信念を持つために七つの恐怖を克服する~第二の恐怖~|ナポレオン・ヒルの成功哲学
人間が持つ恐怖には、七つの種類がある、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
第一の恐怖は、貧困の恐怖でした。
第二の恐怖は、批判されることの恐怖です。
批判されることの恐怖には、恐れと不安が存在します。
世の中のほとんどの人が、他人の目を気にしており「他人にどう思われるか?」というのを基準に、物事を判断することが多いです。
・このようなことをしたら、周囲はどう思うだろうか?
・私の発言は、周りの人にどう写っただろうか?
・私だけ、浮いてはいないだろうか?
このような感情で疑心暗鬼になり、周囲に合わせることに、必死になる人もたくさんいます。
もちろん、相手のことを考える、思いやりの気持ちを持つことは、何もおかしなことではありません。
むしろ、そういった気持ちを持っている人の方が、人として魅力的であるものです。
しかし、それが度を超えて恐怖の感情にまで至ると、自分の脳力を抑制することになってしまいます。
これらは、一つは些細な性質のものですが、もう一つは至って深刻な性質のものです。
そこでこの記事では
・批判されるということ
・批判によって生じる恐怖と不安の二面性
・批判と恐怖の兆候
これらについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、一つ一つ解説していきます。
1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。
ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。
以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。
- ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
- ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
- マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
- ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
- ブライアン・トレーシー(営業の神様)
- デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
- ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)
現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。
批判されることの恐怖
まずは、批判されることの恐怖に関する、一つ目の性質から解説していきます。
七つの恐怖の二つ目である、批判されることの恐怖というのは、人間であれば誰もが持っているものである、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
なぜなら、批判というものは、良い部分と悪い部分を見分け、評価や判定するという性質を持っているからです。
人間であれば、誰もが周囲から褒められれば嬉しいですし、貶されれば落ち込んでしまうものです。
この「人から良く思われたい」という心理を、最も良く表しているのは、洋服のスタイルです。
ファッションに、流行やセールスという要素が加わったのも、そうした人間の心理があるからです。
ファッションメーカーなどが、そうした心理を刺激することがなければ、人々はもっともっと地味な格好をしていたでしょう。
ファッションに限らず、自家用車や家電製品のような、耐久消費財の売れ行きには、人間の心理が大きく作用しています。
特に「一人だけ流行から取り残されたくない」という気持ちが、購入の動機になることは少なくありません。
ここまでで学ぶこと
批判されることの恐怖というものは、集団心理からしか生まれることはありません。
なぜなら、集団にならない限りは、周囲というものが存在しませんので、自分ひとりであったのなら、あなたをジャッジする対象が存在しなくなるからです。
近年で例えるのであれば、SNSによる「いいね!」などがその典型でしょう。
自分がSNSをやっていなければ、そもそも集団に入り込んでいないので、批判されることはありません。
しかし、そもそも「SNSをやっていない」という、周囲とは異なる行動を取る時点で、周囲からその行動に対して、ジャッジが行われることになります。
つまり、人間として生きる以上は、森で自給自足をして生きていくようなスタイルでない限り、人間との繋がりが良くも悪くも生まれます。
ということは、批判される恐怖というものは、生きていく上で、切っても切れない関係ということです。
そうなると今度は、ほとんどの人は「批判される側」ではなく「批判する側」に回ろうと立ち回るものです。
例えば、いじめなども、批判されることの恐怖の典型ですよね。
ネットの誹謗中傷や、現実のいじめを見ても、批判される恐怖に怯える人間が、世の中にどれだけ存在しているかは、もはや私が語るまでもないでしょう。
ここで重要なことは、批判されることの恐怖に負けないことです。
なぜなら、批判というものは、必ず生じるものだからです。
万物において、批判が生じないことはあり得ません。
誰もが美味しいと思うものであれ、どんな大企業であれ、それを批判する人は必ず存在するのです。
つまり二極化した際に、大多数と少数のどちらに、自分が属しているか?という差でしかないのです。
それでは続いて、批判されることの恐怖に関する、深刻な性質の面について、詳しく見ていきましょう。
批判されることの恐怖の深刻な性質
ここからは、批判されることの恐怖の、より深刻な面について考えてみましょう。
自分のことを、世間や他人が何と思うだろうか?という思慮が度を越すと、個性や独創性を破壊することになる、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています
なぜなら、批判されることの恐怖が度を越すと、あなたの自尊心を傷つけ、劣等感を植え付けることへと繋がるからです。
例えば、私達の行動や、計画に対する最も強い反対や批判は、身内から起こることが多いものです。
そこでもう一度、あなたに警告します。
あなたの一番大切な目標は、秘密にすべきです。
それを批判し、さらには妨害しようとするポテンシャルのある人の前では、本心を打ち明けることは危険です。
親の場合、善意ではあっても、子供たちを批判し、辱め、その夢に対し「そんな事できっこないよ」と言うことで、子供に取り返しのつかない傷を負わせるものです。
特に交際相手のことで、思春期の少年少女をからかうことは、感受性が豊かな子供の場合には、永久に社会への適応能力を、奪い取ってしまう恐れがあります。
不思議なことに、ほとんど全ての人は、気前良く、タダで批判してくれます。
しかし、批判と建設的な提言との間には、大変大きな違いがあります。
・友人や同僚の非を正したり
・子供の間違いを正すこと
これらは必要な提言ですが、健全な精神の持ち主は、提言を謙虚に受け止め、決して過去の過ちを、くよくよと思い悩んだりはしないものです。
ここまでで学ぶこと
批判される恐怖の深刻な性質とは、一言で表すなら「出る杭は打たれる」ということです。
なぜなら、全員が平等で同じであり、全員が一緒に一歩を踏み出し、倒れるときも全員一緒、という全員が等しければ、批判というものは存在しなくなるからです。
しかし、残念ながらそんなことは、現実には起こり得ません。
もし、そんな事が起これば、誰も成功を志すことはなくなってしまいます。
つまり、成功を志すということは、出る杭になることと同意なのです。
これは決して「悪目立ちしろ」と言っている訳ではありません。
どんな分野であれ、内容であれ、特出するまでやり切ることが重要なのです。
その時にも、必ず批判される現実と、何度も対面することになります。
この時に批判の内容を、客観的な意見として取り入れることは、とても重要なことです。
しかし、それを底なし沼のように捉え、嵌まってしまうと、あなたの心を折るほどに深刻な性質を持っているということです。
それでは続いて、批判と恐怖の兆候について、詳しく見ていきましょう。
批判と恐怖の兆候
批判されることに対する恐怖や不安は、次のような兆候によって知ることができる、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
1,近所の人に負けまいとして見栄を張ろうとする
このような人は、近所の人々との競争で、トップを維持しようと涙ぐましい努力を続けるが、そのために財布は、常に寒さに震えている。
2,自分の業績を自慢する習慣がある
これには、想像上のもの、つまり嘘も含まれる。
要するに、自己の業績を自慢したり、他人と張り合うことで、自己の優越性を印象付け、それによって弱点をカバーしようとする。
3,すぐに困惑してしまう
これは明確な決意を下す能力の欠如、および対人恐怖や遠慮、自信の無さによって起こる。
それは、権威を恐れることや責任の回避、パーソナルイニシアティブ(自主性)の欠如をもたらす。
ここまでで学ぶこと
これらの兆候を見ても分かることですが、批判されることの恐怖に怯える人というのは、必ず自分の視点が自分自身ではなく、周囲へと向いています。
なぜなら、自己がきちんと確立していたり、自分の視点が願望や目標のみしか見ていない人であれば、周囲など気にしないからです。
ただしこれは、自分が前へと進むために周囲を押しのけたり、周囲を傷つけても問題ない、といった意味ではありません。
自己が確立していない人は、視点や目標といったものが「周囲との比較」に偏る傾向が高いです。
先程の兆候にしても、周囲との比較ですし、自己が確立していない人は、自分の願望や目標を「誰か」を基準にしたり「誰か」を報復の対象としたりしています。
突き詰めると、これらも「批判されることの恐怖」の延長線上から、抜け出せていないのと同様なのです。
それでは最後に、批判されることの恐怖の要因について、見ていきましょう。
批判されることの恐怖の要因
批判されることの恐怖とは、その行動が他者から否定的な評価や意見を受ける可能性に対する感情である、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。
なぜならこの恐怖は、これから挙げる四つの様々な原因や心理的要因によって、引き起こされるからです。
1,自己評価の影響
自己評価の多くは、他者の意見や評価を受け入れることで、影響を受けることがあります。
批判を受けることで、自分自身に対する不安や自信喪失が生じるためです。
2,社会的な圧力
社会や文化の中で、他者からの評価が非常に重要視される場合、批判を受けることは、社会的な制裁や孤立を招く可能性があります。
このような状況下では、他者の評価を気にすることを恐れてしまうためです。
3,失敗への恐怖
批判されることは、過去の失敗や誤りに関連している場合があります。
失敗や誤りに対する恐怖心が、他者からの批判に対して敏感になってしまうためです。
4,周囲との関係への影響
他者との関係が深く関わっている場合、相手との関係が損なわれる可能性があります。
批判を受けることで、その関係性が悪化したり、最悪の場合は関係性の解消が起きることで、恐怖を感じるためです。
批判される恐怖を克服するために
批判される恐怖を克服するためには、これから挙げる二つを実践する以外にはありません。
一つ目は、自己を確立することです。
なぜなら、自己を確立することができれば、周囲の事など気にならなくなるからです。
自己を確立するためには、あなたの心構えを構築する以外にはありません。
あなたの心構えを、積極的心構えへと変化させることができれば、あなたは自分のことを信じ、突き進むことができるようになるからです。
二つ目は、明確な願望や目標を設定することです。
なぜなら、明確な願望や目標を設定し、その達成計画まで練られた状態というのは、あなたに信念を芽生えさせ、その達成のみに集中することができるからです。
これら二つがきちんと構築されていれば、人は前へと突き進むのに必要な、推進力を手に入れることができます。
世間でよく見かける「モチベーションが上下して悩んでいる」という人も、そのほとんどの原因は、これら二つがきちんと構築されていないことが原因です。
周囲の目を気にする前に、自分自身のことを気にしてみて、焦点を当ててあげて下さい。
そうすればきっと、あなたの望むものや、求めるものが見えるようになってきます。
そして、その達成計画を練ることに集中すれば、周囲のことは、段々と気にならなくなってくるのです。