【思考は現実化する】解説|最も価値ある財産とチャンスの迎え方

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、ナポレオン・ヒルのあるスピーチの一部です。

このスピーチでは、アンドリュー・カーネギーが語る、最も価値がある財産と、ナポレオン・ヒルが辿り着いた、チャンスという概念について触れています。

ナポレオン・ヒルは、成功哲学を世に出すにあたって、世界各地で講演を行っていました。

ナポレオン・ヒルは、ウッドロー・ウィルソン大統領の広報担当を行っていたり、フランクリン・ルーズベルト大統領の補佐官なども務めていました。

その際に大統領が行う、演説の草案なども作成していました。

このナポレオン・ヒルのスピーチは

・大富豪が語る、最も価値がある財産とは何か知りたい
・自分にはチャンスが巡ってこない…
・チャンスを掴むために必要なものとは

このような興味を持っている人にとっては、とても有意義な内容になることでしょう。

それでは早速、このスピーチの内容について、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、一つ一つ解説していきます。

カーネギーの莫大な財産とは

私がまだ、この成功哲学をまとめようと、四苦八苦していた時、カーネギーは私に、こう言いました。

「私は死ぬ前に、今までに貯めた金を全部使ってしまうつもりだ。何か、私の金が役に立つものが見つかれば、すぐにでも使いたいと思っている」

そして、皆様ご存じのように、彼はそれを実行しました。

教育団体、図書館、平和を維持する目的の諸団体、考えついたものすべてに、彼は多額の寄付を惜しみませんでした。

その総額は、今の金額にして20億ドルにも達します。

でも彼は、こうも言っていました。

「まだ十分じゃない。 これは、私の財産のほんの一部にすぎない。

私の持っている最も価値の高い財産とは、私が富を築いた方法、ノウハウだ。

私は、何よりもこれを、世界中の人々に残してあげたいと思う。

君なら絶対に完成させることができる。

だからこそ君を選んだのだが、私は、やっと自分の望みを叶えることができる。

君に賭けているんだよ。

君なら、私が手に入れたものよりも、もっともっと多くの富を手に入れることができるはずだ。

もっと多くの人たちに、成功を収めさせることができるはずだ」

ここまでで学ぶこと

カーネギーは、たった一代でアメリカの鉄鋼王となりました。

当然、築いた財産も莫大なものであったのですが、そのカーネギーをしても、最も価値が高い財産とは、ノウハウであると言っています。

著名なものでいうと、ニューヨークで最も有名なコンサートホールである、カーネギーホールも彼の寄付によって建てられたものです。

20億ドル以上も寄付を行うほど、財産を持っていたカーネギーが、最も価値が高いものはノウハウである、と言っている真実に、私達は目を向けなければなりません。

なぜなら、ノウハウさえ知っていれば、いつでもお金を稼ぐことができるからです。

分かりやすく例えるなら、餓死寸前の状態で釣り人から魚を貰えば生き永らえることは可能ですが、また空腹が訪れるという状況は免れません。

しかし、釣り人から魚を貰うのではなく、魚の釣り方を教えてもらえば、今後空腹になっても、自分で魚を釣ることで、空腹を満たすことが可能になるのと同じなのです。

それでは続いて、カーネギーからこの発言を聞いた、ナポレオン・ヒルの心境を見ていきましょう。

ナポレオン・ヒルの気付き

皆様、私はこれを聞いたとき「荷が重すぎる」と思いました。

それまで私は、カーネギーに褒められたことがありませんでしたので、この時は、自分の耳を疑いました。

でも事実、私は現在までに、カーネギーよりずっと多くの人々に、成功をもたらすお手伝いをすることができたのです。

そして将来においても、カーネギーの依頼から、私が完成させた成功哲学の助けによって、これからも多くの成功者が生まれることでしょう。

私は、この成功哲学をまとめようとしていた20年間で、ある事実に気が付きました。

それは、世界に危機があったときには、必ずそれに抵抗する力が現れる、ということです。

アメリカが二つに分かれるかもしれない、という危機のとき、エイブラハム・リンカーンが登場しました。

リンカーンの前には、ジョージ・ワシントンがいました。

大不況で、人々が銀行から預金を引き出せなくなる、という恐れにおののいているとき、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が現れました。

私は未だに、ときどき運命とは不思議なものだと考えます。

私のように、貧乏な田舎育ちの人間が、思いもかけなかったような仕事をしているのです。

それは「思考」という、大自然から特別に与えられた脳力を認識し、活用することさえできれば、可能性は無限大だ、と人々に教える仕事をしているのです。

この私こそ、最低の環境から、運命の女神の長い腕に抱かれ、最高の成功を与えられた一人かもしれません。

ここまでで学ぶこと

ナポレオン・ヒル自身もまた、自分の人生をかけて、成功を掴み取った人間の一人です。

「自己啓発の祖」と呼ばれるに至ったり、成功哲学をこれだけ世界中に認知させることとなった一人です。

ナポレオン・ヒルのこの発言も、チャンスは無限大であり、そこに「必ず誰かは現れる」としています。

ナポレオン・ヒルも、カーネギーも、歴代大統領たちも、自ら前に進んでいった人たちです。

決して、いつか何かが来るだろう、と待っていた人たちではありません。

ナポレオン・ヒルも、「荷が重すぎる」というプレッシャーに負けていれば、それまでです。

途中で諦めてしまえば、きっと成功哲学というものは、他の誰かの名前で、世に出ていたことでしょう。

チャンスが訪れても、それを掴もうとする決断力と、前進する行動力がないと、チャンスを活かすことはできずに終わってしまいます。

それでは続いて、チャンスが訪れるタイミングというものについて、ナポレオン・ヒルの話を詳しく見ていきましょう。

チャンスは予期しないときにやってくる

私は、1922年にシカゴを去りました。

シカゴでの最後の仕事は、『ゴールデン・ルール』(黄金律)という雑誌の編集でした。

ここを去るとき、私は何があっても、二度とここシカゴの土を踏むことはない、と決心していました。

皆様、このように、ドラマチックな思い込みを口に出すときは、注意が必要です。

このように決め込んでしまうと、かえって、その正反対のことが起きるようです。

私は、世界中どこに住むようなことになっても、シカゴにだけは住まないと決めていたのです。

しかし、この年になって、やっと私が人生で最もやりたいと思っていたことを、やり遂げるには、このシカゴしかない、ということに気が付いたのです。

大自然はいつも、予期しないときに、恵み(チャンス)を与えてくださるそうですが、私はそれまで、そんなことなど思ってもみませんでした。

もし私が、世界中の人間から、一緒に仕事をするために、誰か一人を選ぶことができたとしても、W・クレメント・ストーンほど有能な人を探し出すことはできなかったでしょう。

私が、 ストーンを探し出したのではありません。

ストーンのほうから、私のところにやって来てくれたのです。

彼が最初に述べたように、誰でもその人にそれだけの器量があれば、本当に用意ができているのなら、最良のものが向こうからやって来るのです。

もし皆様が、私とお近づきになる用意ができていれば、そして私の成功哲学を受け入れる用意があるのなら、今日がその日です。

今日のこの日が、皆様にとって、必ずや、人生の折り返し地点となることは、疑いの余地もありません。

ここまでで学ぶこと

ナポレオン・ヒルのスピーチは、ここで終わっています。

よく「私にはチャンスがない」という発言を耳にすることがありますが、これは実は、「チャンスが訪れない」のではなく「その準備ができていない」だけなのです。

これは、視野を広げてみれば、間違いなく事実だと、誰もが気付けるはずです。

例えば、同じ事象におけるチャンスがあったとして、それに気づく人と気づかない人がいる、という事実が、何よりもの証拠ではないでしょうか。

競技の世界でも、勝利を受け入れるだけの器量があり、その準備と用意ができているのであれば、向こうからやってくる、というのは誰でも理解に及ぶ話でしょう。

ナポレオン・ヒルは、「成功哲学を活かすことのできる脳力こそ、広大かつ未開拓の人間の知性と可能性の宝庫である」と語っています。

彼は、このノウハウを体系化するために、その生涯を捧げました。

そして、その結論は「十分な確信を持ってそれを信じ、信念に基づいて行動すれば、誰でもなりたいと思うものになれるのだ」という真理です。

自分の人生を、望みのものにするためにも、準備をしっかりと行い、チャンスに気付ける自分になりましょう。