プラスアルファの努力があなたの脳力を十二分に引き出す｜ナポレオン・ヒルの成功哲学

ナポレオン・ヒルの成功哲学の歯車の一つでもある、プラスアルファの魔法の中には、一歩余分に努力することを、自分にも周囲にも行うというものがあります。

こうした努力を自ら進んで行うことは、あなたの周囲に協力者を増やしたり、あなたに似た人を集める効果があります。

・私の周りには良い人が集まらない
・他人に良くしても裏切られるだけだろう

こうした疑惑に囚われている人にとっては、プラスアルファの努力を行うことは、現状を180度反転させる効果がありますので、この記事では

・奉仕の努力がもたらす恩恵
・生みの苦しみを乗り越えた先
・かけがえのないものとは

これらについて、ナポレオン・ヒルの解説を交えながら、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

プラスアルファの努力はあなたの脳力を十二分に引き出す

人生において、あることを成そうとする場合、その計画、立案から最終的な結論が出されるまでに、長い時間が掛かるものです。

彼らは皆、大博打を打っていました。そこで私は、彼らの手の内を覗き込み、ゲームの進行をしっかりと把握しておく必要があったのです。

私には、その仕事と同時に、妻と子供を養う責任がありました。当時の私が身内や親戚に反対され、白眼視されたのも無理からぬところです。

自分の生活と家庭に捧げる20年を、そっくりそのまま、私は1セントの得にもならないと思っていたことに費やしていたのです。

しかし、それもまたプラスアルファの努力そのものでした。

私は、自分が受けた奉仕以上に人々に尽くしましたが、残念ながら私の身内や親戚の人には、それが理解できなかったのです。

成功のノウハウの確立に没頭している間、私はこの理論を自分自身にも適用してみました。

その結果、セールスパーソンの研修や養成に成功し、生活費の心配はなくなりました。

私が養成した保険のセールスパースンの中には、彼らにとって最高の名誉であるMDRT「100万ドルの円卓会議」の会員になった人もたくさんいます。

一方、後継者やアシスタントを養成し、私の研究をさらに発展させることにも力を注ぎましたが、こちらの方はとても高くつきました。

身内や親戚の反対、限られた収入と、次第にかさんでいく出費に苦しみながら、それでもなおかつ前向きな心構えを維持することは、辛いことでした。

もちろん家族は、常に反対していたわけではなく、時には応援してくれることもありました。

しかしこの私を、かくも長い間支え続けたものは、いつか必ず、現在の仕事を誇りに思える日がやってくるという、自分自身の確信でした。

私は心の中で、願望や目標の実現を願い続けました。

時には炎が弱くなり、消えそうになることもありましたが、そんな時は全身の力をふり絞り、炎を赤々と燃やし続けたものです。

こうして厳しい局面を乗り越え、努力の結果を見届けようと考え続けたのも、あの無限の叡智に対する信頼があったからです。

ここまでで学ぶこと

ナポレオン・ヒルの成功哲学を、生み出すために費やした20年という研究期間は、決して楽しいだけの時間ではなく、そのほとんどは大変な思いの連続だったはずです。

なぜなら、それが正しいかも分からない、そして実を結ぶ保証もされていない蜃気楼のようなものを、確実に姿があると信じて、前に進んでいく必要があったためです。

しかしこれは、実は成功哲学に限らず、どのようなことであっても同じことです。

例えば、自分の願望で開いた飲食店も、自分の方針とやり方がお客さんに肯定してもらえるかも分かりませんし、売上が保証されているわけでもありませんよね。

スポーツなどの競技の世界においても、自分の練習がそれで本当に合っているのか、この先もこの世界で生き残っていけるのか？といった疑惑は尽きないものです。

つまり、それらに向かって挑戦していく人たちは、その他大勢の人たちと同じように、疑惑や疑念を持っていることは変わらないのです。

しかし、それでも踏み留まることをせず、前に進み続けていく違いはと言えば、願望を明確にして綿密な計画を立て、信念を芽生えさせていることです。

そして、その他大勢の人たちと決定的に違うところは、周囲から見たら辛すぎると疑問に思うことであっても、思いの外、楽しんで取り組んでいるということです。

例えば、勉強でもスポーツでも、それに興味がない人からしたら拷問のように思えることであっても、打ち込んでいる当の本人は、そんなことは感じていませんよね。

あなたがもし、現在の目標へ進んでいる際に、いつでもどこでも、ただ「辛い」と思って取り組んでいるのだとしたら、一度目標を見直してみることをお勧めします。

なぜなら、それは本当にやりたいことではない可能性があるためです。そこに、あなたの成果が出ないで悩んでいる原因が隠されているかもしれません。

その時、プラスアルファの努力をしてでも、取り組みたいと思えるものを見つけることができれば、あなたの成功は大きく加速する可能性があります。

それでは続いて「生みの苦しみ」について、詳しく見ていきましょう。

生みの苦しみを乗り越える

成功のノウハウの誕生にまつわる「生みの苦しみ」についてお話しするのも理由があります。

それは、ナポレオン・ヒルの成功哲学が、生きた経験や現実の中から生まれたものであることを、理解して頂きたいからです。

「20年間遠回りをし、辛苦に耐えたことに見返りはありましたか？」そう聞かれれば、私の答えは明白です。

私が生まれ育ったヴァージニアの山奥は、貧しい世界でした。

そこは密造酒とガラガラへびと、まるでロミオとジュリエットのような家同士の反目が、土地の三大名物だったのです。

もし、素晴らしい継母に巡り会い、彼女がプラスアルファの努力をする生き方を授けてくれなければ、私は一生、ヴァージニアの山奥からは出られなかったでしょう。

プラスアルファの魔法は、今日の自由な社会で、誰でも身につけられる特権の一つです。それは私たちにチャンスを与え、人々や社会からの協力を約束してくれます。

「サクセスストーリー」が始まるのはそこからです。

もし私が、成功のための17のノウハウのうち、どれかひとつを選ぶとしたら、このプラスアルファの魔法を選びます。

私自身を、周囲の人々にとって、かけがえのない存在にしてくれたのは、まさにこのノウハウがあったからです。

ここまでで学ぶこと

生みの苦しみを乗り越えるためには、周囲の人々の協力が必要不可欠になります。

なぜなら、自分の力だけでは、それを乗り越えることは非常に困難だからです。これは、人が生きていく過程を考えてみれば、明らかな事実です。

例えば「生みの苦しみ」という言葉の通り、出産で考えてみれば、誰にでも理解できることでしょう。出産は自分一人で行うには、命の危険が伴うものです。

出産に至るまでの期間も、そして出産自体にも、周囲の人達の協力があってこそ、安全に行うことができるものです。

この時に、周囲の人の理解や優しさ、そして専門家によるサポートがないことを考えてみれば、どれだけ恐ろしいものであるかは、誰の目にも明らかです。

あるいは、プロの選手やアスリートの周囲にも、食事からトレーニングに至るまで、あらゆる専門家を周囲に置いて、万全の状態を整えて取り組んでいます。

なぜ、あらゆるシーンで、こうした協力を得ることができるのかと言えば、それは当人がプラスアルファの努力を行っているからに他なりません。

それでは最後に、とてもシンプルで重要な成功哲学について、見ていきましょう。

かけがえのないもの

辞書で「かけがえのない」という言葉を調べ、その意味を暗唱して下さい。

もしあなたが、大きな人間になりたいと思うのでしたら、実際にあなた自身が多くの人々にとって「かけがえのない」存在にならなければなりません。

そのためには、人や社会に奉仕と貢献をすることです。

そうすれば、あなたは「かけがえのない人間」となり、あなたが与える以上の奉仕と貢献を得ることができます。

ここまでで学ぶこと

「かけがえのない」という言葉は、代わりがない、唯一無二である、何よりも大切で、絶対に失えない、といった意味を持っています。

まずは、あなたの目標や願望に、この「かけがえのない」を当てはめてみてください。

そのステップが問題なければ、次はあなたという人間が、周囲にとって「かけがえのない」人になれているかどうかを、当てはめてみます。

ここまで問題がなければ、あなたはもう既に、成功街道を進んでいることは間違いありません。

例えばですが、職場で脳力を遺憾なく発揮して、同僚ともお客さんとも上手くやれている人というのは、どう見ても昇給、昇進の対象であることは明らかですよね。

この時「自分の仕事ではないからやらない」といった精神ではなく「ついでにやっておいたよ」という心構えの人に対して、どういう印象を持つでしょうか？

また、取引先やお客さんなどに対しても、必要最低限だけではなく、困っていることに親身になってあげたり、良い対応をしてあげたら、相手はどうなるでしょうか？

こうしたことが、プラスアルファの努力の実践の一例であり、相手にとってかけがえのない人になる、ということです。

また、ナポレオン・ヒルの成功哲学の歯車の一つでもある、マスターマインドでも、この考え方を当てはめてみることができます。

例えば、人によっては「マスターマインドができた！」となっても、その人をすぐに失ってしまったり、関係が上手く機能してないといったケースがよくあります。

この時、マスターマインドにも同様に

・自分は相手にとってかけがえのない人になれているか
・相手は自分にとって、かけがえのない人か

こうした目線で分析をしてみることによって、マスターマインドがきちんと形成されているかどうかを、推し量ることができます。

成功を志すためには、自分自身がプラスアルファの努力を怠ることなく、周囲との協力関係を築き、自分自身にも当てはめて、楽しみながら進めている必要があります。

そして、目標も周囲との関係においても「かけがえのない人」になれている必要があります。

こうした精神を軸にして進んでいけば、あなたの周囲にも、だんだんと同じ精神を持った人達が集まるようになっていきます。