【思考は現実化する】解説|思考によってエジソンとの共同事業を実現した男

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、エジソンのパートナーとなった、エドウィン・バーンズという若者の話です。

彼は後に「エジソンによって作られ、バーンズによって売られる」とまで言われるようになった人物です。

バーンズにはもちろん、これまでにセールスの経験や実績などは、持ち合わせていませんでした。

つまり、これが本格的に取り組む、初めてのセールスだったのです。

一体、何が彼を駆り立て、そこまでの実績を上げるまでに至ったのでしょうか?

今回のエピソードは、セールスの方法を学ぶためのものではなく「人間を突き動かすものは一体何か?」を知ることができる実話です。

世の中の多くの人が

・どうしたら成功できるのか?
・うまくいく人は、なぜそこまで頑張ることができるのか?
・自分に足りないものは、一体何なのか?

このような疑問や悩みを抱えています。

今回のエドウィン・バーンズのエピソードでは、彼とこの記事をご覧の人との、明確な違いに気づくことができるでしょう。

それでは早速、バーンズのエピソードについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、一つ一つ解説していきます。

「思考」はあなたを突き動かす実体

思考というものは、その思考内容そのものを、現実化しようとする衝動を秘めている実体、といっても良い、と「思考は現実化する」では語られています。

なぜなら、思考は強力なエネルギーを持っているからです。

それ故に、思考が明確な目標、忍耐力、あるいは強い願望と相まって、達成に向かって作用し始めるとき、思考は強烈な実体になります。

こうして人間は、自分が考えているような人間になるのです。

ここまでで学ぶこと

人間は、潜在意識を活用して無意識に何かを行う以外には、顕在意識という部分を通じており、そのすべての行動の根本には、必ず思考が存在しています。

なぜなら、習慣化によって無意識でもできるようになった行動以外には、必ず意思というものが介在しているからです。

この意思には、非常に大きな力が働いています。

特に「意思」を「意志」まで昇華させた際には、その力は絶大です。

例えば「おなかが減った」と思えば、それを解決するために食事をします。

これは、誰もが当たり前にできていることですが、突き詰めれば「生きる」という目標を達成するための行動です。

「なんだ、思考の力とはその程度か」と思われる人もいるかもしれません。

しかし世の中には、思考によりエネルギーを抑えきれない衝動まで高め、それが悪いことだと分かっていても、犯罪行為を犯す人さえいるのです。

これは、エネルギーのベクトルを間違ってしまっている例ですが、自分の目標を達成させるためには、人間をそこまで変えてしまうのが、思考の力なのです。

それであれば、この力を自分の望むべき願望へとベクトルを変えて、活用しない手はありませんよね。

それでは実際に、それを成したバーンズの人生に触れていきましょう。

「思考」によってトーマス・エジソンとの共同事業を実現した男

エドウィン・C・バーンズは「あなたが真底そうしようと望んだことは必ず実現する」という、一大事実を体験した一人です。

彼の出発点は、偉大なエジソンの共同事業者になりたい、という燃えるような願望でした。

バーンズのこの願望は、極めて明確なものでした。

彼は、エジソンの下で働くのではなく、エジソンのパートナーとして働きたいと考えていたのです。

ここで、バーンズがどのようにして、その願望を現実のものにしていったかを観察すれば、強い願望が富に結びつく原理を、理解することができます。

この願望を抱いたとき、バーンズはそもそも何から手をつけて良いのか、さっぱり分からなかったのです。

それどころかバーンズには、次のような二つの大きな問題がありました。

1,彼はまだ、一度もエジソンと会ったことがなかった
2,エジソン研究所のある、ニュージャージー州のイーストオレンジまでの汽車賃がなかった

いかがでしょうか?あなたは、このような二つの大きな障害にもくじけない心構えを今、お持ちでしょうか?

大抵の人は、これだけでガッカリしてしまうものですが、バーンズの願望は、月並みのものではありませんでした。

ここまでで学ぶこと

人生で目標や願望を達成させるためには、その願望はあなた自身が、心からそうしたいと望み、且つ燃えるようなレベルのものでなくてはなりません。

なぜなら、このレベルまで高めた衝動というものは、あなたの心に自然と信念を芽生えさせるからです。

もちろんそのためには、あなたの心構えが積極的心構えとして、形成されている必要があります。

例えば、これまでの人生の中でも「何が何でもこうしたい!」と強い衝動レベルの願望になったものは、おのずと行動して、どうにかしてでも達成させてきたはずです。

それは、周囲から見たらどうでも良いことだったり、あなたの人生にとっても、決して大きなことではなかったとしても構いません。

ポイントは「本気になったらやれた」という事実なのです。

それでは続いて、先程のバーンズのその後について見ていきましょう。

エジソン研究所に辿り着いてからのバーンズ

とにかく、エジソン研究所にバーンズは辿りつきました。

そして開口一番、こう言ったのです。

「エジソンさん。 私は、あなたと共同で事業を行いたくて、こうしてはるばるやってきました。私は将来、あなたのパートナーとなる男です」

これが、エジソンとバーンズの初めての出会いでした。

エジソンは、この時の感想を次のように語っています。

「バーンズはまるで、浮浪者のような姿で私の前に現れてね。びっくりしたもんだよ。

でも私は、彼の表情から『この男は一度決心したことは、必ずやり遂げる』という気性を持っているな、と見て取ったんだ。

彼と一緒に事業をして分かったことは、 バーンズは手に入れたいものがあれば、その願望に自分のすべてを賭けられる男である、ということだ。

そしてその結果、必ず勝利を収めるという、素晴らしい脳力を持っている、という事に尽きるね。

あるとき、そんな彼を見て、私は彼が求めているチャンスを与えてやろうと思ったんだ。

それはもちろん、彼が信念を貫く決意を持っていることが良く分かったからなんだが、もちろん、その時の私の判断は間違ってはいなかったよ」

もちろん、バーンズは最初から共同事業ができたわけではありません。

最初は雑用係として、安い賃金で雇われていたのです。

そのため、何ヶ月経っても、自分の目指していた、明確な願望を達成できる気配はなかったのです。

しかし「エジソンと共同事業をしたい」というバーンズの決意は、ますます強くなる一方でした。

ある心理学者は「人間は、何かを本気でやればそれは必ず実現する」と言っています。

当時のバーンズは、本気でエジソンの共同経営者になることを願っていたのです。

そしてそれは、目標を達成するまで諦めない決意でした。

彼には「いつまでもこんなことをしていても仕方がない。いっそのことセールスパーソンにでもなろうか」などといった考えは、一切ありませんでした。

彼は、例え残りの人生のすべてを賭けても、エジソンとの共同事業を必ず実現したい、と固く心に決め、そしてそれが必ず実現することを信じていたのです。

不動の信念に支えられて「願望や目標を最後まで追求する」という強い意欲が、あなたの人生を、大きく左右することを心に留めておくことです。

そしてまた、このような脳力は誰もが持っている、という事もです。

もしかしたら、当時はバーンズも、意欲の力の大切さを、正しく認識していなかったかもしれません。

しかし、彼の心の中にある強い願望のおかげで、あらゆる反対意見にも屈することなく、最後には自分の運命を、大きく変化させることに成功したのです。

ここまでで学ぶこと

バーンズは、開口一番でエジソンに向かって、願望を本心から宣言しました。

それにより、エジソンの周囲の人達の反対を押し切り、最初は小間使いとして、掃除係から始めることになります。

そしてこの先、それが何ヶ月も続くこととなります。

しかし、バーンズは決して折れることはありませんでした。

きっと、世の中の多くの人が、猜疑心や自分自身を信じられなくなり、この段階で挫折してしまう人も多いことでしょう。

しかし、バーンズはそうではありませんでした。

なぜなら、彼には積極的心構えと、明確な願望によって育まれた、信念が支えてくれていたからです。

あなたの目標や願望は、あなたの信念を芽生えさせ、折れないあなたを形成させるだけのものになっているでしょうか?

それが持てていれば、必ず最後まで追い求める姿勢を崩すことはありません。

続いて、遂にバーンズがそのチャンスを掴む瞬間について、見ていきましょう。

チャンスは姿を隠してやってくる

バーンズが待ち望んでいた願望実現の扉は、彼が期待していたものとは違う形でノックされ、しかもまったく予想もしなかった方向から開かれました。

実際、願望実現というのは、このように当初の願望とは異なった結果として実現することがよくある、と「思考は現実化する」では語られています。

そして、これこそチャンス特有のトリックなのです。

チャンスは、いつも意外なところからやってくる、という皮肉な習性があります。

チャンスはまた、不運とか一時的な敗北の影に隠れて、やってきたりもします。

ですから、信念を持ち合わせていない人々は、このチャンスを見逃してしまうことも多いのです。

エジソンはその頃「エジソン式蓄音機」と呼ばれた、新しい機械を完成させたばかりでした。

ところが、エジソン研究所のセールスパーソンたちは、この新製品に対して、ほとんど熱意を示すことはしませんでした。

というのも、彼らはよほど努力しないと、この機械は売れない、と決めてかかっていたからです。

そのとき、 バーンズは「自分にチャンスが巡ってきた!」と感じました。

彼は、エジソンの蓄音機が売れることを、確信していたのです。

そして、この機械は実際に飛ぶように売れていきました。

あまりにも売れたので、エジソンはバーンズとの間で、その機械の全国独占販売契約を交わすことになった程です。

こうして、バーンズは最初の、しかしそれにしては莫大な富を築いたのでした。

ここまでで学ぶこと

バーンズは、セールスパーソンの誰もが「これは売れない」と匙を投げた蓄音機を「私に売らせて下さい」と立候補し、そして実際に売りました。

バーンズには、セールスの経験や実績があったわけではありません。

エジソン研究所に来てからも、やっていたことは雑用と掃除のみです。

しかし、明確な目標と、それによって生まれた信念、そして積極的心構えなどを持ち合わせていたことによって、チャンスに機敏になることができました。

結果的に、誰もが「売れない」と判を押した蓄音機も、全国で売れるようになりました。

この結果は、エジソンの信頼を獲得するには十分であったことは、誰の目にも明らかでしょう。

最後に、バーンズのその後について見ていきましょう。

エジソンによって作られ、バーンズによって売られる

バーンズは莫大な富を築くよりも、もっと重要なことを発見しました。

それは「信念を持って一つの考えを強く持ち続ければ、必ず金持ちになれる」ということです。

彼は当時、既に当時のお金で8億円、ないし12億円は稼いでいました。

しかし、より重要なことは、彼が金銭には代えることのできない、財産を得たということにあります。

その財産とは、成功の原則を活用することによって、目に見えず、手で触れることもできない思考が、物理的な報酬に変わり得る、という事実を知ったことです。

バーンズは、その考えを持ち続けることによって、最終的にはエジソンの共同経営者となることができました。

その上、なお一層の、莫大な富も手に入れたのでした。

彼が最初に持っていたものといえば、明確な願望と、それを達成するまでは決して諦めない、という固い決意だけだったのです。

ここまでで学ぶこと

バーンズは、たまたま成功できたわけではありません。

本気になれるだけの願望や、明確な目標を持ち合わせていたことが、大きなポイントです。

なぜなら、それらがないと信念が芽生えず、あなたを支えるものがなく、いつでも簡単に諦めてしまうことができるからです。

「あなたは人生で何を望むのか?」

この問いに対して、堂々と答えられるだけの、そして本気になれるだけの、目標や願望を探して見つけましょう。