大自然が行っているプラスアルファの努力｜ナポレオンヒルの成功哲学

ナポレオン・ヒルの成功哲学の中で、アンドリューカーネギーが最も重んじたものでもある、プラスアルファの魔法は自然の法則とも繋がるものです。

そして、プラスアルファの魔法を実践するためには、もう一つの成功哲学の歯車でもある、パーソナリティというものの存在が見え隠れするようになってきます。

プラスアルファの努力を行うことを理解できるようになると、自分の目標や計画をより鮮明にして、自分の行うべきことが明確になります。

・試練と思って頑張ったけど成果にならない
・いつまで努力すれば良いのか不安

このような想いを抱えている人が、今回の内容から自然の法則と人間社会で成功するためのポイントに気付けるように、この記事では

・自然が行うプラスアルファの努力
・プラスアルファの中に在る二つの法則
・プラスアルファを実践した成功例

これらについて、ナポレオン・ヒルの解説を元に、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

こちらの内容に関しては、私達リアライズのYouTubeチャンネルでも聴く動画として上げています。

記事を読むよりも動画で聴いて学びたい方は、下部のリンクから動画を活用してみて下さい。

大自然が行うプラスアルファの努力

敢えて1マイル余分に進むこと、つまり「プラスアルファの努力」について、さらに詳しく検討しましょう。それには、自然界の出来事を観察するのが一番です。

自然界では、プラスアルファの努力が当然の世界で、最短距離を最短時間で走ろう、というような法則はありません。

例えば、自然は生物の種を常に多過ぎるくらい作り出します。そこに「ちょうど良いだけの数」などはあり得ません。

あらゆる不測の事態に備えて、何があっても子孫を残そう、というわけです。名もない小さな昆虫でも、道端の雑草でもやっていることを、人間はしません。

「どうせ無駄になるんだから」
「どうなるか分からないようなことは、やっても意味がないよ」

それを受け入れるか、あるいは拒否するか、人間の意志と判断が問われるところです。そして、この選択がその人の人生の大きな別れ道になるのです。

一方は成功への道に、そしてもう一方は失敗者への道に繋がっています。

あなたは、どうして花は美しいのだと思いますか？花は、自分自身の美しさを感じとる目を持ちません。良い香りを嗅ぐための鼻もありません。

しかし、それは自然が仕組んだ素晴らしい「1マイル余分」です。

昆虫たちは、美しい花の色や甘い蜜の香りに誘われて、花を次々に訪問して、花の受粉を助けることは、誰でも知っていることです。

それでは、花が昆虫を喜ばせるように、人間が他人を喜ばすことは、不自然でしょうか？人が自分のためにではなく、他人のために努力をするのは、不自然でしょうか？

花と昆虫は、お互いに意識はしていませんが、相手を喜ばせることで、種の繁栄を維持しています。

ただ、相手を喜ばせただけの結果に終わることもあるかもしれません。しかし、大自然は「どうせ無駄になるんだから」といって、手は抜かないのです。

ここまでで学ぶこと

私達が自然から学ぶことは、非常にたくさんあります。なぜなら、現在自然の中に存在する多くのものは、生命の輪の中で生存と繁栄という成功を収めているからです。

私達も、人間社会という輪の中で生存と繁栄を望むのであれば、自然の成功例を参考にしないのは、あまりにもったいないことです。

しかし、ナポレオン・ヒルの成功哲学でも語られている通り、成功できずに躓く人のほとんどが、準備をせずに最短距離を最短時間で走り出そうとします。

どのような競技のアスリートも、本番の大会で最大のポテンシャルを発揮するために、何年も前から入念に練習を重ね、日々の食事に気を使い、準備を重ねます。

成功を志して独立や開業、起業を目指す人も、その願望に対する知識を身につけ、資金を貯め、人間関係の和を広げて、準備を進めます。

どちらのケースでも、練習のやり過ぎ、資金の貯め過ぎ、人間関係の作り過ぎといったことはありません。

こうした余分に備えておくことは、その他大勢の人たちでも「貯金」といった形で無意識に行っているものです。

つまり、誰もがプラスアルファの魔法を知ってか知らずか、実践しているのです。その証拠に、その他大勢の人たちに「なぜ貯金をするのですか？」と聞けば

「結婚や子供、家に使うから」
「万が一に備えて」
「絶対に老後に必要になるから」

こうした答えが返ってくることは、容易に想像ができますよね。成功を志す人にとっても、この三つの答えというものは絶対に当てはまります。

特に、三つ目の「絶対に老後に必要になるから」というのは、置き換えれば「絶対に成功するために必要になるから」としてみたらいかがでしょうか？

こうした余分に備えておくことを、自分の身の回りだけではなく、周囲にも行うことが非常に大切になります。

人間関係の輪の中で成功を志すのであれば、周囲に対しても、プラスアルファの努力を日頃から実践するように心掛けましょう。

ナポレオン・ヒルの成功哲学の中で、花と昆虫の関係が語られているように、あなたの周囲の花に対して、昆虫の振る舞いを行うことは、いずれ価値を生み出します。

それは、100人に実践して100人から返ってくるものでなくても、取り組んでおくべき価値があるものです。

それでは続いて、自然の中に存在する二つの法則について、ナポレオン・ヒルの見解を見ていきましょう。

大自然の中に存在する二つの法則

もう少し、大自然が私たちに教えてくれるものを見てみましょう。

ここに、大自然の二つの法則があります。一つは「代償の法則」です。もう一つは「利益増加の法則」です。

農家は、作物を得るために畑を耕します。そして種を蒔き、花が開いて実を結ぶのを待ちます。畑を耕すということは重労働です。

ところが、そのためにどれだけ汗を出しても、そのための報酬、というものはありません。彼は自分のためにではなく、作物のために働いたのです。

しかし、そこに作物の種を蒔けば、作物は太陽の光を受けて成長し、実を結んで、農家にそれを与えます。

与えたら、必ず与えられる。これが「代償の法則」です。そして、もう一つの法則が働きます。

農家が大地に与えたものは、一粒の種であっても、大地から与えられる時は、数十倍、数百倍になっています。これが「利益増加の法則」です。

大地はより深く、より耕すほど、豊かな実りを約束してくれることは、農家でなくても、誰でも知っていることです。

それは、大地に対する奉仕の代償です。惜しみなく注がれた努力に対して、自然は常に報酬を支払います。

花と蜜蜂のように、私たちの社会も、好意と信頼を交換することで、さまざまな利益を生み出します。

人々の信頼を得るには、時間をかけてコツコツと信用を積み上げて行くのが、普通の方法です。

しかし、もし花と蜜蜂のように、正当な方法で、即座に好意と信頼を交換することができたら、それは素晴らしいことです。

相手の信用を借りて、商売を活かすこともできます。これは、銀行でお金を借りて商売をするよりも、遥かに利益の上がる取引なのです。

ここまでで学ぶこと

代償の法則というものは、きちんとした計画と、それに応じて、ある程度の目星をつけたところに対して取り組むことが大切です。

なぜなら、無計画であったり無作為に取り組んでも、全てが必ず成果に繋がるわけではないからです。

これは、農家の人に砂漠を耕さない理由を聞いてみれば、一目瞭然でしょう。

そして、農家の人に「なぜ今耕すのか？」と聞いてみれば、必ずそこには目標に向けた、きちんとした計画が存在しています。

これと同じように、あなたの行動に対しても、きちんとした計画が存在していることが大切になります。

ですので、目標を設定しているのであれば、それに向き合い、きちんと計画を立てるようにしましょう。

この代償の法則の前提を、きちんと踏まえていれば、必ずそこには利益増加の法則が働くことになります。

農家の人達が、利益増加の法則に則って、自然を相手に仕事をすることができる原因は「そうなることが分かりきっているから」です。

私達も、人間関係の輪の中で成功を志すのであれば、これと同じように確信を持ってプラスアルファの努力に取り組むことが必要になります。

そのためには、人間関係の輪の力と、それを構築するために必要な、自分自身のパーソナリティの向上に努める必要があるのです。

それでは続いて、エジソンのパートナーとして成功した、エドウィン・バーンズの実践法について、ナポレオン・ヒルの見解を見ていきましょう。

バーンズのプラスアルファの実践

エジソンのパートナーになったエドウィン・バーンズは、エジソンが発明した商品を売り捌くことで、エジソンを財政面で大きく助けました。

それによって、彼もまた巨額の富を築くわけですが、彼の富の源泉になったのは、次々に現れる新製品を売り捌く販売網でした。

その販売網は「プラスアルファの魔法」「代償の法則」「利益増加の法則」が、フルに使われて築かれたものです。

バーンズは好意を交換する、という考え方を身につけるまでは、富を手に入れることはできませんでした。

彼は、顧客を訪問しても、新製品を無理に売り込もうとはしませんでした。常に、顧客が今一番必要としているものは何かを、会話の中から探り出すよう努力しました。

バーンズが自分で取り扱っていない事務機や、タイプライターが必要な顧客には、他社の信用のおけるセールスパーソンたちを紹介しました。

一方、バーンズから顧客を紹介して貰ったセールスパーソンたちは、エジソン社の新製品を買いそうな自分の顧客を、バーンズに紹介しました。

そういうわけで、バーンズの顧客リストや販売網は、短時間もの間に大変大きく、価値のあるものになったのです。

バーンズは、エジソン社の新製品を買ってくれそうな顧客の所よりも、自分が訪問することで、顧客が喜んでくれるような所へ、まず足を運んだのです。

これは、バーンズにとっては大変効率の良い仕事になりました。彼を億万長者へと押し上げたのも、花と蜜蜂にも似た共存、共栄のノウハウだったのです。

ここまでで学ぶこと

バーンズは、自分自身が巧みな話術や、セールススキルに長けていたから成功したわけではありませんでした。

自らが大自然における昆虫となり、そして様々な花を見つけ、その花を必要としている他の昆虫と、花たちの手助けをすることを実践したのです。

それは正に、ナポレオン・ヒルの成功哲学における成功の定義でもある

「他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値有りと認めた目標を、黄金律に従って、一つ一つ実践していく過程である」

というものを、大自然の法則に則って実践していった成果です。

これはセールスに限らず、どのような業界のどのような内容であれ、同じように実践することができる成功法則です。

実際に、こうした形を取ってコミュニティを作っていたり、マッチングを行うようなビジネスモデルというものは、世の中に多数存在しています。

つまり、世の中が認めている以上は、これは立派な成功法則として間違いのないものである、ということです。

世の中の共感と納得があるということは、それが間違いないという証明でもありますので、あなたのこれからの人生に活かせば、成功は保証されることになります。

ですので、プラスアルファの努力と大自然の法則を、自分の目標達成の計画で、どこでどのように活かすのかについて、考えてみるようにしましょう。

それでは最後に、あなたが成功するために必要な考え方について、ナポレオン・ヒルの見解を見ていきましょう。

実践の先にだけ成果が実る

もし、あなたがバーンズのように成功を望むなら、あなたが無条件で従わなければならない法則やノウハウが何であるかは、お分かりになったと思います。

そこで、私たちが学者のように研究をしたり、評論家のような態度を取るのではなく、まず実践することなのです。

例えば、作用と反作用の法則は、すべての物理現象の中で確認することができます。自然の予算は、常に均衡が保たれていて、一方に傾く、ということがありません。

それは、プラスとマイナス、昼と夜、暑さと寒さ、夏と冬、善と悪、上と下、成功と失敗などです。

振り子は、前方に揺られれば、必ず同じ分だけ後方にも動きます。そして同じことが、人間関係や人間の努力にも当てはまるのです。

「蒔いた種は、刈り取らねばならない」ではどのような種を蒔くのか？それが大切です。なぜなら、すべての種は、その中身に応じた実をつけるからです。

次に「プラスアルファの努力」の結果、一体どのようにして、あなたは代償を受け取れば良いのか、その方法について考えてみましょう。

動物も、人間と同じように食物や住みかを必要としますが、社会的な労働や組織された生産は、人間だけのものです。

人間は、自分たちの望むような形、方法で自然と大地の恵みを利用することができます。人間は、自らの思考やアイディアを、現実化することができるのです。

人間は大自然の作品であり、自分で決断を下す力を持ち、思考をコントロールする脳力を与えられています。

そして、この特権を自発的に行使することによって、無限の叡智へと近づいて行くのです。

この事実は、人間は自分の願望や目標を達成するために、大自然のあらゆる力を利用できる、ということを示しています。

一方で、もし人間がプラスアルファのノウハウに従い、生命の法則と調和を保つならば、様々な特権を得ることができます。

ここまでで学ぶこと

さまざまな企業や人が、どんどん成長して成果を収めた原因は「どれだけ周囲の人や企業に貢献することができたか？」という点以外にありません。

貢献と聞くと、少しボヤけるかもしれませんから、もう少し明確に分かりやすく表現するのであれば「役に立つことができたか？」ということです。

ナポレオン・ヒルの成功哲学の中で出てきた、昆虫も花も双方の役に立っていましたし、農家も大地と種の役に立ち、バーンズも周囲の人達の役に立ちました。

あなたも成功を志すのであれば「どれだけ周囲の役に立つことができたか」に焦点を当てるようにすれば、そこには必ず自然の法則が働くようになります。

つまり、あなたの目標が願望と、その達成計画を客観的に見てみた時に「誰のどのようなシーンで役に立つことができるか」を調べるようにすることです。

例えば、花が昆虫に「甘いと錯覚させる」「蜜を吸った気になる」といった錯覚を与えるだけでは、自然の法則が働くことはありません。

花が昆虫にきちんと蜜を与え、そしてそれを昆虫が巣に運ぶことで、昆虫の繁栄に繋がるから、両者にとっての役に立ち、双方が繁栄するようになります。

そして、人間関係の輪の中で協力関係を築くためには、ナポレオン・ヒルの成功哲学におけるパーソナリティというものが、鍵を握るようになります。

自分の人間性を向上させて、人間関係の輪を円滑にして、プラスアルファの魔法を実践することで、自然の法則を活用して成果へと繋げていきましょう。