせます。

多くの人がつまずくのは、書いてあることを全部正解として受け止めようとしてしまう読み方です。

その本が大事にしている価値観や前提は、著者の人生や環境から生まれたものでしかありません。

ですので、そのまますべてが自分に当てはまるとは限りません。

読み方の前提を変えて、自分に合うところだけを一つ拾えたら成功と決めておくと、心の負担がぐっと軽くなります。

具体的には自己啓発本を読む前に、今日はこの本から一つだけヒントをもらえれば十分と決めてから読み始めます。

読み進める中でこれは自分にも試せそうだと感じる一文に出会えたら、その時点で読むのをやめてもかまいません。

残りのページは今の自分にはまだ早いかも、自分とは違う価値観の人向けかもと一旦棚上げして大丈夫です。

また、自己啓発本を読むタイミングも大切です。

心がすり減っているときに強いメッセージの本を読むと、内容がそのまま自分への攻撃のように感じられてしまいます。

そんなときは、あえて要約記事やレビューを先に読みましょう。

そして雰囲気をつかんでから、今の自分が読んでも大丈夫そうかを判断するのも一つの方法です。

自己啓発本の読み方を自分を追い込むものではなく、安全に試せる選択肢を見つけるためのプロセスとして捉えましょう。

自己啓発本が気持ち悪くても一冊だけ味方を作る

自己啓発本が気持ち悪い、苦手だと感じる人でも、自分の味方になってくれそうだと思える一冊があると楽になります。

すべての自己啓発本と仲良くする必要はなく、この一冊だけは困ったときに読み返せるという本があれば十分です。

たくさんの本を読み散らかすよりも、一冊をじっくり読む方が安心できるタイプの人も多くいます。

自己啓発の観点から見ても、実際は何百冊を一回読むより一冊を熟読した方が効果が高いです。

その一冊を選ぶときは自分を急かさない本、弱さや迷いを否定しない本を基準にしてみてください。

こう生きなければいけないと強く押しつける本ではなく、今はこう感じていても大丈夫だよと寄り添う本を選びます。

そして、その本の中から特に支えになった一文をノートやスマホにメモしておきましょう。

しんどいときにはそのメモを開いて読み返すようにします。

すると自己啓発本を読むことが自分を責める時間ではなく、少しだけ心を整える時間に変わっていきます。

自己啓発本をたくさん読むことが偉いわけではありません。

本を読むこと自体が目的になってしまうと、読み終わるたびに自分は変わっていないと落ち込んでしまいます。

それよりも自分を励ましてくれる一冊と、その中の一文を手元に置きましょう。

そして必要なときにだけページを開くほうが、長い目で見て心の安定につながりやすくなります。

自己啓発本が気持ち悪いと感じる人ほど、量ではなく自分に合う一冊との出会い方を大切にしてみてください。

編集後記

自己啓発本を開いた瞬間「このノリはちょっと無理」と本を閉じたくなる気持ちってありますよね。

周りが「この本は人生が変わる」と盛り上がるほど「そう感じられない自分」に後ろめたさを抱えてしまうこともあります。

私も背中を押してくれる一文に救われたことがあります。

その一方で「この考え方を受け入れたら、かえって自分を追い詰めそうだな」と感じて、本を閉じた経験が何度もあります。

大事なのは本や著者の言葉よりも、自分の感覚と生活を優先することです。

違和感を覚えたら無理に読み続けず、今の自分に合う一冊をそばに置く距離感で付き合っていきましょう。

まとめ
  • 自己啓発本が気持ち悪いと感じるのは自分を守る自然な感覚
  • 危ない自己啓発本と読んでもよい本の特徴を知ると選びやすくなる
  • 自己啓発本が苦手でも自分に合う一冊だけ味方につければよい