モチベーションが物質的欲求のケース|ナポレオン・ヒルの成功哲学
物質的欲求がモチベーションとなることは、私から改めて具体的に解説する必要がないほど、誰でも知っている動機の一つです。
しかし、この動機に関して臆病になったり、否定的になったり、全面に出すことを恥ずかしがる人も多いものです。
こと日本においては、「お金を稼ぎたい」ということを口に出すのは宜しくない、といった文化的な風習もあります。
これではせっかくの動機も、モチベーションへと転化し、目標を設定するための動力源へと、転化することができなくなってしまいます。
この記事では、お金を稼ぐことに対する考え方や、物質的欲求をモチベーションへと転化するメリットについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。
モチベーションが物質的欲求なのは自然なこと
物質的欲求も、人間の基本的な感情の一つです。
ナポレオン・ヒルの成功哲学では、以下のように語られています。
もし、あなたが愛の精神と生の感情を満たし、物質と富を獲得しようとする欲求を持てば、世界を動かすための感情を所有したことになります。
そしてもし、あなたがこの欲求に対して、強いモチベーションを持つなら、仕事を嫌がる代わりに進んで取り組み、仕事を重荷だと感じる代わりに、そこに天の恵みを発見することになります。
なぜならば、仕事をすることで、欲求を満たすための手段を得るからです。
仕事は私達の欲求と、それを満たすための橋渡しとなるからです。
これは、仕事をすることでその対価として、金銭を得ることの正当性について語られています。
仕事を行うことで得られる対価である、給与や利益というものは、正当性のあるものですので、そこに引け目を感じる必要はありません。
例えば現在、雇用されて働いている人が給与を貰うことは、自分の正当な権利だと感じることはあっても、仕事に対して支払われる給与を拒否する人はいないでしょう。
分かりやすく例えるなら、欲しい物があるからいつも以上に頑張って仕事をする、来月は旅行に行くので残業してでも頑張る、という基本的な物質的な欲求というものは、モチベーションの源としては、最も基本的で扱いやすいものです。
次に、富を求める経済的安定をモチベーションとすることについて、詳しく解説していきます。
モチベーションで最も強い動機は経済的安定
人間社会は、物質や文明の発達と共に、それに対する批判哲学が盛んになりました。
物質やお金が大きな力を振るうことは、一方で貧困を生み、多くの人々から人生の喜びや、生きることの豊かさを奪い去っているからです。
ここで、正しく理解しておかないといけないことは、金銭の価値はあくまでもそれを正しく使うことにあり、決して所有することではありません。
物質も金銭も、結局は自己表現のための手段であり、人生の楽しみのために使って初めて、本来の役割を果たすものである、とナポレオン・ヒルの成功哲学でも説かれています。
もし人間が、人生の大部分を仕事に縛られ、生きるのに必要な最低限の給料しか支払われないとすれば、そこにある自由は制限が掛かり、自由とは呼べないものになってしまいます。
世の中には、金銭に背を向けて生きようとする人々もいます。
しかし、この社会に生きる以上、金銭なしで済ませるわけにはいきません。
もし、どうしても金銭なしで済まそうとすれば、その人はこの世の最大の悲劇とは、貧困に打ちのめされ、無一文になる事だと気づくことである、とナポレオン・ヒルの成功哲学でも語られています。
私達は、あくまでも現実的でなければなりません。
そして、その現実の中から、成功と幸福を掴み取らなければなりません。
こうした考え方は、人間に自由と豊かさを与え、貧困をなくし、個人の欲望に正しい方向を与えるものです。
経済的安定は、人生と家庭生活の調和をもたらす根幹です。
私達が属する社会体制は、利益の追求とそのために発揮される個人の創意や、自発性を許し、発展させるものです。
富を求める欲求は、行動への力強い動機となります。
しかし、それはコントロールされなければ、貪欲を生むこともまた事実です。
これらは、明確な目標や願望によってコントロールされ、そして導かれて初めて、建設的な行動の原動力となります。
続いて、モチベーションを富や経済的安定にする場合に、気をつけなければならない点について解説していきます。
モチベーションが富の場合に注意すること
富や、物質的な豊かさに対する心情は、次の言葉に要約できるとナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
私が感謝するのは、富や物質的な豊かさではなく、富や豊かさを人生の幸福に変えてくれる、知恵に対してです。
私は、敵を作ることがありません。
それは、私が全ての人々に対して、人生の豊かさを語り、人々の役に立っているからです。
私には、必要以上の富はなく、決して貪欲ではありません。
生きている間に使えるだけの富があれば、それで十分です。
この心情には、とても重大な事実が含まれています。
それは「いつまで続けるのか」という、稼げるようになった次の段階で、新たに立ちふさがる壁として現れるものです。
現状、まだお金が稼げる状態にない人にとっては、これはとても考えられないことかもしれません。
しかし、お金を稼げるようになった人の9割以上が、金銭的困窮からの開放の次に考えることは、時間的困窮からの開放なのです。
そのためには、明確な目標と願望に向けて、アイディアと精神を集中すれば、必ず協力者が現れます。
ただしそれは、あなたの願望が人々の理解と、共感を呼ぶものであればの話です。
この天秤の関係は、若さを失うことの代償に、経験や知識が積み上げられていくように、人生のバランスシートできっちりと保たれています。
もし、あなたが協力者に対して、何の恩恵も与えないとすれば、因果応報として、あなたは必ず罪の償いをしなければなりません。
しかし現実には、他人から奪い取るだけの人がとても多いものです。
彼らは常に裏口から入ってきて他人の成果を横取りし、自分のものは決して、他人に与えようとしません。
このような人たちと関わりを持っていれば、いつまで経っても経済的安定からも、時間の束縛からも開放されることはありません。
私達には、他人の反感や恨みを買わなくとも、人生の富を手に入れる方法があるのです。
物質的欲求をモチベーションへと転化して成果へと繋げる
さまざまなモチベーションの動機となるものがある中で、物質的欲求はとても自然なことです。
生きている人はすべて、大なり小なり、この欲求を日々の仕事へと転化しているからです。
それであれば、明確な目標と願望のために、この動機をモチベーションへと転化しない手はありません。
自分の成功に必要な動機を、しっかりとモチベーションへと転化して、目標の明確化のために役立てていきましょう。
- 人として社会で生きていく上で物質的欲求を持つことは自然なこと
- 金銭や富を動機とする場合には、経済的安定を得るための道具の域を超えないこと
- 「足るを知る」精神でどれだけ必要なのかを知るためには明確な目標が必須