大自然の教えと法則から信念を芽生えさせる｜ナポレオン・ヒルの成功哲学

ナポレオン・ヒルの成功哲学では、人間が信念を持ち、その信念を立派なものへと育て上げるには、大自然の教えを有効に活用するべきである、とされています。

なぜなら、人間も大自然の一部であり、自然が生存し、繁栄していく過程は、人間が生存し、繁栄していく過程と何も変わらないからです。

大自然の法則というものは、そこまで難しいものではなく、誰にでも理解ができる、とてもシンプルなものです。

人間もそれと同様に、シンプルな自然の法則に従うことで、自分の潜在意識に信念を植え付けることができます。

・信念を持てる人との違いを知りたい
・信念が強固なものに育たない

こうした悩みを持っている人にとっては、この大自然の教えは、非常に役立つものとなるでしょう。

そのためには、まずは大自然の教えを、とてもシンプルに理解する必要があります。

そこでこの記事では

・生命の誕生と信念の関係
・自然の成長と信念との関係

これらについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

生命の誕生と信念の関係

全ての物体は、生物であれ、無生物であれ、一つの核から生じるものである、とナポレオンヒルの成功哲学では語られています。

自然界の中では、顕微鏡でなければ見えない程、小さな物質であっても、自分の育成と発展のために必要なものは、全て外界から吸収するだけの力を持っています。

どんぐりの中には、栄養、水、空気、光を受けて、一本の樫の木を作り出す、生命の核が隠されているのです。

これは、麦や他の穀物でも同じです。

一粒の種子は、周囲の環境から、生育に必要な養分をバランスよく吸収し、自らの成長だけでなく、種の保存と発展さえ、成し遂げてしまいます。

こうした植物の発芽と生育をイメージすることは、あなたの成功にも大きく関わってきます。

なぜなら、深層自己説得、すなわち自分の願望を繰り返し自分に言い聞かせて、潜在意識に定着させることの効果を、大いに高めるものだからです。

ここまでで学ぶこと

人間も自然と同様に、自分の育成と発展のために必要なものは、全て外界から吸収するだけの力を持っています。

なぜなら、現在の私達も、この力を活用することによって、今日まで生きているからです。

これは、生命の核によるものですが、同様に成功の核も、全ての人間が持ち合わせているものです。

一粒の種子の周りに、発芽と発育と保存のために必要なものが揃っているように、あなたの周りにも、必要なものが揃っていれば、自然と信念は発芽するものです。

信念を発芽させるために、必要となる最初のステップは、明確な目標や願望となります。

ただしこれは、きちんとあなた自身が納得できる形で落とし込まなければ、潜在意識への良い種とはなりませんので、注意しましょう。

具体的には、ただの目標では意味がありませんし、計画が伴わないものでもいけませんし、自分が納得できていないものでもいけません。

明確な目標からその達成計画までが、自分にとって納得できるものである時、それは初めて「腑に落ちる」ものへと変わり、信念を発芽させる種となります。

ここまで来たら、後は何度もその種に栄養を与えることで、信念が芽生えるようになります。

それでは続いて、信念を芽生えさせる下準備について、詳しく解説していきます。

自然の法則と耕作と信念の関係

感情の刺激や、信念によって温められた種子は、無限の叡智というエネルギーに触れることで、一気に花を咲かせる、とナポレオンヒルの成功哲学では語られています。

こうした性質は、種子、アイディア、または願望、それ自体が初めから持っている成長のノウハウに基づくものです。

植物の種子が将来、花や大木になる力をその中に秘めているように、価値あるアイディアの中にも、願望を実現する力と可能性が隠されています。

種子が発芽して、豊かな実りをもたらすことを望むなら、まずは畑をしっかりと耕し、そこへ種を撒くべきです。

あなたの願望や目標を種子だとすれば、潜在意識は畑に例えることができます。

そしてもし、あなたの願望が明確なものであるなら、それは良い種ということになります。

それは、決して理論の問題ではありません。

実証された事実です。

必要なことは、その事実にあなた自身の目標を重ね合わせることです。

ここまでで学ぶこと

世の中で上手く行かずに悩んでいる人の九割以上が、この工程を行うことをしていません。

ほとんどの人は、種となる目標を量産して植えてみたり、種への栄養になるだろうと行動を起こしてみたり、発芽させるための知識を詰め込もうとします。

しかし、種を発芽させ、成長させて、収穫するために必要となる第一歩は、耕作以外にはありません。

なぜなら、大自然の力を持ってしても、荒廃した土地では発展することはできないためです。

もし、現在どれだけ種を植えても、発芽することがないのであれば、その原因は二つしかありません。

一つは、種となる目標や願望が明確でないか、その計画が付随していない、あるいは納得できないものであることです。

もう一つは、種は良い種であっても、種を撒いている土壌が、発芽に必要なものを備え合わせておらず、荒廃していることです。

先程も申し上げた通りで、ほとんどの人は、土壌を整えることをしていません。

せっかく素晴らしい種を持っているのに、荒廃した土壌に種を撒き、何度やっても芽が出ない結果に、落胆している人が非常に多いのです。

逆に、素晴らしい土壌を持っているのに、良い種を持っていない、という人は非常にレアなケースです。

花を咲かせ、実をつけたいのであれば、まずは潜在意識の耕作、つまりあなたの心構えの構築から行うようにしましょう。

それでは続いて、成功するために必要なことについて、詳しく見ていきましょう。

人間は考えた通りの自分になる

潜在意識への働きかけや、無限の叡智については、生命の誕生をイメージすることで、その力を知ることができる、とナポレオンヒルの成功哲学では語られています。

また、アメリカの偉大な心理学者、ウィリアム・ジェームズ教授は、次のように語っています。

「願望や目標を、一つに絞って行動を起こせば、それは必ず実現されるでしょう。

金持ちになりたいと思えば、金持ちになり、学者になりたいと望めば、学者になります。

ですから、大切なことは一つの目標、はっきりとした願望を持つことです。

そして自分の目標に反すること、矛盾することを、同じくらいのエンスージアズム（熱意）を持って、遠ざけることです」

私達は、全く何も無いところから、何かを作り出すことはできません。

植物や麦の発芽や生育が、人間の願望の実現と共通するのは、一定の条件や環境の元で、それが起こるからです。

明確な目標を持ち、それを実現するためのしっかりとした計画を立て、潜在意識を刺激し、深層自己説得を行いながら、無限の叡智から巨大なエネルギーを引き出す。

願望や目標が実現されるプロセスは、植物の発芽や生育と同じです。

また、別の見方をすれば、マスターマインドの活用によって、耕作地の面積を増やし、それによって収穫を倍増させる、と考えることも可能です。

他人の力を有効に活かし、自分の力を増強するのです。

ここまでで学ぶこと

人間は、考えた通りの自分にしか、なることはできません。

成功できない人も、失敗する自分を何度もイメージし、そして失敗する理由を自分が納得するまで考え、成功するイメージよりも強くなるまで、それを反復しています。

あるいは、考えることを途中で放棄しているか、何も考えていないかです。

例えば、途中まではうまくいくけど、そこから先で躓いてしまう、という人の場合も、途中まではきちんと計画が立てられ、イメージできていることが多いです。

無から有は生まれない、というのは大自然の法則です。

よく大自然の法則を軽視する人を見かけますが、自然には成功哲学が溢れかえっています。

例えば、花は繁栄のために、自分で動けない変わりに蜜を差し出すことで、他の生物の力を借りて、受粉という目的を果たします。

自ら先に差し出すことや、他の生物との強力や共存は、これ以上にない、人が成功するためには欠かせない成功哲学です。

自然を見習って、土壌を整え、良い種を植え、発芽させ、花を咲かせられるようになっていきましょう。