恐怖の克服｜ナポレオン・ヒルの成功哲学

ナポレオン・ヒルの成功哲学で語られている、信念を揺るがす七つの恐怖について、一つ一つ解説していきました。

七つの恐怖には、それぞれの個性があり、解決法もそれぞれによって異なっていました。

しかし、七つの恐怖を克服するために、共通している部分もあります。

それは、恐怖を上回るだけのものを持ち、そして人間が特権として持っているものを正しい方向で活用し、信念と行動の関係を理解し、心構えを構築することです。

これらの歯車がきちんと噛み合っていれば、自然と行動が生まれるようになります。

・恐怖が信念を上回り、身動きが取れない
・恐怖を克服したい

このような状況に悩んでいる人にとって、恐怖を克服するだけの信念を身につけることは、非常に急務となります。

しかし、そのためには、現在のあなたの状況を理解し、人間としての特性や、特権について知っておく必要があります。

そこでこの記事では

・恐怖を克服するためのポイント
・人間が持つ特権を正しい方向で活用すること
・信念と行動の関係

これらについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

恐怖の克服

最後にあなたの人生を、より豊かなものにするために、二～三提言をしましょう。

恐怖はまるでペットのように、必ずあなたにつきまとい、煩わせるということを忘れないでください、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

貧困や病気、非難や中傷、愛情の喪失といったものが、心に棲みつく前に、それを追い出す工夫をしましょう。

そのためには、自分の望むものだけを考え、それ以外のものを拒絶することが必要です。

なぜなら、自分が本当に好きなものや、求めるものに焦点を合わせておくことが、人生の中で大変重要なことだからです。

信念を、現実に適用するというのは、そういうことです。

あなたが明確な願望や目標を持つこと、それはつまり、信念を持ち始めたことを意味します。

あなたが信念を持つこと、それはあの無限の叡智との接触が、可能なことを意味するのです。

ここまでで学ぶこと

人間という生き物は、考えれば考えるほど、その事柄について固執するものです。

かといって「考えないようにするんだ！」と意気込んでも、それは返って逆効果となり、余計にその事柄について考えてしまうようになります。

ナポレオン・ヒルの成功哲学で挙げている、七つの恐怖を心に植え付けないようにするためには、それを上回るものに焦点を当てておくべき、とされています。

それはつまり、あなたの願望や目標といったものであり、これらが恐怖を上回るほどに、鮮明に、そして明確にする必要があります。

なぜなら、あなたが現在、気にしている事以上に、興味や関心を持つものに心を奪われるようにすれば、自然と気にしている事は、気にならなくなっていくからです。

しかし、そのためには、目標や願望としっかりと向き合う必要があります。

目標や願望と向き合い、そして明確にしていけばいくほど、信念というものも、自然と育っていくようになります。

ですので、七つの恐怖に囚われていて悩んでいる人は、まずは自分の目標や願望を持つようにしましょう。

その次は、その目標や願望を達成させるための計画について、思いを巡らせるようにしていくのです。

そして、その計画をより綿密で、緻密なものになるように組み上げていきます。

続いて、人間が持つ特権について詳しく解説していきます。

人間が持つ特権

人間は最も進化した動物である、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

例えば空の鳥や、ジャングルの動物たちには、その生命を支える食物が、天の恵みとして与えられています。

では、私達人間には、一体どのような恵みが与えられているのでしょうか？

私達人間に与えられた恵みとは、求めるものを手に入れるための、知性や精神が、いわば天から与えられた恵みです。

ですから、それを活用することが、何よりも大切なのです。

その特権は、あなた自身のものです。

自由、健康、愛といった、人生の宝物を手に入れることは、人間としての当然の権利なのです。

ナポレオン・ヒルの成功哲学の目的は、その方法をあなたに伝えることです。

信念を目覚めさせることは、人間の心が持つ大いなる力と、宇宙や大自然の中に流れる、無限の叡智との融合をもたらします。

そしてその力が、明確な願望へと向けられるようにすることです。

多くの人々は、信念の正体を知らず、それを活用することも知りません。

信念とは、強い願望や目標を持つことによって生じ、それらを達成させずにはおかないエネルギーなのです。

ここまでで学ぶこと

恐怖を克服するためには、私達人間が持っている特権を、使わない手はありません。

私達の持つ特権とは「考える」ことです。

実は、恐怖に怯えてしまう人というのも、人間が持つ「特権」をきちんと使えているのですが、そのベクトルを間違えてしまっているだけなのです。

これは「自分には出来ない」と思い込んでいる人にとっては、とても朗報です。

なぜなら「出来ないから無理だ」ではなく「出来ているけど間違えている」だけですので、方向をあなたが望んでいる向きへ、変えれば良いだけだからです。

また、頑固な汚れのように、強固なネガティブに縛られてしまっている人にも、朗報があります。

なぜなら、あなたをネガティブに縛り付けている、その強い思いこそが、ナポレオン・ヒルの成功哲学で語られている、信念と呼ばれているものの正体だからです。

あなたがそれを信じ、それに固執することで生まれる「何があっても、それが絶対だと信じる力」は、信念以外の何物でもありません。

この力はとても強大で、あなた以外の何者にも覆すことができず、絶対の揺るぎないものとして、あなたの内側に君臨していますよね。

つまり、こちらのケースも、ベクトルを願望や目標へと、変えてあげるだけで良いのです。

しかし「考えること」も「信念を持つこと」も、ベクトルを変えたいのであれば、まずは目標や願望と向き合う必要があります。

そして、その下準備として、土台となるあなたの心構えを、積極的心構えへと転換させておく必要があるのです。

それでは続いて、信念と行動の関係について、見ていきましょう。

信念と行動の関係

「行動」という言葉に注意してください、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

なぜなら、行動は信念によって、より明確になりますが、また行動によって、信念が維持されるという関係でもあるからです。

例えば、たくましい筋肉も、使わなければ衰えてしまうように、単に話したり考えたりするだけでは、信念も衰えていきます。

信念は、明確な目標を実行していく過程で生じるものであり、粘り強い行動によって、ますます強化されるものです。

そして強力な願望と、健全なモチベーションは、人々の心から、疑惑や恐怖などの否定的要素を取り除いてくれます。

いずれにせよ、何かを積極的に求めることで、信念は自然に湧いてくるものです。

ここまでで学ぶこと

世の中の多くの人が、信念というものは行動から生まれる、と勘違いをしています。

ナポレオン・ヒルの成功哲学でも語られている通り、信念とは明確な目標を実行していく過程で生まれるものであり、行動によって強化される関係にあります。

行動と信念は、切っても切れない関係であり、上手く組み合わさることで、相乗効果を生み出しています。

ここをきちんと紐解いていくと、現在のあなたに何が不足しているのかを、知ることができます。

例えば、現在あなたが行動できずに悩んでいるのだとしたら、信念が衰えているのか、あるいはそもそも信念がない状態であることになります。

また、信念を持ち合わせていないのであれば、現在のあなたは目標や願望が明確ではない、あるいはそもそも持っていない、という状態になります。

燃えるような願望や目標を持ち、折れない信念も持っているが、行動が空回りしてばかりで、実を結ばないのであれば、土台の心構えに問題があります。

これらをきちんと持ち合わせていれば、自然と信念と行動に関しての歯車は、正確に回り出すようになるのです。

それでは続いて、土台となる心構えについて、詳しく見ていきましょう。

心構えの手入れを行う

あなたは自分の庭で、木や花を育てたことがありますか？

園芸を楽しんだことのある人は、誰でも雑草には、ずいぶん悩まされるようです。

なぜなら雑草は、花や野菜よりも成長が早いからです。

雑草との戦いは毎日続きますが、それに心を奪われてしまえば、文字通り本末転倒となり、肝心の花や野菜の手入れが、できなくなってしまいます。

それと同じことが、あなたの心の中にも起こります。

あなたを豊かに大きく育てる、願望や目標の種を植え、それが信念という幹を伸ばすように、願望や目標に光を当てて、鮮明にすべきです。

そうすると、行動は自然に発生する、とナポレオン・ヒルの成功哲学では語られています。

そして恐怖、疑惑、失望、駄目だ、出来ないなどの自己制限といった雑草を、こまめに取り除かねばなりません。

ここまでで学ぶこと

「何であの人が成功できないんだろうね？目標や願望も持っているし、信念もあるし、すごい行動もしているし。一体、他に何が足りていないんだろう？」

このような印象を受ける人に、出会ったことはありますか？

たくさんの人に会っていると、こうした人を見かけるケースが良くあります。

こういった人は、一見すると目標や願望も明確になっており、その計画も立て、信念も芽生え、行動も起こしています。

しかし何年経っても、全く結果に繋がらないのです。

これはなぜかというと、心構えの部分が疎かになっているからです。

例えるなら、サーカスや演劇のようなものです。

どういうことかというと「舞台に上がっている時には、周囲にそう見せるのが上手い」のです。

演者の人も、舞台へ上がっている時はその役を演じますが、舞台を降りれば一人の人間に戻り、素の状態と舞台の時は、別人のように人格が変わりますよね。

これと同じように、仕事では完璧に見えるけど、自宅に帰って一人の人間に戻ると、部屋は汚く、生活も堕落しているという人がいます。

つまり、周囲にはそのように見えても、実際のところは、つまり心構えの部分では手入れを怠っており、荒れ放題になってしまっていることがあります。

例えば、周囲の目がある時には頑張っているけど、自宅へ戻れば誰も見ていないのでグータラしてしまう、などがこれに該当します。

心構えの手入れをきちんとしていれば、どういった状況にいようと、関係なく行動を起こすことが可能になります。

現在の自分の状況をきちんと把握して、どの歯車が欠けているのかを見つめ直して、七つの恐怖を克服していきましょう。