自己啓発の研修内容の作り方|eラーニングとの違いと選び方のポイント
今回は自己啓発の研修内容の作成と選定方法について解説します。
・自己啓発の研修内容はどのようにすれば良いのか
・自己啓発の研修内容は全部eラーニングでもOK?
こうした疑問や思いをお持ちの担当者はたくさんいます。
自己啓発の研修内容をきちんと設計できれば、社員の成長と会社の成果の両方を支える心強い仕組みになります。
一方で現場の仕事に直結しないと「忙しいのに時間の無駄」と受講者の不満がたまり、逆効果にもなりかねません。
「集合研修とどう分ければいいのか」「どこまでをオンラインでやるべきか」が見えにくく損をしている人も多いです、
そこで今回は自己啓発の研修内容の作成と選定方法について解説します。
この動画を見ると自己啓発の研修内容の作り方、自己啓発のeラーニングとの違いが分かりますので是非最後までご覧ください。
それでは早速、自己啓発の研修内容を導入するところから見ていきましょう。
自己啓発の研修内容を考える前に整理したいこと
自己啓発の研修内容を決める前に整理しておきたいのは「研修なのか自己啓発の支援なのか」という位置づけです。
研修は会社主導で業務に必要な知識やスキルを教える場であり、基本的には受講が必須になります。
一方で自己啓発は社員本人が主体となって学ぶもので、会社はその背中を押す役割です。
この二つが曖昧なまま研修内容を決めてしまうと「任意のはずが実質強制」「評価にどう反映されるのか」などの不満が生まれます。
そこでおすすめなのが「会社主導の研修」と「自己啓発としての研修内容」を紙の上で分けて書いてみることです。
例えば必須のコンプライアンス研修や商品知識研修は前者、キャリア形成やコミュニケーション力向上は後者と整理します。
その上で自己啓発として扱うテーマは「任意」「推奨」「一部必須」など、参加の位置づけをあらかじめ決めましょう。
こうして枠組みを先に整理すれば、具体的な自己啓発の研修内容を考えるときに迷わず、社員への説明もシンプルになります。
この準備をしておくと、自己啓発の研修内容に対する社員の受け止め方も変わります。
「会社の都合でやらされている」のではなく「自分のキャリアのために会社が用意してくれた」と感じやすくなるからです。
まずは、現在の研修一覧を書き出し「これは自己啓発として再設計するべきか?」と見直すところから始めてみましょう。
その上で自己啓発の研修内容として扱うテーマだけを抜き出していきます。
そしてこれから紹介するステップに沿って設計していけば、無理のない仕組みに近づいていきます。
自己啓発の研修内容の作り方ステップ
自己啓発の研修内容を具体的に作るときは、三つのステップに分けて考えると整理しやすくなります。
三つのステップとは「目的と対象」「テーマとレベル」「形式と時間」です。
いきなり「どんな講座が良さそうか?」と探し始めてしまうと、現場のニーズと合わないメニューを選んでしまいます。
その結果「結局何が役に立ったのか分からない」というフィードバックになりがちです。
これを避けるためにはステップごとにシンプルな問いを用意して、それに答えていく形で設計していきましょう。
そうすると研修内容に一貫性が生まれ、自己啓発としても続けやすい形になります。
ステップ一つ目は「目的と対象を決める」ことです。
目的は「この自己啓発の研修内容によって、半年から一年後にどんな変化が起きていれば成功と言えるか」を一行で書きます。
例えば「若手の提案力を高めて受注率を5%上げる」「中堅社員のマネジメント力を底上げにより離職率を下げる」などです。
対象については職種・等級・部署など、誰をメインに想定するのかを絞り込みます。
この段階で目的と対象がはっきりしていれば、研修内容も自然と絞られて参加者も自分事として受け止めやすくなります。
ステップ二つ目は「テーマとレベルを決める」ことです。
同じコミュニケーション研修でも、入門レベルとマネジャー向けでは扱う内容が大きく変わります。
知識中心の講義が良いのか、ロールプレイなどの実践を重視するのかもここで考えます。
ステップ三つ目は「形式と時間・回数を決める」ことです。
集合研修にするのか、自己啓発のeラーニングと組み合わせるのか、何回シリーズにするのかを検討します。
この三つのステップを順番に進めることで「何となく良さそうだから」で選ぶことがなくなります。
そして目的に合った自己啓発の研修内容を組み立てられるようになります。
自己啓発の研修内容とeラーニングの違いと組み合わせ方
最近は自己啓発のeラーニングも一般的になってきています。
すると「研修はすべてオンラインにしてしまえば効率的では?」と感じる人もいるかもしれません。
確かに動画やオンライン教材を使えば、場所や時間に縛られず学べるという大きなメリットがあります。
ただすべてを自己啓発のeラーニングにすると「質問できない」「交流が生まれにくい」といったデメリットも出てきます。
ここで大切なのは集合研修と自己啓発のeラーニングを対立させるのではなく、それぞれの得意分野を組み合わせることです。
自己啓発の研修内容のうち、知識をインプットする部分はeラーニングと相性が良い場面が多いです。
例えば基本的な理論や手順、事例紹介などは動画やテキストで何度も見返せる形にしておくと、受講者のペースに合わせて学べます。
一方で「練習が必要なスキル」や「価値観の共有」は集合研修の方が効果的です。
ロープレやグループディスカッションを通して「実際の現場でどう使うか」を一緒に考える場を持つことが重要だからです。
すると自己啓発の研修内容が現場の行動に直結しやすくなるので、この役割分担を意識しておくと無理なく設計できます。
具体的には事前学習は自己啓発のeラーニング、当日は対面研修という形がおすすめです。
まずは事前に基本知識をeラーニングで押さえてもらいます。
そしてその後に集合研修で練習をして、自分の職場にどう落とし込むかの議論に時間を使います。
これによって当日の密度が高まり、現場の会話も生まれやすくなります。
自己啓発の研修内容を考えるときは「どこまでをeラーニングに任せ、どこからを対面で行うか」を最初に決めましょう。
そうすれば無駄の少ないプログラムに仕上がります。
自己啓発の研修内容を選ぶためのチェックリスト
最後に自己啓発の研修内容を選ぶときに使える、具体的なチェックリストを紹介します。
研修会社から複数のプログラム提案を受けたり、社内で自己啓発の研修内容案が上がってきたりする機会があります。
この時、どれも良さそうに見えて選びきれないという状態になりがちです。
そんなときは感覚だけで決めるのではなく、あらかじめ決めた観点で比較することが大切です。
ここでは、初心者の担当者でも使いやすい五つの観点に絞って整理します。
これらを紙に書き出して比較するだけでも、判断のブレを減らせます。
チェックポイント一つ目は「目的との一致度」です。
事前に決めた目的に対して、この自己啓発の研修内容はどこまで応えているかを確認します。
二つ目は「現場の実務との近さ」で、事例や演習が実際の業務にどれだけ似ているかを見ます。
三つ目は「フォローの仕組み」で、受講後に復習や相談ができる仕組みがあるかどうかです。
四つ目は「時間と負担感」で、繁忙期やシフトへの影響を考えつつ、無理なく参加できるかを判断します。
五つ目は「費用対効果」で、参加人数や期待される成果を踏まえて納得できる金額かどうかを検討します。
この五つの観点で〇、△、×でスコア比較してみると、どの自己啓発の研修内容が自社に合っているかが見えやすくなります。
また一度決めたら終わりではなく、実施後に必ずアンケートや現場の声を集めましょう。
そして「どこが良かったか」「どこを改善してほしいか」を記録しておきましょう。
これが次回以降の研修内容をブラッシュアップする材料になります。
こうして「決める→実施する→振り返る」のサイクルを回していくことが、研修の質を上げていくコツです。
後は継続していけば、自己啓発の研修内容が少しずつ自社にフィットした形に育っていきます。
編集後記
研修や自己啓発のプログラムを考える立場になると、肩に力が入ってしまうことが多いですよね。
これは「失敗したくない」「選択を間違えたらどうしよう」というプレッシャーを感じることが原因です。
私が現場の担当者と話していて一つ感じることがあります。
それは「最初から完璧なプログラムを作ろうとしない人ほど、長く続く仕組みを育てている」ということです。
まずは小さなテーマで一度試し、受講者の反応を正直に聞き、そこから一つずつ改善していけば十分です。
自己啓発の研修内容も会社と同じように育てていくものだと捉えて、今日決めた一歩を丁寧に歩んでいきましょう。
- 自己啓発の研修内容は目的と対象から設計する
- 自己啓発の研修内容はeラーニングと集合研修を組み合わせる
- 自己啓発の研修内容はチェックリストで比較検討する
