【思考は現実化する】解説|ゴールの91cm手前で物質化した心の壁

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、鉱員として失敗した叔父を目の前で見てから、それを学びと変え、保険のセールスパーソンとして売上を上げた男の実話です。

鉱員としての彼の叔父の失敗と、そこから学んだ教訓、そしてそれを畑違いの保険の営業という仕事に、どのようにして繋げて、成果へと変えたのでしょうか?

今回のエピソードは、どんなことであれ「成功するために必要なこととは何か?」を知ることができる実話です。

世の中では

・何をしたら成功できるのか?
・稼ぐためには何をしたら良いのか?

と、人としての在り方ではなく「やり方」や「方法論」に執着して、いつまでも結果を得られずに、悩んでいる人たちが大勢います。

今回のダーヴィーのエピソードでは

・何を学ばないといけないのか?
・それをどのようにして活かせるのか?

について学ぶことができます。

それでは早速、ダーヴィーのエピソードについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、一つ一つ解説していきます。

こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。

記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。

ゴールの91cm手前で物質化した心の壁

最もよく見られる失敗の原因は、一時的な敗北にすぎないのに、すぐに願望の維持を諦めてしまうことである、と「思考は現実化する」では語られています。

なぜなら、諦めさえしなければ、人はどれだけの時間が掛かっても、目標を達成させることができるからです。

願望の大小は別として、誰でも一度や二度は、このように諦めてしまった経験があることでしょう。

そしてこれは、どんなことでも続けて成果を出した人だけが知っている事実ですが

・諦めていった人たちの直後
・人が挫折して辞めた、もう少し先

ここに、諦めていった人たちが何としてでも欲しかったものが、眠っていることがあるのです。

例えば、売れなくて辞めたセールスパーソンが置いていった、途中で投げ出した見込み客リストを引き継いだら、三件目で契約になった、などです。

他にも、辞めたセールスパーソンから顧客を引き継いだ瞬間、紹介をもらえた、などということも、日常茶飯事です。

これは決して、頑張る人の努力を美化させるための、エピソードではありません。

継続している人だけが知っている事実です。

それでは続いて、今回のエピソードの主役である、ダーヴィーの実話について見ていきましょう。

鉱員としての失敗

ゴールドラッシュの時代に、R・U・ダーヴィーの伯父も、一攫千金を夢みて西部へ出かけて行きました。

しかし伯父は「人間の思考の中にこそ、無尽蔵の金脈が隠されている」ということを知らなかったために、大失敗をすることになります。

伯父は、シャベルとピックを持って、早速仕事に取り掛かりました。

そして、一ヶ月以上も鉱山を掘り続けた後、ようやく鉱脈を掘り当てる、という幸運に恵まれます。

彼は、金鉱石を運び出す機械を購入するために、メリーランド州ウィリアムズバーグの故郷へ帰り、親類や近所の人々から、資金を借りて機械を買い込みました。

そして再び、ダーヴィーを連れて鉱山に戻ったのです。

なんと、ダーヴィーたちの掘り出した鉱石は、コロラド州で最も良質のものであったので、彼らはあっという間に、借金を返済してしまいました。

そうなれば後は「いかに儲けるか」だけです。

このような状況ですので、鉱脈を掘り進むにつれて、ダーヴィーたちの夢は、ますます大きくなっていきます。

しかし、ある日突然、金鉱脈が無くなってしまいました。

同時に、彼らの夢も儚く消え去ってしまったのです。

そこにはもはや、一欠片の金鉱石も、残ってはいなかったのです。

ダーヴィーたちは絶望の中にありながらも、祈るような気持ちで、更に鉱山を掘り続けていきました。

しかし結局、彼らはすべてが夢と消え去った現実を、認めざるを得なかったのです。

彼らは最後に、採掘設備の一切を、たった数万円という安い値段で屑物商に売り払い、打ちひしがれて汽車で故郷へ帰って行きました。

その後、その屑物商は鉱山技師に頼んで、ものは試しに、この鉱山の再調査をさせてみたのです。

その結果、調査した技師の計算が正しければ、ダーヴィーたちが諦めた所から、わずか91cm下に、新たな金鉱脈が眠っていることが分かったのです。

そして実際、そこから金鉱脈が発見されました。

言うまでもなく屑物商は、この鉱脈から何十億円という、金鉱石を掘り出したのでした。

屑物商は、願望を断念する前に、念のため専門家の意見を聞くという、知識を持っていたのです。

ここまでで学ぶこと

私達は、鉱員ではありませんし、そういった経験をしたこともないので、こういったエピソードを聞いても、あまり実感が湧かないかもしれません。

なぜなら、現実味を帯びていないので、教訓を描いた絵空事にしか思えないからです。

しかし、この記事でも冒頭に挙げたような内容で置き換えてみれば、きっと急に現実味が増すことでしょう。

例えば「今はあれを売るのが儲かるらしい」という話を聞いて、世間の人々はその流行に乗ろうと、なだれ込みます。

そして、やり方も良く分からないまま、見様見真似で自分もやってみます。

それが、たまたま上手くいったので、売上を使って法人化しました。

しかし、同じ方法が通用しなくなりますが、なんとか四苦八苦してみます。

結局、法人化に伴う売上を上げることはできず、廃業してしまいました。

すると、あなたが法人化したものを真似た業者が、マーケットをリサーチして取り組んでみたところ、そのまま順調に行き、なんと上場してしまったのです。

どうでしょうか?

これなら急に現実味を帯びますよね。

あなたも、何十億円という売上を目の前で逃した悔しさを、想像してみて下さい。

がむしゃらにやれば、もちろんうまくいくこともあります。

しかし、それがずっと続くとは限らない、ということが学べるエピソードです。

例えばセールスパーソンでも、今の見込み開拓が非常にうまくいくと、それで安心してしまい、胡座をかいてしまう人はたくさんいます。

そして、そのマーケットが使えなくなると、急に焦り出しますが、時すでに遅しという状態になってしまうのです。

そして、このエピソードからは、専門家の意見を聞き、サポートチームを身近に置くことの重要性も語られています。

それでは続いて、叔父の失敗を目の前で体験したダーヴィーが、その後どのように変わったのかについて、見ていきましょう。

ダーヴィーが失敗した叔父から学んだこと

「人がやめろと言っても、私は決して止めない!」

このように言って、ダーヴィーはその時の失敗分の、何倍ものお金を取り戻しました。

もちろん、それはずっと後になってからのことなのですが、それは彼が「願望はお金に変えることができる」ということを、明確に認識したからです。

彼がこの発見をしたのは、生命保険のセールスパーソンになってからのことでした。

ダーヴィーは、91cm手前で止めてしまったために、大損をしたことを肝に銘じました。

「私は以前、ゴールから91cm手前で諦めてしまったために、大損をしたが、今度は人が保険は必要ないと言っても、絶対に諦めない」

と、自分に繰り返し繰り返し言い聞かせることにより、大成功できたのでした。

ダーヴィーはその後、年間四億円を超す売り上げの実績を挙げ、あっという間に優秀なセールスパーソンの一人となりました。

彼は、諦めの早い男から、食らいついたら絶対に放さない、しぶとい男へと変貌したのです。

ここまでで学ぶこと

目の前にあった、何十億という売上を逃した人が持つ、信念を想像してみて下さい。

それは、例えどんな事がダーヴィーに起きたとしても、彼の心を折るには十分ではないことは、誰の目にも明らかでしょう。

人は「本当にそれが叶う」と確信できたものに対しては、とてつもなく大きな脳力を発揮します。

彼の場合には、一度成果を得た実績があり、そして次の成功についても、もう本当に目の前にあったのです。

何せ91cmですから、自分から1m以内の範囲に何十億という売上が、確かに存在していたのです。

しかし、その時には、彼はそれに気付かず、掴むことができませんでした。

その経験が、ダーヴィーを絶対に折れない人間へと成長させたのです。

セールスパーソンは、何度も断られれば、見込み客の「NO」という返答が、商品ではなく自分を否定されている、と思いこんでしまうものです。

しかし、彼の信念は、そのようなもので折れるようなものではなくなりました。

その結果、セールスパーソンとして、成果を上げることができたのです。

成功と失敗の境界線

成功の裏には必ず敗北がある、と「思考は現実化する」では語られています。

一時の敗北だけで、すべてを投げ出してしまうことは簡単です。

実際、多くの人々がそのようにして、願望を持つこと自体を諦めてしまうのです。

500人以上に渡る成功者が、口を揃えて私に語ったこと。

それは「大きな成功というものは、人々が敗北感に屈して、しばらく経った時にやってくるものである」ということでした。

敗北とは本当に意地悪で、皮肉なペテン師のようなものです。

このことを、あなたは肝に銘じておかなければなりません。

そしてこのペテン師は、成功の一歩手前で人々を挫折させることを、何よりも喜びとしているのです。

ここまでで学ぶこと

成功できる人というのは、失敗を乗り越えることができる人しかいません。

なぜなら、失敗を経験せずに、ノーミスで成功できた人など、存在しないからです。

もちろん、ミスは少ない方が良いのは、間違いありません。

しかし、序盤から効率を求めるのは愚策です。

なぜなら、一体何が効率が良いのかが、分からないからです。

効率というものは、統計と検証の上にしか成り立ちません。

つまり、成功と失敗を分ける境界線は「立ち上がれるかどうか」になるのです。

例えば、あなたが膝をついた時に、立ち上がろうとして思い浮かべるものは、一体何でしょうか?

それがハッキリとしていれば、立ち上がることができますし、立ち上がるに値しなければ、そのまま崩れ落ちてしまうのです。

そのためには、しっかりと明確な目標を持って、自分の心に信念が芽生える状態まで、目標と計画を育て上げることが重要になります。