自己啓発をアドラー心理学で深める7つの実践ステップ
今回は自己啓発をアドラー心理学で深める方法について解説します。
・自己啓発本や動画で頑張ろうとしても三日坊主だった
・自己啓発しても自分を責める材料だけ増えた
こうした疑問や思いをお持ちの人はたくさんいます。
一方で同じように本を読んでいるのに、プレッシャーに押しつぶされず、むしろ気持ちが軽くして行動量を増やす人もいます。
この違いはもっとダメな自分を直さなきゃという発想か、誰かの役に立てる自分を育てようという視点、考え方の土台の違いです。
そこで今回アドラー心理学の考え方を使って、自己啓発の目的を整える方法について解説します。
この動画を見るとムダな頑張りを手放す、毎日の小さな行動に変えるという流れが分かりますので是非最後までご覧ください。
それでは早速、自己啓発とアドラー心理学の相性から見ていきましょう。
自己啓発とアドラー心理学が抜群に相性が良い理由
最初のポイントは、アドラー心理学は自己啓発と相性が良いという前提を押さえることです。
アドラー心理学は自分を責めるためではなく、自分も誰かも大切にするためにどう生き方を選ぶかを考える心理学だからです。
自己啓発でありがちな、まだダメだからもっとやらなきゃという追い込み型とは異なります。
今の自分を出発点として、役に立てる自分を目指そうという方向に意識を向けられます。
なぜそう言えるかというと、アドラー心理学の土台にあるのが共同体感覚と勇気づけだからです。
共同体感覚とは、自分は誰かの役に立てる存在だと感じられる感覚のことです。
ここが弱いまま、もっと成果を出さないと価値がないと考えて自己啓発をするのは危険です。
なぜなら、学びや努力がすべて自己否定の材料になってしまうからです。
少しずつでも誰かにとって意味のある自分になりたい、という方向に自己啓発を合わせるとどうでしょう。
この場合、行動するほど自己肯定感が育ちやすくなります。
例えば資格勉強をするときに、落ちたら恥ずかしいから必死でやるという動機だけで動くとします。
すると結果が出なかった瞬間に、すべてが無駄に感じられます。
・この資格を取れたら、お客さんにもっと安心してもらえる
・同僚の負担も減らせる
このように考えれば、合否にかかわらず勉強した知識を周りのために使おうとする目線が生まれます。
これがアドラー心理学的な自己啓発の方向性です。
自己啓発をアドラー心理学と組み合わせると、自分を責める努力から自分も誰かも大切にするための努力へへ軸足を移せます。
アドラー心理学で自己啓発の目的とゴールを整理する
次のポイントは、アドラー心理学の目的論を使って自己啓発の目的を整理し直すことです。
目的論とは過去に何があったかではなく、これからどうなりたいのか、何のためにそうしたいのかに注目する考え方です。
自己啓発が続かない多くの人は、なぜ自分はダメなのか?という原因探しにエネルギーを使って前に進む力が残りません。
目的論が大切な理由は、行動の焦点が原因ではなく目的に変わるからです。
どうして私は人前でうまく話せないんだろうと考え続けると、過去の失敗や性格の短所ばかりが頭に浮かびます。
一方で、人前で話せるようになったら誰にどんな良い変化があるだろうと考え直すとどうでしょう。
自然とそのために今できる小さな一歩が見えやすくなります。
自己啓発のゴール設定も何点の自分になりたいかではなく、誰の役に立ちたいかから逆算するのがアドラー的な発想です。
具体的には、次のような手順で目的とゴールを整理できます。
まず今の悩みを一つ書き出します(例:会議で意見が言えない)
その下に「それが解決したら誰がどんなふうに助かるか?」を3つほど書いてみます。
「チームのアイデアが増える」「上司の判断材料が増える」「自分のストレスが減る」など
最後にその人たちにとって役立つ自分になるために、1か月後どうなっていたいかを一文で書きます。
こうすると人前で話せない自分が嫌という自己否定から、役に立つために練習したい自分へ目的が切り替わります。
自己啓発のゴールをアドラー心理学の目的論で整理すると、ダメな自分から誰かのために成長するへと視点が変わります。
課題の分離で「頑張りすぎる自己啓発」を手放す
三つ目のポイントは、アドラー心理学の有名な考え方である課題の分離を使うことです。
これによって、無駄に頑張りすぎている自己啓発を手放すことができます。
課題の分離とは誰の課題かを見極め、自分がコントロールできない他人の課題からは一歩引くという考え方です。
自己啓発で消耗している人の多くは、他人にどう見られるかという他人の課題まで自分で背負って苦しくなっています。
課題の分離が重要なのは、エネルギーの使いどころを整理できるからです。
・上司に嫌われたくない
・友だちにすごいと思われたい
こうした気持ちは自然ですが、好かれるかどうか、すごいと思うかどうかは最終的に相手の判断です。
そこまでコントロールしようとすると、自分の行動がすべて評価待ちになり、自信を失いやすくなります。
・相手がどう評価するかは相手の課題
・自分は役に立つ行動を選ぶことに集中する
このように線を引くと、自己啓発の方向性がシンプルになります。
イメージしやすいように課題の分離の例を簡単な表にまとめます。
| 状況 | 自分の課題 | 他人の課題 |
|---|---|---|
| プレゼンで緊張する | 資料を整える・練習する・時間を守る | 上司や同僚がどう感じるか・評価するか |
| SNSで発信したい | 何をどんな頻度で発信するか | フォロワーがいいねするか・フォローするか |
| 勉強会に参加するか迷う | 参加して学びを活かすか、別の方法を選ぶか | 周りがどう思うか・誘った人の期待 |
例えば資格勉強をするとき、落ちたらどう思われるかを気にして勉強するのは相手の課題に踏み込みすぎた状態です。
・合否はコントロールできない部分もある
・自分の課題は学んだ内容を仕事や生活で生かすこと
このように整理できれば、結果にふり回されずに自己啓発を続けやすくなります。
課題の分離を意識すると、他人の評価のための自己啓発をやめられます。
そして、自分の選んだ生き方のための自己啓発に集中できるようになります。
自己啓発をアドラー心理学で深める7つの実践ステップ
最後のポイントは、自己啓発をアドラー心理学で深めるための具体的な7つのステップを決めておくことです。
アドラー心理学の考え方を知っていても、明日から何をすればいいかが決まっていないとどうしても行動が続きません。
逆にステップが具体的であればあるほど、忙しい日でも今日はこれだけやればいいと決めやすくなります。
なぜステップ化が有効かというと、抽象的な考え方を脳が処理しやすい小さな行動に落とし込めるからです。
・共同体感覚を高めよう
・勇気づけをしよう
こう言われても、何をすればよいか分からないまま時間が過ぎてしまいます。
そこでアドラー心理学のを元に、自己啓発の行動を7つのステップに整理しておくと、実生活で実践しやすくなります。
ここでは、アドラー心理学をベースにした7つのステップを表にまとめます。
使い方としては、今週はこのステップだけやってみようと1つずつ試していくイメージです。
| ステップ | アドラー心理学のポイント | 具体的な行動例 |
|---|---|---|
| 1 | 自己受容 | 一日一回、今の自分でも役に立てることを一行書く |
| 2 | 共同体感覚 | 誰の役に立ちたいかを三人だけメモに書き出す |
| 3 | 目的論 | 悩みごとを一つ選び、それを解決して何をしたいかを文にする |
| 4 | 課題の分離 | 迷ったら「これは誰の課題か?」と口に出してみる |
| 5 | 勇気づけ | できたことを一つ見つけて、自分にねぎらいの言葉をかける |
| 6 | 協力と貢献 | 一日一回、誰かの作業を手伝う・感謝を伝える |
| 7 | ライフスタイルの振り返り | 週末に一週間を振り返り、勇気を出せた場面を三つ書く |
例えば、最初の一週間はステップ1だけを意識します。
寝る前の数分で構わないので、今日の自分でも役に立てたことを一行だけ書きます。
・後輩の相談に乗った
・家族にお礼を言った
次の週はステップ2に進み、自分がどんな人たちの役に立ちたいのかを具体的にイメージしてみます。
このように一度に7つ全部ではなく、一週間に一つずつ広げていくと、アドラー心理学が自己啓発として自然と馴染みます。
自己啓発をアドラー心理学で深めるには、考え方だけでなく7つの実践ステップとして日常に落とし込むことが大切です。
編集後記
ここまで読んで「頭では分かるけれどいきなり全部は無理そうだ」と感じたかもしれません。
アドラー心理学も自己啓発も、少しずつ試して合う形を見つけていくものです。
実践の一例として、寝る前に今日少しでも勇気を出せたことを一行だけ書き出す方法があります。
・断れなかった誘いを丁寧に断れた
・いつもより早く相談できた
大きな成功でなくても、小さな一歩を見逃さないことが勇気づけの第一歩になります。
完璧さよりも昨日より一歩前に進めたかを基準に、自分に優しい自己啓発を続けてみましょう。
- 自己啓発をアドラー心理学で深める
- 自己啓発の目的をアドラー心理学で整える
- 自己啓発をアドラー心理学の実践で続ける
