【思考は現実化する】解説|ナポレオン・ヒルが赤字の大学を立て直し、学生たちを味方につけたエピソード
今回の「思考は現実化する」の解説内容は、ナポレオン・ヒルがある大学の問題を、アンドリュー・カーネギーの教えに従って解決に導いた一例です。
人は、問題に直面した時に「その問題をどうしたら解決できるか?」と悩むのですが、その時にどうしても、問題を一度に解決する方法を模索しがちです。
ところが、一見、自分には解決不可能に見えるような問題であっても、その問題を解決するための重要な考え方というものがあります。
・解決不能な問題に直面して困っている…
・問題が見つかると見て見ぬふりをしがち…
・問題が見つかった時に解決するのが苦手…
このような悩みを抱えている人に向けて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、問題解決の3つのポイントについて、一つ一つ解説していきます。
1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。
ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。
以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。
- ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
- ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
- マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
- ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
- ブライアン・トレーシー(営業の神様)
- デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
- ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)
現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。
ナポレオン・ヒルが大学を立て直したエピソード
それでは早速、ナポレオン・ヒルのエピソードから見ていきましょう。
ちょうど、今から40年前に、私は初めて、ここシカゴにやって参りました。
そしてそこから、ここに10年間住むことになりました。
私はここで、ラサール大学の広報部長の仕事を始めました。
それまで、 この大学には広報部長がおらず、私が初めてこの職に就いたのですが、この仕事を始めてからとても短期間、ほんの三カ月ほどで、このラサール大学が大きな赤字を抱えていることに気付きました。
というのも、給料の小切手を換金するのに、あちこちの銀行をたらい回しにされたからです。
これには困りました。
そこで、私は、アンドリュー・カーネギーの言葉を思い出しました。
「大きな問題に直面したときは、その問題を一度に解決しようとはせず、問題を細分化し、その一つひとつを解決するようにしなさい」
このように、彼はよく私に語っていました。
そこで私は、この問題を分析し、この問題の原因になり得るものをリストアップしてみました。
その結果、この問題は、経理部の部長のせいだと気付きました。
彼は、授業料を払わない学生に罰を与えると脅していたので、学生たちは余計に腹を立て、結局、学費を払わないという悪循環の状態だったのです。
私は、大学当局に対して、この部長に新しい会社で、新しい仕事を探すように勧めてはどうかと提案しました。 新しい会社で、です。
ちょっと遠回しな表現だったでしょうか?
しかし、この提案は受け入れられました。
代わりに、それまでセールスパーソンだった男が、彼の役職に就きました。
この新しい部長は、学費を滞納している学生たちに、罰を与える代わりに、丁寧な手紙を書きました。
さらに、私たちは、二つの解決策を考えました。
まず一つは、学生たちに8%の利益で大学の株を売ることにしました。
これで、いくらかの利益を上げることに成功しました。
二番目には、学生たちを大学のセールスパーソンにしてしまったのです。
こうして、学生たちは、自分たちが滞納していた学費を払うばかりでなく、多くの新入生を大学に連れてくるようになりました。
この後、少なくとも五年の間、ラサール大学は、他のどの学校に比べても、大きく急成長したのです。
これはすべて、カーネギーの教えによるものです。
もし、彼に出会っていなければ、 「問題は細分化して解決すればよい」という彼の言葉を聞いていなかったら、このように、うまくこの問題を解決することは、とてもできなかったでしょう。
このエピソードから学ぶこと
そもそもなぜ、そんなに前向きに取り組むことが出来るのか、そしてアイデアが湧いてくるのか、さらには周囲を味方につけることができるのか。
これらの疑問はすべて、心構えをきちんと構築できていることと、成功哲学をきちんと理解して、自分の人生に適用できるようにしているからです。
それでは、具体的な3つのポイントに入っていきます。
1つ目のポイントは、問題の細分化です。
自分には解決できないような、大きな問題に直面した際には、まずその問題を自分が解決できるレベルまで細分化して、リストアップしてみましょう。
細分化の基準は「自分が解決できるレベルまで」です。
例えば、食事の際にとても大きな料理が、テーブルに運ばれてきたらどうするでしょうか?
まずは自分が食べられるサイズ、問題なく口に入れられるサイズまで切り分けますよね。
決して「自分の口には入らないから、食べるのは諦めよう」とはならないはずです。
問題解決の際も食事と同じで、自分が食べられるサイズまで細分化すれば良いのです。
この時に、間違っても「ギリギリなんとかなる」サイズにはしないことです。
食事の例を思い出してみて下さい。
自分の口にギリギリ頬張れるサイズで切り分けて、食べてみたらどうなるでしょうか?
大きすぎて飲み込めなかったり、下手をすると喉を詰まらせて、命の危険を招いてしまうかもしれません。
このように、問題の細分化の際も、ギリギリ何とかなるサイズだと、自ら危険を招くことにもなりかねないのです。
2つ目のポイントは、賞と罰についてです。
ペナルティを課すことは簡単ですが、それで問題が解決するとは限りません。
なぜなら、「罰」を与えて恐怖政治を行えばどうなるかは、これまでの世界の歴史から見ても明らかだからです。
どうせなら、逆に「賞」を与えた方が人は動くものです。
あなた自身も「賞」と「罰」のどちらを与えられる提案の方が、やる気が出るかを考えてみて下さい。
例えば、遅刻癖のある人に「罰」を与えるのは簡単です。
しかし、それで遅刻癖が治るかと問われれば、おそらく難しいでしょう。
それであれば逆に、遅刻しなければ「賞」を与えるようにした方が、人はやる気が芽生えます。
この時に重要なのは「賞」のボリュームです。
「賞」を貰う人が、問題と「賞」を天秤にかけた時に、圧倒的に「賞」へ傾くようにしないと意味がありません。
3つ目のポイントは、問題解決に当たり、周囲の人の協力を得られるかどうかです。
ナポレオン・ヒルのエピソードでは、問題の中心人物である学生たちを味方につけました。
よく考えれば、なかなか不思議な状態ですよね。
問題の中心人物である学生たちですから、通常であれば敵対してもおかしくありません。
実際に、先程のエピソードでも前任の経理部部長は、学生たちと敵対していましたよね。
しかし、ナポレオン・ヒルたちは、この敵とみなしたくなるような学生たちを、味方につけることで無事に問題を解決しています。
あなたが今抱えている問題を解決したい場合には、まずは細分化してリストアップし、そして「賞」と「罰」を見直してみて、さらには周囲の人の協力を得ることができないかどうかを検討してみることです。
そうすれば、難攻不落とすら思えていたはずの問題が、いつの間にか「あとはこの部分をなんとかすれば解決できる」というところまで辿り着けるものです。
一見しただけで諦めてしまわずに、使えるものを総動員して解決に挑んでみましょう。