自己啓発とお金の使い方｜自己投資と浪費の線引きチェックリスト

今回は自己啓発とお金の使い方について解説します。

・自己啓発本やセミナーの支払いは自己投資？ただの浪費？
・自己啓発にお金を使って高額講座に申し込んで後悔しないか

こうした疑問や思いをお持ちの人はたくさんいます。

一方で収入が多いわけではないのに、毎月の予算の中で必要な自己啓発にお金をかけてスキルや人間関係を整える人もいます。

この違いは自己啓発でお金を使うときの線引きと、上限を自分なりに決めているかどうかです。

そこで今回は自己啓発とお金の関係をどう考えるか、自己投資と浪費を分ける基準について解説します。

この動画を見るとチェックリストによる線引き方法、収入別の予算の目安と危険なパターンが分かりますので是非最後までご覧ください。

それでは早速、自己啓発とお金の関係をどう捉えれば良いのかから見ていきましょう。

自己啓発とお金の関係をどう捉えるか

自己啓発でお金を使うときに大事なのは、お金＝結果を買うものではなく、お金＝行動しやすい環境への参加料と捉えることです。

なぜなら本や講座そのものが人生を変えてくれるのではなく、学んだことを自分で試す時間と行動が変化を生むからです。

お金を払った瞬間に安心してしまうと、結果的に何も変わらないままで別の自己啓発を探すループに入ります。

一方で自己啓発にまったくお金を使わないと、無料の情報だけで選択肢が偏り、視野が狭くなってしまうこともあります。

適切な範囲でお金を使うことで、自分一人では出会えなかった知識や人とのつながりにアクセスできるのも事実です。

重要なのはいくら使うかではなく、いくらまでなら自分の生活と心の安全を守りながら使えるかを先に決めることです。

例えば月の手取りの中で自己啓発に使って良いのは最大でも◯％までと決めておけば、勢いと感情で判断せずに済みます。

また同じ金額を使うなら、そのお金で何回行動できるようになるかを考えると、自然と優先順位が見えてきます。

こうした考え方を土台にしておくと、自己啓発とお金の関係を冷静に見やすくなります。

自己投資と浪費を分ける3つの基準

自己啓発に使うお金が自己投資になるか浪費になるかは、金額の多さよりも中身と使い方で決まります。

ここでは自分で判断するときに使える、三つの基準を整理します。

それは未来の選択肢が増えるか、具体的な行動が変わるか、生活を圧迫しすぎないかの三つです。

最初の基準は未来の選択肢が増えるかどうかです。

資格・スキル・人脈など将来の仕事や生き方の選択肢が広がるものは自己投資になりやすく、それ以外は娯楽に近づきます。

二つ目は具体的な行動が変わるかどうかで、学んだことを試す場面や回数がイメージできるかがポイントです。

読むだけ・聞くだけで終わりそうなものは、いくら立派でも投資効果は低くなります。

三つ目は生活を圧迫しすぎないかで、支払いのために日常が削られるほどの金額は、内容が良くてもリスクが高いです。

これらを当てはめて考えると、同じ自己啓発本でも明日の打ち合わせで試せる話し方が学べる一冊は投資になりやすいです。

ぼんやりと気分だけが高まるけれど現実の行動が変わらない一冊は、今の自分にとっては浪費に近いかもしれません。

セミナーや講座でも学んだ内容を何回使えるか、今の収入で無理なく払えるかを合わせて考えましょう。

そうすれば自分なりの線引きがしやすくなります。

自己投資と浪費の線引きチェックリスト

自己啓発とお金の線引きを具体的にするために、判断のポイントをチェックリストにまとめてみましょう。

投資寄り、グレー、浪費寄りを分けておくと、高額な商品を見たときにも冷静に判断しやすくなります。

ここではシンプルに目的、期間、金額、行動、リスクの五項目で考えます。

使い方として気になっている本・講座・サービスごとに、この表のどこに当てはまるかをチェックしてください。

すべてが投資寄りでなくてもかまいませんが、浪費寄りが多いなら今は見送るなど判断の目安になります。

項目	投資寄りの自己啓発にお金を使う例	グレーゾーンの使い方	浪費寄りの自己啓発にお金を使う例
目的	具体的なスキル・資格・仕事の成果につながる	何となく良さそう・評判が良い	とにかく不安だから「何か」にすがりたい
期間	少なくとも半年〜数年は使える知識・人脈	数週間は役立ちそう	一度きりの高揚感で終わりそう
金額	収入や貯金に対して無理のない範囲	分割にすれば払えなくはない	支払いのために生活費や貯金を削らないといけない
行動	学んだ内容をすぐに仕事・生活で試す場面がある	試す場面はあるが、具体的にはイメージしにくい	行動に移すイメージがほとんど湧かない
リスク	失敗しても経験として納得できる金額と内容	多少の後悔はありそうだが払えなくはない	失敗したら生活や人間関係に大きなダメージが出そう

例えば手頃な価格のオンライン講座で今の仕事に直結するスキルが学べる場合、多くの項目が投資寄りになります。

一方で今は収入も不安定なのに、高額な自己啓発スクールにローンで申し込むといった選択は控えましょう。

必ず目的や金額、リスクの項目で浪費寄り・危険寄りが増えるはずです。

こうして整理していけば、感情に押されて申し込んでしまう前に一呼吸おいて考え直しやすくなります。

収入やライフステージ別に考える自己啓発の予算目安

自己啓発でお金を使うとき、年間いくらまでなら安心かをざっくり決めておくと衝動的な支出を防ぎやすくなります。

目安として使いやすいのは、手取り月収の◯％という考え方です。

ここでは厳密な正解ではなく、このくらいを上限にしておくと安全度が高いという感覚で捉えてください。

例えば収入がまだ多くない20代や、貯金を優先したい時期であれば手取り月収の3〜5％程度を自己啓発の上限にします。

本や比較的安価なオンライン講座なら、この範囲でも十分に選択肢があります。

収入が増えはじめ、すでに最低限の生活防衛資金がある人であれば、手取り月収の5〜10％程度まで広げます。

それを資格取得や長期講座などに投資するのもあり得ます。

それを越えて自己啓発にお金を使う場合は、今本当に優先するべき支出か、いつまでに回収できるかを慎重に検討しましょう。

また、ライフステージによっても考え方は変わります。

独身で固定費が少ない時期なら、多少チャレンジングな自己投資も許容できます。

ですが子育て中や住宅ローンを抱えている時期は、まず生活の安定が最優先になります。

そのうえで、今年はこの分野にだけ集中して自己啓発するとテーマを絞りましょう。

そして予算もそこに集中的に使うと、分散した自己啓発よりも成果は出やすくなります。

大切なのは他人の基準ではなく、自分と家族の安心を守る基準を持つことです。

危険な自己啓発へのお金の使い方と回避策

自己啓発とお金の関係で特に注意したいのが、不安や焦りにつけ込まれた状態で高額な商品を買ってしまうことです。

典型的なのは今決めれば特別価格、今ここで決断しなければ一生変われないと煽られ、冷静な判断ができないケースです。

この状況では内容そのものが悪くなくても、自分に合わない金額やタイミングで契約して後から大きなストレスになります。

危険な使い方のサインとしては、次に挙げるものなどがあります。

・説明を聞いているうちに、断ったときの罪悪感や恐怖ばかりが増えてくる
・具体的な学習内容よりも、成功者の派手な体験談ばかりが強調されている
・不安を煽る言葉が多く、質問すると話をそらされる

こうした場面で大事なのは、次に挙げる一歩引いた行動です。

・一度その場を離れる
・第三者に金額と内容を話してみる
・クーリングオフなどの制度を事前に確認する

回避策としてあらかじめ次に挙げる「即決しないルール」を決めておくのも効果的です。

・10万円を超える自己啓発にはその場で契約せず、必ず一晩以上置く
・クレジットカードを持たず、申し込みは自宅のパソコンからだけにする

また料理・語学・資格取得のように一般的な教育と比較して高額なら、その理由を自分の言葉で説明してみましょう。

これで自分で自分に納得のいくように説明できないものには、今は手を出さない方が安全です。

自己啓発へのお金を「回収する」ための行動

最後に自己啓発に使ったお金を、意味のある支出に変えるための行動について整理します。

ここでいう回収とは、必ずしも収入が増えることだけを指すのではありません。

行動や習慣が変わり、時間・ストレス・人間関係などの面で元が取れたと感じられる状態を含みます。

そのためにはお金を払ったあとに何をしたかを、具体的な行動レベルまで落とし込むことが欠かせません。

おすすめのステップは三つです。

第一に自己啓発の本や講座ごとに、受講後に必ず実行する行動を三つだけ決めることです。

あれもこれもやろうとせず、この三つだけはやると決めて手帳やノートに書いておきます。

第二にその三つの行動に、いつ・どこで・どのくらいの頻度でやるかという予定をセットすることです。

第三に一か月・三か月・半年単位で、この自己啓発にいくら使い何が変わったかを簡単に振り返ることです。

こうした振り返りをしていくと、次に挙げるようなパターンが見えてきます。

・このタイプの自己啓発にはお金をかける価値がある
・このタイプは自分には合わなかった

結果として次にお金を使うときの判断も精度が上がり、自己啓発とお金の使い方がどんどん洗練されていきます。

大事なのは払った金額を気にするだけでなく、そこからどんな行動をどれだけ続けたかに目を向けることです。

編集後記

自己啓発とお金の相談を受けていると「本の値段じゃなくて安心感の値段になってない？」と感じる場面がよくあります。

私自身も焦りから教材を買い込みすぎて、結局ほとんど手を付けられなかった経験があります。

そのときに効いたのは「今月はこの一冊（この講座）だけに集中する」と決めて、そこからしか行動しないルールでした。

お金を減らすことよりも、この出費からどれだけ行動を引き出せるかをゲーム感覚で考えてみましょう。

すると自己啓発へのお金の使い方がだいぶ健全になります。

もし今レシートやカードの明細を見てモヤモヤしているなら、今後は特定条件のときだけ自己啓発にお金を使うと決めましょう。