信念を持つために七つの恐怖を克服する~第四の恐怖~|ナポレオン・ヒルの成功哲学
人間が持つ恐怖には七つの種類がある、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
第一は貧困の恐怖、第二は批判されることの恐怖、第三は病気や健康を損なうことに対する恐怖でした。
そして、第四の基本的な恐怖は、愛を失うことに対する恐怖です。
愛は誰もが求めるもので、自分の人生の支えともなることから、その反面で、大きな恐怖ともなり得るものです。
・私は人を愛することができるだろうか?
・私は人に愛される人間だろうか?
このような不安や恐怖に駆られて、自分を萎縮させてしまったり、自信を失ってしまったり、道を誤ってしまう人もたくさんいます。
しかし、愛の力というものは、本来は恐れるべきものではありません。
なぜなら、愛というものは慈しみの心であり、大切な人を慕う心であるからです。
愛に怯えてしまう人というのは、他人を愛し、他人に愛されることから入ろうとしがちです。
しかし、正しく愛の力を活用するのであれば、他人よりもまず、自分を愛せるようになることが重要です。
そこでこの記事では
・愛が恐怖に変わるメカニズム
・愛を正しく活用するために必要なこと
これらについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。
愛が恐怖に変わるメカニズム
愛が引き起こす恐怖と不安は、人間が愛を求め、愛を必要とする存在であるというところに、その根拠がある、とナポレオンヒルの成功哲学では語られています。
なぜなら、愛を求め、必要とすることがなければ、愛に怯える必要もなくなるからです。
例えば、第一の貧困に対する恐怖と同じで、お金に対する執着が生まれなければ、まず恐怖が生まれることもありません。
つまり、愛に対する恐怖を持っている、ということは「愛したい」もしくは「愛されたい」という欲求の裏返しなのです。
愛を求める欲求が強ければ強いほど、裏返しとなる恐怖も、増大していくのです。
ここまでで学ぶこと
あなたの愛に対する想いが、強ければ強いほど、それに比例して、恐怖も増大していきます。
そして、愛というものを他者に向けるから「本当に相手も返してくれるだろうか?」と不安になるのです。
なぜなら、相手も自分と同じだけの愛を返してくれるかどうかが不安になったり、相手に拒絶されることに怯えてしまうからです。
ですので、愛の恐怖に怯えてしまう人の場合には、まずはそのベクトルを、自分自身へと向けてみましょう。
なぜなら、自分自身はあなたを裏切ることはないからです。
この時に、自分自身を愛することができないのであれば、それは他者に愛を向ける際の恐怖における、根本の改善点にも繋がります。
なぜなら、あなたが自分自身を愛せない理由は、そのまま相手に拒否されるであろう理由にも繋がるからです。
この理由の改善を行い、あなたが自分自身を愛せるようになれば、自然とその愛を周囲に向けることも可能となってきます。
それでは続いて、相手に愛を求める欲求について見ていきましょう。
愛を失う恐怖
「いつまでも愛されたい」という欲求は、嫉妬や独占欲を生み出す、とナポレオンヒルの成功哲学では語られています。
なぜなら、あなたが愛を求める対象となる、相手が持つ興味や関心といったものが、そのまま全て、あなたの不安へと変わるからです。
例えば、あなたが愛を求める相手が「仕事ですごい頼りになる異性がいてね~」と話せば、あなたは頼りになる異性に対して、嫉妬心を抱くようになります。
そして、頼りになる異性に負けじと、愛を求める相手が、自分から離れていかないようにと、拘束しようとしたりします。
愛を失う恐怖は、七つの全ての恐怖や不安の中では、最も危険な感情かもしれません。
男女の愛は、人が失うことを最も恐れる愛ですが、得ることよりも、与えることを大切に考えるとき、愛を失うことの不安や、恐れはなくなります。
愛を失うことの恐怖と不安について、さらに付け加えるとすれば「大きな代償を払ってはいけない」ということです。
愛を失うことで深く傷つき、人生を諦めてしまう人もいるほどですが、そんな時にも、じっと耐えて、積極的に生きようとする姿勢が必要です。
全ては、時が解決してくれるのですから。
人類の歴史の中で、時が解決してくれなかったことは、一度もないのです。
ここまでで学ぶこと
あなたが誰かに愛されたいと思うのであれば、まずはその相手に、あなたから愛を与えるようにするべきです。
なぜなら「貰えたから返す」のではなく「自ら進んで与えること」が、自然の摂理であり、大自然の法則だからです。
例えば、飲食店でも、美味しかったからお金を払うのではなく、お金を支払って食事をしますよね。
あるいは、赤ん坊の面倒を見ることは、将来自分を介護してもらうために育てるのではなく、無償の愛で自ら進んで行うものです。
愛されない、愛が返ってこないという人のほとんどは、自ら愛を与えることをしていない人です。
この点については、ナポレオン・ヒルの成功哲学にもあった「大きな代償を払ってはいけない」点に関しても、注意する必要があります。
稀に「私は大きな代償を支払って、相手に愛を与えた。しかし愛が返ってこなかった」という人を見かけます。
しかし、この場合には大きく分けて、二つの問題になる点があります。
一つ目は、愛を与える相手を間違えていることです。
自ら進んで愛を与えることは、とても素晴らしいことですが、世の中には、それを悪用しようとする人も必ず存在します。
なぜなら、あなたの善意を悪用して、自分の財産に変えようとする人がいるからです。
例えば、世の中から詐欺が無くならないことで考えれば、分かりやすいでしょう。
愛も信用と同じで、人を選んで行う必要があります。
二つ目は、愛を勘違いしているケースです。
自ら進んで相手が求めることをすれば良い、と考えることは素晴らしいことです。
しかし、だからといって、相手にお金をたくさんあげたから、それが愛となるか?といえば、全くの別問題だからです。
愛というのは、心や気持ちですので
「物をたくさんあげた。これは私なりの愛だ」
と勘違いしないようにする必要があります。
それでは続いて、実際に愛を勘違いしたことによって、人生の選択を間違えた人の話を見ていきましょう。
愛を失う恐怖によって、選択を間違えた男
脱税によって、服役した男がいます。
彼は決して、凶悪な犯罪者でもなければ、不正直者でもありません。
彼が脱税したのは、妻に与えるお金が欲しかったからです。
しかし、明らかにこの男性は、自分の問題を理性や分別によって、前向きに解決しようとはしませんでした。
「妻の愛を失いたくない」という恐怖に駆り立てられるままに、一生涯その恐怖と、不安に縛られる道を選んでしまったのです。
彼は、問題の根本を見ようとせず、ただ妻の関心を買うためにのみ、脱税をしました。
しかも、一度そういうお金を使った後は、永遠に使い続けなければならないのです。
もし彼が、妻にありのままを打ち明けていたら、きっと彼女は協力したことでしょう。
そうすれば彼は、妻の愛を確かめることもできたのです。
しかし、恐怖に駆られて、間違った道を選んでしまったために、彼は妻の愛と、自分自身の評価の両方を失ってしまいました。
ここまでで学ぶこと
世の中には、良くも悪くも因果応報という言葉があります。
現在の自分の行いは、将来の自分への果報として返ってくる、というものです。
ここまでご覧の人であれば
・人から愛されない
・相手から愛が返ってこない
このような悩みや不安を抱えている人の原因が、どこにあるのかも、おおよそ見当がつくようになってきていることでしょう。
この「愛を失う恐怖」について、成功哲学の目線で見る際に重要なことは、この力が人間を動かすのに、どれだけの力を秘めているか?ということです。
なぜなら、この恐怖のベクトルを、自らの目標や願望のために向けることができれば、あなたの目標達成や願望実現のための、大きな助力となるからです。
愛を失う恐怖には
・自分を萎縮させてしまったり
・自信を失ってしまったり
・道を誤ってしまう
このような効果があるのです。
つまり、この恐怖を反転させて、愛の力を、成功へのエネルギーへと転換させることができれば
・あなたを伸張させ
・自信を持ち
・正しい道を選択できる
このようにあなたを支える力となるのです。
このような素晴らしい力を、あなたの願望実現のために、使わない手はありません。
なぜなら、これらの力は、特別な人だけが持っているわけではなく、誰もが使うことのできる脳力だからです。
ですので、現在愛を失う恐怖に怯えている人は、まずは自分を愛することから始めてみましょう。