【思考は現実化する】解説|集中力の強化と精神力の秘密|ナポレオンヒルの成功哲学
今回の「思考は現実化する」の解説内容は、集中力の活用法、深層自己説得の力の具体的な活用法、精神力が持っている力についてです。
「思考は現実化する」の中でも、この一部分は解釈を間違ってしまっている人が非常に多いところでもあり、実際に個別相談などで修正することが多い内容です。
そして、世間で語られているあやふやな内容と、一線を画すだけの重要なポイントでもあります。
・色々書き出しても、結局黒歴史で終わってしまう
・今まで声に出して読み上げても、何も叶わなかった
このような疑問や悩みをお持ちの人も非常に多いので、今回の「思考は現実化する」の解説内容では
・集中力の活用部分で間違えていること
・誤った自己説得やアファーメーション
・なぜ精神力が重要なのか
これらについて学ぶことができます。
それでは早速、名著「思考は現実化する」の内容について、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。
集中力を強化する
ここでは、集中力を効果的に活用する方法について、アドバイスしていきます。
第二章で示した「願望実現のための六カ条」の一番目は「あなたが望んでいるものを明確にすること」でした。それは金銭でも問題ありません。
この場合、実際にその金額が現実の札束として目に浮かぶまで、注意のすべてを集中することが必要です。そしてこの訓練は、少なくとも一日一回は実行することです。
そして、実際にお金を手に入れたときの、自分の姿を思い浮かべてみると良いでしょう。それから、これらのことを潜在意識に伝えます。
潜在意識が完全に指示を理解するまで、繰り返し繰り返し、指示を出してやらなければなりません。
なぜなら、繰り返さなければ、潜在意識はなかなか受け入れてくれないからです。そして、それを行うとき、ちょっとしたテクニックを用いてみると良いでしょう。
それは、あなたが思い浮かべている金額を「必ず手にする」と、あなた自身で信じることです。お金が自分のものになるのは運命なのだ、と信じ込むのです。
あなたは「でもどうしたら信じ込むことができるだろうか?」と考えるかもしれません。
しかし、これは無宗教の人に、神を信じさせようとすることに比べたら、ものの数ではないくらい簡単なことなのです。
信念を生む秘訣の一つは「その通りやってみれば良い」ということです。
願望をお金に転換するには、それを心に思い描く想像力が必要です。だからといって、明確なプランが出来上がるまで待つ必要はありません。
あなたが、思い描いているお金を得るために、どんな仕事をしなければならないかは、この段階ではまだ考える必要はありません。
ただ手始めとして、自分がお金を所有している姿を思い描くことです。そのときのあなたは、潜在意識が作るプランに期待をかけて良いのです。
そうすると、インスピレーションという形で、あなたの第六感に閃くことがあります。この閃きがあったら、それを大切にし、行動に移すのです。
「願望実現のための六カ条」の四番目では、願望を現実にするためのプランを実行に移すように指示しています。この指示には従っていかなければなりません。
あなたが、願望の設定に基づいてプランを立てるとき、あなたは理性に頼ってはいけません。あなたの習性は怠惰なのかもしれません。
理性に頼り過ぎると、あなたは失望することになるかもしれないからです。富を蓄積する姿を思い浮かべるのは、完全に想像だけで良いのです。
これは、非常に重要なことなのです。
ここまでで学ぶこと
まず、集中力を効果的に活用する方法として、願望に集中して、信念を持つことについて語られています。
ここについては、多くの人が勘違いを起こしているので、特に解説が必要な部分になります。
願望を叶えている自分を想像することと、それを繰り返すことについては、ほとんどの人ができています。問題は、この次の「自分自身で信じること」の部分です。
ほとんどの人が「潜在意識が作るプラン」まで辿り着かず、ただ単に結果のみを信じ込ませて、潜在意識がプランを作る前に、見切り発車で行動に移しています。
「思考は現実化する」にも書かれている通り、最初は「明確なプランが出来上がるまで待つ必要はありません」し「【この段階では】まだ考える必要はありません」。
しかし、インスピレーションという形で、閃きがあったら、それに従ってプランはきちんと練る必要があります。
そして、信念を生む秘訣の一つは「その通りやってみれば良い」には、ダブルミーニングがあります。
一つ目は「そんなことで先に進むことができるのだろうか?」という疑問へ向けた答えになっています。
実際に「その通りにやってみれば良い」という事で実践してみれば、自然とその達成について様々な閃きが生まれ、あれこれと計画してみたくなるよ、という意味です。
二つ目は「閃きが生まれたら潜在意識が作るプラン」を元に、実際にそれを現実化させるための計画を、行動に移す意味での「その通りにやってみれば良い」です。
つまり、潜在意識が作るプランを元に、計画は自分できちんと立てなければなりません。この計画を練り上げることで確信を得て、初めて信念というものは芽生えます。
そして、その計画の確信によって生まれた信念によって、行動にも軸が生まれ、目標や願望が信念によって保護されることで、折れない自分が形成されていきます。
これらは、これまでの「思考は現実化する」の解説記事でもきちんと順を追って説明していますし、ナポレオン・ヒルの成功哲学の記事でも、まとめています。
「願望実現のための六カ条」について詳しく学びたい人は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
世間のあやふやなものは、こうした自己説得やアファーメーションを、ただ単に「願望」のみにフォーカスを当てて、それを反復させることを推奨しています。
他のナポレオン・ヒルの解説などでも、理解が浅い場合にはこれと同様のことが発信されていますが、実際のところは、それでは願望を実現することはできません。
なぜなら、ナポレオン・ヒルの成功哲学でも「思考は現実化する」にも、どこにも「計画は立てなくて良い」とは書かれていないからです。
実際に「この段階ではまだ考える必要はありません」ということは、段階が進んだらきちんと計画について考える必要がある、ということです。
さらに「願望を現実にするためのプランを、実行に移すように指示しています」ということは、プランはきちんと立てなさい、ということです。
そして、こちらの最後の部分の「完全に想像だけで良いのです」に関しても、都合の良い解釈をされがちです。
これは「理性に頼り過ぎる人」の場合は、あれこれ理屈っぽく考えすぎて、計画が前に進まないから、それでも良いよということで、万人向けの発言ではありません。
ここまでこの部分に関して、口を酸っぱくして何度も解説するのは、これまでに何万人と会ってきた人達からの統計だからです。
まず、目標や願望が「明確でない」という部分で、約半数の人が脱落し、次にその目標に「計画があるか?」の部分で、残った人の9割以上は脱落していきます。
目標や願望を達成させたいのであれば、まずはそれを明確に設定して、そのプランに関してもきちんと向き合って練るようにしましょう。
そうすれば、プランが出来の良いものであればあるほど、あなたの内面にそれに応じた強さの確信が生まれ、確信という種から信念というものは芽生えていきます。
それでは続いて、効果的な深層自己説得について、詳しく解説していきます。
深層自己説得の力を効果的に発揮させる方法
第二章で記述されている「願望実現のための六カ条」と、この章の内容をまとめてみると、次のようになります。
1,まず誰にも邪魔されない、静かな場所を選びます。さしずめ就寝前のベッドの中でも構いません。
そこで目を閉じて、あなたが貯めたいと思っている金額と、いつまでに貯めるのかについて書いたものを読み上げます。
すると、自分で自分の声を聞くことになります。そうして、既にお金を手にした自分の姿を心に描きます。
たとえば、今から五年後の1月1日までに、セールスパーソンとして一億円を貯めると決意したとしましょう。するとあなたが作る宣言文は次のようなものになります。
「◯◯年1月1日までに、私は一億円を手に入れます。このお金が五年の間にだんだん貯まっていきます。私はこのお金を貯めるために、最善を尽くす覚悟をしています」
「【具体的な仕事の内容を書く】私はこのお金を手に入れることを確信しています。私は確固とした信念を持っています」
「ですから、そのお金は手で触ることができるほど、はっきりと心に描くことができます」
2,あなたが貯めようとする金額が、目に見えてくるまで、つまりこの暗示の言葉が、心の中で本当に自分のものになるまで毎朝、毎晩繰り返します。
3,その宣言文は、よく見える場所に貼っておきます。夜寝る前に読み、朝起きたらすぐ読むようにします。
この三つのことを実行することが、深層自己説得力を発揮させる最も良い方法です。また、潜在意識は感情を込めた自己説得にしか従わない性質を持っています。
感情の中でも、特に信念を持つことが重要となります。信念は、感情の中で最も建設的なものです。
信念の力については、既に説明してあるので、前の部分をもう一度読み返して見て下さい。
このようなことを実行するのは、最初の内はバカバカしく思う人もいるかもしれません。ですが、そのようなことは気にしないことが大切です。
最初の内は、どんなに抽象的で非現実的なものに思えても、ためらってはいけません。忠実に、勇気を持って実行して行くことが大切です。
そうすれば、やがて精神的にも現実的にも、まったく新しい世界が開けてくることになるのです。
ここまでで学ぶこと
ここでは、深層自己説得による信念の作り方について述べられています。
世間でも「ノートに書きなさい」「寝る前と朝に繰り返しなさい」というのは語られているので、私から解説するのは、ほとんどの人が気付かない部分についてです。
まず、一つ目のポイントは「そこで目を閉じて、あなたが貯めたいと思っている金額と、いつまでに貯めるのかについて書いたものを読み上げます」の部分です。
良いですか?「目を閉じて、読み上げます」ですので、つまりは暗唱しなさいということなのに、ほとんどの人がノートを必死に見ながら読み上げています。
これを作成して1~2日程度ならまだ仕方ありませんが、暗唱できるか出来ないかのレベルの違いは、自己啓発においては致命的な差となります。
なぜなら、顕在意識で対応しているのか、潜在意識で対応しているかの差になるほど、大きいことだからです。
潜在意識へと落とし込みをしないといけないのに、顕在意識へ必死に反復しても、信念も芽生えませんし、インスピレーションが閃くこともありません。
ですので、まずは暗唱できるレベルまで持っていき、反復するようにしましょう。
続いて、二つ目のポイントは、99%の人が書いているのにやっていない「具体的な仕事の内容を書く」の部分です。
これは、達成のための仕事における具体的な計画を入れる、ということです。
例えば「一件成約したら10万円貰えるから、10件売って100万円稼ぐ」では具体的でも計画にもなっていません。
具体的には、どのようにして売れるのか、なぜ10件の成約に繋がるのかについて、自分が納得して、計画が「これならいける!」と確信に変わらなければなりません。
要は算数レベルの計画ではなく、理論として腑に落ちるレベルで設計しないといけないということです。
なぜ、算数レベルの計画では願望の実現が難しいかというのは、現実的にその計画を銀行へ持っていき、融資の相談をしてみればすぐに分かります。
融資の担当者が「分かりました!では融資しましょう」とならないのは、想像に難くないですよね。
これらのハードルを超えて、感情を込めて反復できるようになれば、自然と信念というものは芽生えていきますので、頑張って作成していきましょう。
それでは続いて、精神力の秘密について解説していきます。
精神力の秘密
人間は誰でも、新しい考え方には懐疑的になるものです。
しかし、この教えを守っていれば、あなたの疑問は徐々に解消されるでしょうし、いずれは絶対的な信念に変わっていくことでしょう。
多くの哲学者は、人間こそこの世での「運命の支配者である」と言っています。ですが、なぜそうなのかについては、誰一人として説明してはいません。
人間が、自分の運命の支配者であるのは、自分の潜在意識をコントロールする力を持っているからなのです。
願望をお金に転換するには、潜在意識に影響を与える、深層自己説得の力を利用しなければなりません。深層自己説得が富を生み出すのではありません。
それによって刺激を受けた、潜在意識が富を生み出すのです。他の原理は、深層自己説得を活用するための手段なのです。このことは忘れないで下さい。
潜在意識を刺激する、最も効果的な手段が深層自己説得であることを考えれば、深層自己説得が、いかに重要な役割を果たしているかを理解できるでしょう。
そして、ここまで読み終わったら、もう一度この章を読んで下さい。そして、この章の教えを守り、実行することです。
毎晩、この章の重要な箇所を声に出して読むことです。そして、あなたに強く訴える部分にマーカーを引くようにすれば、一層効果が上がるでしょう。
そのマーカーを引いた部分の指示に従って下さい。
そうすればあなたは、 成功哲学を完全に理解する道が開けるでしょうし、把握することができるのです。
ここまでで学ぶこと
世の中で語られている精神力というものは、潜在意識の力のことです。
深層自己説得というものや、アファーメーションというものは、全て潜在意識へのコンタクトの手段でしかなく、それ自体に力があるわけではありません。
潜在意識という、あなたの内面に在る心の力が、成功の鍵を握っています。
この事実について懐疑的な人は、一度さまざまなスポーツの大会などを見てみれば、その正当性に気付くことができるでしょう。
どのようなスポーツであれ、競い合っているアスリートたちというのは、技術と技術のぶつかり合いを超えて、信念と信念のぶつかり合いで競技しています。
ですので、細かい技術の差が分からない、素人の観戦者である私達が応援する際も、競技の姿勢に魅入られ感動し、勝者にも敗者にも涙を流すことができるのです。
実際に、プロの選手が素人相手に、技術の差で抑え込むことができるシーンを見ても「すごーい!」とはなっても「感動した!」と涙を流すことはないですよね。
このように、自分はおろか周囲の人まで動かす力を持っているのが、心の力である潜在意識というものです。
信念が人を動かした実例は、ナポレオン・ヒルの成功哲学でも、世界の偉人のエピソードなどでも、どのようなものを見ても無数に存在します。
それだけの力を自分の内面にも持っているのですから、活用すれば自分一人動くくらいは、何の事もないことも十分ご理解頂けることでしょう。
そうと決まれば、今すぐに実践してみましょう。そうすれば、望んでいる人生へ一歩近づくことができます。