【思考は現実化する】解説|障害を財産に変えるインスピレーション|ナポレオン・ヒルの成功哲学
今回の「思考は現実化する」の解説内容は、一人の耳の不自由な少年と、その父親の努力に関する実話の後編です。
前編では、耳の不自由な少年の生い立ちから、少年時代までについて見ていきました。
一人の耳の不自由な少年は、父親の「息子の耳は聞こえるようになる」という願望と、それを「絶対に諦めない」という信念によって支えられてきました。
そして、それによって、絶好のチャンスにも敏感に反応し、それを活かすことで、何とか道を切り拓くことができました。
今回のエピソードでは、ブレイアがその後、社会的にも成功し、自分と同じ境遇の人達に貢献するまでを見ていきます。
・逆境を克服できる気がしない
・成功のアイデアが湧いてこない
こうした悩みを抱えている人にとっては、ブレイアから勇気を与えてもらえるかもしれません。
今回のエピソードでは
・逆境を乗り越えることで、同等かそれ以上の利益を得ることができる
・インスピレーションが浮かぶきっかけ
これらについて学ぶことができます。
それでは早速、この親子のエピソードについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。
1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。
ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。
以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。
- ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
- ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
- マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
- ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
- ブライアン・トレーシー(営業の神様)
- デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
- ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)
現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。
願望はひとまず実現した
教師たちがよほどの至近距離で、大声で話してくれた時を除いて、ブレイアはほとんど耳が聞こえないまま、小学校、中学校、高等学校、大学を卒業しました。
ブレイアは、聾学校には通いませんでした。
私は、彼に手話を習わせたくはなかったのです。
彼には健常者と付き合い、 普通の人の生活をさせてやりたかったからです。
なぜなら、私にはそうできる、という確信がありました。
そして私は、その考えを貫き通したのです。
もちろん、時には学校関係者と、熱い議論を交わすことにはなりましたが…
高校生の頃、電気を使った補聴器を使用してみましたが、役には立ちませんでした。
しかし、大学生活も残すところあと一週間という時に、彼の人生の最大の転機となる出来事が起こったのです。
それは偶然のことでしたが、ある日、新しい補聴器を試してみる機会がありました。
あるメーカーが突然、見本として送ってきたのです。
これまで似たような装置を用いて、上手くいったことが無かったので、彼はあまり積極的に試そうという気は起きないようでした。
ブレイアは、無造作にその補聴器を耳にセットし、スイッチを入れてみました。
するとどうでしょう。
生まれてこの方、ずっと念願してきた正常な聴力が、まるで魔法のように現実のものとなったのです。
ブレイアは生まれて初めて、普通の人と同じように、聞くことができたのです。
この補聴器によって、まったく新しい世界が開けたのです。
ブレイアは飛びあがって喜び、母親に電話をかけに行きました。
そして、母親の声を完璧に聞き取ることができたのです。
また次の日には、授業中に教授の声を、はっきりと聞き取ることができました。
本当に初めて、他の人と自由に会話を交わすことができたのです。
これはまさしく、別世界に飛び込んだようなものでした。
こうして願望はようやく、叶いつつありました。
しかしまだ、私たちは完全な勝利を手にしたとは思わなかったのです。
というのも、私は彼が背負わされた障害を、何らかの方法で、障害に匹敵するだけの財産へと、転換する決意をしていたからです。
こうして私達の願望は、あらたなステップへと、一歩踏み出しました。
ここまでで学ぶこと
ブレイアは、補聴器を手に入れることで、ようやく完全な音のある世界へ、辿り着くことができました。
同じような境遇の人にとって、音のある世界へ辿り着いたことで、満足して終わることもできますが、ブレイアと父親にとっては、ここからがスタート地点でした。
彼らは、これまで信念を持って行動を続けており、そこにメーカーが開発した補聴器の登場によって、意図しない形で願望の実現を迎えることになります。
ところが、彼らの燃えるような願望と、それを支える信念は、それだけでは満足させることができませんでした。
それが結果的に「聴覚を取り戻し、話せるようになる」という着地点の、更に先をも見通させる力を、二人に与えたのです。
「やるならとことんやってやる!」
これくらいの熱意が、本気で物事に取り組むということです。
こうした話は、これまで自分の人生で経験したことがない人にとっては、ある種の与太話のように聞こえるかもしれません。
しかし、現実にこうしたことは、すべての人の周囲に起きている事実です。
例えば、これまで全く稼げなかった人が、正しい努力の末に、目標にしていた月収100万円を達成したとしましょう。
これに満足して、頑張ることを辞める人も、もちろんいます。
また、稼げなかった人が稼げるように変わったことで、当初の目標の月収100万円は達成しましたが「まだまだいける!」と、更に高みを目指す人もいます。
ここで重要なことは、これくらい貪欲で、前のめりになるほどの熱意を持って、全力で取り組むことが「本気になる」ということだ、と認識することです。
それでは続いて、貪欲に、前のめりになる二人が、この後どうなっていくのかについて、詳しく見ていきましょう。
障害を財産に変えるインスピレーション
ブレイアは「音のある世界」という、生まれて初めての経験に恍惚としていました。
そして、補聴器のメーカーに手紙を書き、熱っぽく自分の体験を報告しました。
その手紙を読んだメーカーは、彼をニューヨークに招きました。
ニューヨークに着くと、彼は工場を案内されながら、技師にまったく新しく開けた世界のことを話していました。
ちょうどそのとき、あるインスピレーションが、彼の頭に浮かんだのです。
そのインスピレーションこそが、彼の障害を、財産へと変えるきっかけとなったのです。
そのとき、彼の心に浮かんだヒラメキによって、耳の聞こえないまま、一生を過ごさなければならない何百万人もの人々に、富と幸福を与えることができたのです。
そのインスピレーションとは、次のようなものでした。
彼らに自分の体験を伝えることができれば、補聴器を使用しないまま、一生を終えてしまう数多くの耳の聞こえない人を、助けることができるのではないか。
こうして一カ月間、 ブレイアは研究に没頭しました。
彼は、補聴器メーカーのマーケティングを、徹底的に分析したのです。
そして、ブレイア自身の喜びを、他の耳の聞こえない人々とも分かち合おう、という強い願望に促されて、彼は頑張り通しました。
彼は、自分の調査結果に基づいて、入念なニカ年計画をメーカーに提出すると、 メーカーは直ちに、それを実行するための役職に、彼を就かせることを決めたのです。
もし、ブレイアがハンディを背負った人々に、彼が体験した喜びと、希望を与えたいという願望を持たなかったら、どうなっていたでしょうか?
きっと、これらの人々が喜びと希望を見出すのは、もっとずっと後になってからの事になっていたに違いありません。
何よりも、私たち夫婦がブレイアの心構えを、プラスの方向に形成していなかったならば、ただ耳の聞こえない人間として、一生を送ったに違いないと確信しています。
私たちは、彼の心に「聞きたい、話したい、普通の力を持った人として生きたい」という、燃えるような願望を植えつけたのです。
そしてその願望は、不可能を可能にする力を発揮して、彼の聴力を蘇らせたのです。
ブレイアは、正常な聴力を願望して、それを手に入れました。
まさに、チャンスは準備をしていた人間の元に、飛び込んできたのです。
もし、ハンディに打ちのめされたまま、過ごしてきていたなら、彼はその障害を財産に変える術もなく、この社会を生きていかなければならなかったでしょう。
明確な願望と、燃えるような確信、信念が、ブレイアにも、また周囲の人々にも、幸福をもたらしたのです。
ここまでで学ぶこと
ブレイアが生まれてから成人するまで、燃えるような願望を植え付け、整地された素直な心に、成功哲学を反復させたことで、願望の種は雄大な大木へと成長しました。
20年間、手塩にかけて育て上げた願望は、時を待って、その時が来ると、爆発するように育ち、そして一気に花を咲かせたのです。
その栄養源は、父親のナポレオン・ヒルが、自身の名を世界に広めた成功哲学を、潜在意識へと反復させていた成果であれば、尚の事、想像に難くないことでしょう。
チャンスやインスピレーションというものは、準備をすればするほど、それに対して敏感になることができます。
とはいえ、チャンスやインスピレーションというものは、そのほとんどが「よりによって今か!」と言いたくなる時に、訪れたり湧いたりするものです。
しかし、そもそも準備を行っていないと、チャンスやインスピレーションに気付くことはできません。
ここで言う準備とは、明確な目標や願望と、その達成計画を持つこと、積極的心構えを身につけていることです。
これらに真剣に取り組み、本気になっている状態の時に、チャンスやインスピレーションが訪れることによって、それらに機敏に反応することができます。
これが、現在の問題や、課題を解決させるきっかけになったり、達成に足りないものを補うアイデアだったりするのです。
実際に、ブレイアが考案した二カ年計画は、彼に社会的にも成功するチャンスを与えました。
世の中の、チャンスを掴むことができない人のほとんどは、準備を行うことなく、ただただチャンスが訪れるのだけを待っています。
実際は、そうした人にも、既にチャンスは訪れています。
しかし、そのチャンスに気付かず、素通りしてしまっているだけなのです。
チャンスやインスピレーションをきちんと掴むためにも、準備を怠らないよう、自分の目標や願望、そしてその達成計画を練り上げ、心構えを構築しておきましょう。