【思考は現実化する】解説|100万ドルを持っていたら何をするか?|ナポレオンヒルの成功哲学
今回の「思考は現実化する」の読み解き&解説内容は、計画と意志が生み出す決意の力と重要性、そして想像力とアイデアが生み出すエネルギーについてです。
世の中には、目標設定に取り掛かって設定しても、その達成計画まで完成させる人はあまりに少なく、ほとんどの人がここで挫折してしまいます。
その結果、計画を持たずに目標のみを凝視して前進していくのですが、これではレシピも素材も持たずに、おせち料理を完成させようとしているのと変わりません。
そして、想像力というものは、単に閃きを生むためのものではなく、あなたの行動力の源となる、エネルギーを生み出す重要な要素です。
・目標や計画を立てるのが苦手
・意志が弱くて挫折する自分を変えたい
・想像力に欠ける
・頑張っても途中でガス欠する
こうした症状に悩んでいたり、悩みを抱えている人も多いので、今回の「思考は現実化する」の解説内容では
・達成計画と意志が生み出す決意の力の重要性
・想像力とアイデアが生み出すエネルギーとは
これらについて、名著「思考は現実化する」の内容を読み解きながら、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、一つ一つ詳しく解説していきます。
こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。
記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。
1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。
ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。
以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。
- ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
- ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
- マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
- ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
- ブライアン・トレーシー(営業の神様)
- デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
- ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)
現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。
100万ドルを持っていたら何をするか
次に紹介するエピソードは「意味あるところに道あり」という諺を立証しようというものです。
この話は、教育者で牧師でもあったフランク・W・ガンソーラス氏から直接聞いたものです。ガンソーラス氏は、シカゴの食肉加工教区で長い間、牧師をしていました。
ガンソーラス氏が大学に通っているとき、この国の教育制度に欠陥があることに気づいていました。
そして、もし自分が学長だったら、この欠陥の多くを解決できると考えていたのです。
彼は、自分のアイデアを実現するために、古い教育制度に縛られない新しい大学を設立しようと決心していたのでした。
しかし、その事業を達成するためには100万ドルの資金が必要でした。
そして、どうやってその資金を調達したらいいのか?この問題が大志を抱く牧師の心を長い間、悩ませ続けたのです。
しかし、悩み続けたところで事態は一向に進展しませんでした。寝ても覚めても、そのことだけが気がかりでした。そして、この悩みはやがて執念となったのです。
ガンソーラス氏は、牧師であると同時に哲学者でもありました。
成功したすべての人がそうであったように、彼は明確な目的のためには、どこからスタートしなければならないかを認識していました。
彼はまた、その目的を実現しようとする燃えるような願望が、達成への大きな原動力になることも認識していました。
ガンソーラス氏は、その真実に気づいてはいたものの、どうやったら100万ドルを手に入れることができるかは、全く分かりませんでした。
もし、彼が普通の人だったら、次のような言い訳をして諦めていたことでしょう。
「私のアイデアは非常に素晴らしい。だが、必要な100万ドルが手に入らない以上、私にはどうすることもできないのだ」
きっと、こう言ったに違いありません。しかし、彼はそうは言いませんでした。そのことについては直接、彼の言葉で語ってもらうことにしましょう。
ある土曜日の午後、私は自分の部屋で100万ドルを作るのにどうしたら良いかを考えていました。それは、もう二年近くも考え続けていたものです。
私には、考える以外にできることは何もありませんでした。やがて、行動に移す時期がきました。
私は100万ドルを一週間以内に作ることを決意しました。しかし、どうやって?私はそのことについて心配しないことにしました。
重要なことは、一定期間内にそのお金を作るのだという「決意」なのです。
私がこの決意をした瞬間から、今までに経験したことのないような、不思議な確信が心の中に生まれました。
心の中で、何者かが私にこう言っているのが聞こえてきたのです。「どうしてお前は、長い間その決意をしなかったのか?」
それからというもの、事態は急速に進展しました。私は、ある新聞社に電話をかけて、明日の朝に説教をしたいと申し入れました。
演題は「もし私が100万ドルを持っていたら何をするだろうか」というものでした。
そして私は、すぐ説教の準備に取り掛かりました。その準備は特に難しいものではありませんでした。なぜなら、二年間も私はその事を考え続けてきたからです。
それで、準備を整えて早めにベッドに入りました。私は、既に100万ドルを手にしている姿を想像することができました。
そして、自信を持って眠りについたのです。翌朝、早く目が覚め、バスルームでその原稿を読み返しました。
そして、ひざまずいて今日の説教が、お金を提供できる人々の心を動かしてくれることを神に祈りました。
祈っている間も、私の心は確信に満ち満ちていました。興奮のあまり、私はせっかく書いた原稿を持たずに、バスルームから飛び出し、説教場へ行きました。
そして、説教を始める直前まで原稿を忘れたことに気がつきませんでした。気がついた時は遅過ぎました。もう戻ることはできません。
しかし、原稿を忘れたことが、いかに幸いだったことか!なんと私が話さなければならないことは、すべて潜在意識が覚えていてくれたのです。
そして説教の時間がきました。私は立ち上がって瞑目し、心の底から私の理想を話しました。私は、ただ目の前にいる聴衆に話しただけでなく、神に祈りました。
そして、私が100万ドルを手に入れて、何をしようとしているのかということを詳しく話しました。
若者たちが、もっと実用的な知識を学びながら、同時に豊かな心を養うことのできる教育機関を作りたいという、私の長い間の計画について話しました。
私が話し終わって座っていますと、後ろから三列目あたりに座っていた一人の紳士が、ゆっくりと演壇の方へ近づいてきました。
私には、彼が何をしようとしているのか分かりませんでした。彼は演壇に上がると、両手を拡げて私にこう言いました。
「牧師さま。私はあなたの説教が気に入りました。もし100万ドルあったら、あなたは今、話されたことを実行なさるでしょう」
「あなたが明日の朝、私のオフィスにお越し下さるなら、私はその100万ドルを差し上げたいと思います」
「申し遅れました。私はフィリップ・ダンフォース・アーマーと申します」
翌朝、ガンソーラス氏は実業家アーマーのオフィスを訪ね、100万ドルを提供されたのでした。
アーマー実業大学は、その資金によって設立された大学です。現在、その大学はイリノイ工科大学として知られています。
必要な100万ドルは、一つのアイデアによってもたらされたものでした。
そのアイデアには、ガンソーラス氏が二年近くも温めてきた願望が、しっかりと裏付けられていたのです。この実例の中の、重要な点を見逃さないようにして下さい。
彼は、自分の願望を達成するために、明確な決意を持ち、計画を立て、実行してから36時間以内にその目標を達成していることです。
ただ、漠然と100万ドル欲しいと思っているような、夢のような願いを持つことは、世間では珍しいことでも何でもありません。
彼の他にも、大勢の人が持っている望みです。あの記念すべき土曜日の決意だけが、他の大勢の人たちと違っていたのです。
彼は、お金が欲しいという漠然とした考えを捨て「一週間以内に100万ドルを手に入れるのだ」という、明確な決意をしたことが成功に結びついたのでした。
ガンソーラス氏に100万ドルをもたらした法則は、現代でも生きています。あなたも、もちろんこの法則を使うことができます。
この不変の法則は、若い牧師を成功させたように、あなたをも成功に導くのです。
ここまでで学ぶこと
「意味あるところに道あり」というのは、アメリカ合衆国第16代大統領リンカーンの言葉です。
その言葉の意味は「どんなに困難なことであっても、それをやり遂げる意志さえあれば必ず道は開ける」というものです。
人が、目標や願望を諦めてしまうのは、その道が困難であるからではなく、それを「やり遂げる意志」がなかったことが原因です。
なぜ、こう言い切れるかと言うと、人の願望や目標というものは、他人でも同じようなものを持っている人がおり、自分でなければ他の誰かが達成するからです。
実際に、世の中にはある人が達成できなくても、他の人が変わりに達成した例というものは、上げればキリがありません。
つまり、あなたが目標や願望にしているものについても、物理的に達成不可能なのではなく、本人の意志次第である、ということです。
人は、空を飛べれば宇宙にも行けて、月面にだって到着してしまっていますから、それと願望や目標を比べてみれば、全然達成圏内であることに気付けるはずです。
ですので、今からでも遅くはありませんから、自分の意志を強くするための努力を行うようにしましょう。
そして、現代のレートに変えて35億円ほどの資金が必要であったガンソーラスは、ただの願望ではなく、明確な計画を持って現実に変えられる準備を整えていました。
例えば、二年間ただの願望として「成功したい」と考えることは容易ですので、誰にでもできることです。
しかし、その実現のための計画を、きちんと立てながらの二年間というものは、普通の人からしたら、あまりにも長く感じられることでしょう。
もし、これまでぼんやりとしか願望や目標について考えることをしなかったのであれば、一度真剣に向き合って達成のための計画を立ててみるようにしましょう。
そうすれば、これまで気付けなかった、自分の問題点に気付くことができます。
そして、ガンソーラスもある日突然、その願望について決意する日がやってきますが、その時に心の中から「ようやく動き出したか」と声が聞こえます。
この部分は多くの人たちにとって、とても重要な場面です。なぜ、ガンソーラスが決意して行動に移せたかと言うと、この心構えの構築ができていたからです。
ほとんどの人は、この心の中の声が「後押し」ではなく「邪魔」をしている状況です。
この心の中に在る、もう一人の自分という潜在意識を味方につけていない限りは、後押しされるどころか、常に邪魔をしてあなたを足踏みさせます。
ですので、あなたが決意できるように変わりたいのであれば、無理やり決意してもそれは勇敢ではなく、ただの無謀に終わりますので、心構えの構築から行いましょう。
こうして、あなたの在り方が磨かれ、そこに願望と達成させるための計画がきちんと揃っていれば、あなた自身がガンソーラスになることも可能なのです。
「そんな馬鹿な」と思われるかもしれませんが、実際に揃っているなら、現代であれば銀行へ行って融資の相談をすれば良いだけです。
あるいは、クラウドファンディングでも良いですし、起業家のインフルエンサーなどに出資の打診をしてみても良いでしょう。
どこまでいっても「意味あるところに道あり」なのです。
それでは続いて、ナポレオン・ヒル自身も経験した、成功へのマスターキーについて「思考は現実化する」を読み解いていきましょう。
アイデアをいかにして富に変えるか
エイサ・キャンドラーと、フランク・W・ガンソーラスの二人には、一つの共通点があることに目を向けてみましょう。
二人とも「明確な目標」と「完全な行動計画」があれば、アイデアを富に変えることができるという、驚くべき真実を知っていたのです。
もし、あなたが勤勉さと正直だけが、莫大な富を築くのだと信じ込んでいるとしたら、そのような考えは早く捨てるべきです。
真面目に働いていさえすれば、大金持ちになれるというのは、とんだ誤解です。莫大な富というのは、努力だけでは手に入らないものです。
莫大な富というのは、強烈な願望と不変の法則の働きがなければ手に入らないのです。もちろん偶然や、まぐれとも無縁です。
一般的に言って、アイデアとは思考の閃きであり、それは想像力の働きを借りて、人に行動を起こさせるものです。
そのままでは売れない商品でも、アイデアによって売ることができることを、セールスパーソンは知っています。
しかし、ありきたりのセールスパーソンはその事実を知らないため、ありきたりのセールスパーソンで終わってしまうのです。
ある廉価本の出版社は、非常に興味ある事実を発見しています。お客のほとんどは、本の内容ではなくタイトルで買うのだそうです。
実際に、全然売れていない本の題名を変えるだけで、100万部も売れたということがありました。
本の内容は一切変えていないのです。ただ表紙を取り替えただけなのです。しかし、そうすることによって、爆発的に売れたのでした。
一見、何でもないことのようですが、これも一つのアイデアなのです。立派な想像力なのです。
アイデアには定価がつけられません。なぜなら、それはアイデアを思いついた人が自分で値段をつけるものだからです。
だから、その人が賢明なら思い通りの値段がつけられるのです。
アイデアを発案する人と、そのアイデアを売る人が、手を握って事業を始めるとき、そこにさまざまな成功物語が生まれるのです。
アンドリュー・カーネギーは、アイデアを発案する人と、そのアイデアを売る人を自分の周りに集めました。
そうすることによって、彼は専門外のアイデアも手にすることができ、また自分をも含めて、数多くの人々に富をもたらしたのです。
多くの人々は、ただ幸運が回ってくるのを待つだけの人生を送っています。もちろん、偶然によってチャンスを掴む人もいるかもしれません。
しかし、賢明な人生設計を立てたいならば「運」だけを頼りにしてはいけません。
確かに、私の場合も最大のチャンスを与えてくれたのは、ちょっとした運ではありましたが、そのチャンスを資産として築くには、25年間の努力が必要でした。
その幸運というのは、アンドリュー・カーネギーとの出会いでした。カーネギーが、私の頭の中に「成功哲学」をまとめ上げるというアイデアを植えつけたのです。
以後、25年間に渡る努力と研究の成果によって、何千人もの人々が利益を得ることができましたし、多くの富豪も誕生させたのでした。
何事も、初めはごくありふれたことから始まっています。偉大な成功ですら、誰でも思いつくようなアイデアから始まったものなのです。
私の幸運は、カーネギーによってもたらされたものです。
しかし、その後の私の決意、目標の明確化、達成への願望、それに25年間にも及ぶ、忍耐強い努力は何だったのでしょうか?
私の願望は、ありきたりのものではありませんでした。そのため、気落ちや一時的な敗北、批判、時間を浪費しているのではないかという不安に打ち勝ってきたのです。
それは燃えるような願望でした。もはや執念ですらありました。
カーネギーが、初めてこのアイデアを私の頭に植えつけたとき、私に何か閃くものがありました。
そして、私自身をなだめたりすかしたりして、その閃きを消さないようにしました。
そうしている内に、やがてアイデアが力を持つようになり、大きく成長し、私自身をも支配するようになったのです。
アイデアとは、そのようなものなのです。最初はあなた自身が生み出し、活力と方向を与えてやらなければなりません。
しかし、いつの間にかアイデア自身が力を持つようになり、すべての障害を乗り越えるように成長するものなのです。
アイデアは、目に見えないエネルギーです。そのアイデアを生み出した頭脳よりも大きな力を持っています。
また、アイデアはそれを生み出した頭脳が、土に戻った後でも生き続けるのです。
ここまでで学ぶこと
真面目に働いて、正直に努力を続けていれば、もちろんそれに応じた結果というものは実りますので、全くの無駄に終わるわけではありません。
しかし、もしあなたが求めるものが莫大なものであるのだとしたら、その時にはそれだけだと足りませんよ、ということです。
アイデアによる閃きも、想像力もどちらも育み、成長させることができるものですので、現在アイデアや想像力に乏しいのであれば、まずは訓練して鍛えましょう。
貧弱な身体のまま、ボディビルの大会へ出場しようとしても、優勝はおろか出場すらできませんので、まずは自分の状況を知り、何をするかを明確にすることです。
具体的には、あなたのアイデアが周囲に「面白い」「発想が斬新だね」と、お世辞ではなく本音で言われるくらいになる必要があります。
そうすれば、こうした状況であれば「思考は現実化する」で語られているカーネギーのように、相手からあなたへ既にアプローチが来ているはずです。
この時に、間違っても「会社の上層部が無能」ですとか、既に世にある、誰でも思いつくようなアイデアで終わらせないようにすることです。
なぜなら、それはアイデアによる閃きでも想像力でもなく、ただの愚痴や不平不満でしかないからです。
もし、本当に会社にとって利益の生まれるアイデアや想像力であれば、会社の上層部へそのアイデアを持って直談判をすれば、あなたは役員になっているでしょう。
アイデアや閃きというものは、その灯火を消さないように、大事に育てて現実的な形へと変えれば、その過程で猛火や灼熱と変わり、あなたのエネルギーになります。
あなたの閃きを猛火へ変えられるよう、心構えの構築と想像力の鍛錬に励むようにしましょう。