マスターマインドで重要な第二のルール|ナポレオン・ヒルの成功哲学

マスターマインドとは、調和を生み出すために、もっとも重要な要素です。

調和と聞くと、あまりイメージが湧きづらいかもしれませんが、ハーモニーと聞くと、なんとなくイメージがしやすくなるかもしれません。

マスターマインドによるこの調和というものは、他者とはもちろんですが、それ以外にも、自分自身の成功のために必要な、他の要素との調和の役割も果たすのです。

・私の周りにはなかなか協力者ができない…
・周囲との信頼関係が続かない…
・受動的な組織を能動化させたい

このような悩みや願望を持っている人たちが、変えないといけないポイントというものは、4つの要素と他のノウハウとの歯車の兼ね合いです。

この記事では、マスターマインドがもたらす調和について、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

マスターマインドと明確な目標の関係

共通の目的を持つ心と心の出会いは、お互いの心を刺激し、普段とは比較にならない力を発揮するものである、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

共通の目的を持つ心の出会いは、勇気と信念を生み出すのです。

分かりやすく例えるなら、映画でも漫画でもドラマでも、主人公とその仲間たちには、必ずこのような出会いが用意されていることからも、全世界の人類共通の認識であることを物語っています。

ナポレオン・ヒルの成功哲学の中には、ところどころにいくつかのキーワードが隠されています。

それは、積極性、調和、勇気、信念、共通の目標という言葉ですが、それは明確な目標や願望というものの、別の表現です。

共通の明確な目標や願望を持ち、その実現にエンスージアズム(熱意)を燃やす人間同士の出会いは、マスターマインドを生み出し、調和、勇気、信念をもたらします。

積極性

一度マスターマインドが形成されれば、人々は一丸となり、積極性が生じます。

そしてそのグループは、明確な願望や目標に従い、共通の基盤に立って行動を起こすようになりますし、またそうするようにしなければなりません。

願望や目標を、明確化することによって生まれる利益は、グループ全員のものであり、逆に優柔不断、消極性、狐疑逡巡は、グループの団結にヒビを入れる原因になってしまいます。

完全なる調和

心と心が一つになるには、自信と調和がなくてはなりません。

しかもそれは、受け身の調和ではなく、不和の原因を積極的に取り除くことによって得られる、前向きな秩序としての調和です。

それには、事実認識の一致、目標についての明確な理解を基礎とし、それぞれのメンバーが、グループ全体の利益に従うことが必要不可欠です。

豊かな人間関係を作り出す人には、チャンスはどこにでもあるという言葉を肝に銘じましょう。

マスターマインドの歯車が回りだす4つの要素

もちろん複数の人間が集まったからといって、すぐにマスターマインドとしての関係が始まるわけではありません。

たとえ彼らが、共通のはっきりとした目標を持って集まったのだとしても、4つの要素によって、その関係が培われ、育成されて、初めて実現されるものである、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

4つの要素とは以下の通りです。

1,信頼

まず信頼とは、事実によって証明された忠実さと、それに基づく信用を意味する言葉です。

あなたの対人関係は信頼度、厚い信任に基づいたものでなくてはいけません。

もし、公共事業を行うのであればともかく、通常はあなたが結んだ提携や、その目標について部外者に話す必要はありません。

世間には、見栄や虚栄心からあれこれと吹聴して回る人もいますが、そういう人たちを計画に加えることはできません。

2,理解

理解とは、自分たちの置かれた状況、目標、提案について、その意味と性格を熟知することです。

そしてさらに、メンバーの意見や提案に対する共感能力を意味します。

共同のプロジェクトの場合には、参加者全員がそのプロジェクトに同意することが必要ですが、その土台となるものは、プロジェクトの意義や性格を理解することです。

それがあって初めて、積極的に推進しようとする気持ちが生まれてくるのです。

3,公正

不公平や偏見がなく、利己主義が排除されているとき、それを公正と呼びます。

一般に、意義や反対が唱えられるのは、そこに公正さが欠けているからであり、マスターマインドに従って私達が提携を結ぶときには、各自の役割分担と、利益の配分は十分に考慮される必要があります。

そして、全員が合意して初めて、プロジェクトはスタートするのです。

4,正義

正義とは、最高の倫理を持って行う人間関係のことで、他人の犠牲によって不当な利益を上げるような行為を許さないものです。

勇気とは、決意と確信を持って困難に立ち向かうことであり、自己に対する信頼や、成功の意識に支えられた心構えであると言えます。

例えば、バッテリーの内部では、正と負のイオンが反応することによって、電気的エネルギーが発生します。

それと同じように、人間の心から放射される思想のエネルギーは、他者の魂と反応し、そこに火花が散り、より大きな力が生まれます。

勇気には、周囲の人々の心を刺激し、連鎖反応を起こすエネルギーが含まれています。

また、人間の内面的な能力には、各人の関心の深さや、やる気などの点で、微妙な意味でも差があり、その調和の取れた協力や連帯は、確実に個人の力を上回るという事実を知りましょう。

マスターマインドと自主性、信念の関係

友好的な助言は、非友好的な批判よりも、重みがあるという言葉があります。

この言葉は、マスターマインドの果たす役割と、集団の内部に調和が生まれるとき、それがいかに大きな知的エネルギーを生むかを語っています。

マスターマインドと、それを支えるノウハウの有効性を確かめるために、その実例を自然界に求めてみましょう。

動物は自然界では群れを作りますが、その群れを動かす集団のノウハウに従うとき、勇猛さやパーソナルイニシアティブ自主性を発揮します。

例えば、犬は1匹では決して羊を襲うことはありませんが、羊を襲っている群れの中へ投げ入れれば、たちまち獰猛になるでしょう。

つまり犬は群れることで、狼になるというわけです。

信念

信念は、ナポレオン・ヒルの成功哲学全体を貫く一本の赤い糸であり、一切の否定的な考えを追い払い、無限の叡智を呼び寄せるための心の状態といえる、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

ひらめきとは、命と心との間に散る火花のことです。

マスターマインドを活用すると、他の成功哲学の歯車が回り出す

マスターマインドを活用するためには、パーソナリティ人間性が必要不可欠ですが、マスターマインドを活用できるようになると、明確な目標や自主性、信念といった他の歯車が回り出します。

よく、成功哲学を一つの大きなノウハウと考える人がいますが、これらはよくある誤りです。

成功哲学とは、数学と同じで、他の公式やノウハウ、基礎となる土台を身につけることと似ています。

これは、公式が身につけば、どんどん難易度が上がる問題を解いていけるのと同じように、成功哲学は数学という、大きなジャンルの括りでしかありません。

成功という、大きなジャンルの中にある小さな一つ一つのノウハウを、しっかりと理解し、応用して活用することで、公式に対する理解が深まります。

すると、どんどん難易度が上がっていく、さまざまな課題や壁を超えることが出来るようになる、歯車の組み合わせが成功哲学なのです。

つまり、現状で上手く行かずに悩んでいる人が、何か一つのノウハウを知っても、成果が変わらないのは、おかしなことではありません。

一つ一つのノウハウという、すべての歯車が正しく設置され、型が噛み合い、正しく順序立てて回ることで、時計の針のように、成功に繋がる成果が回り出すのです。

まとめ
  • マスターマインドは明確な目標に積極性と調和を生み出す
  • マスターマインドが回り出すために必要な4つの要素を知ろう
  • マスターマインドが自主性と信念にもたらす効果を活用しよう