【思考は現実化する】解説｜創造的な思考の種子を植える｜ナポレオンヒルの成功哲学

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、深層自己説得を行う意味と、潜在意識の特徴、反復による信念を生み出す理由についてです。

深層自己説得というものは、ナポレオン・ヒルの成功哲学以外には聞かない言葉なので、その内容もよく理解しないと、あらぬ勘違いを生んでしまうものです。

また、潜在意識の活用法や信念を生み出す意味、信念が保つ特性なども、理解せずに「とにかく持つことが重要だ！」と言われるがまま、放置している人も多いです。

・深層自己説得って何をすれば良いの？
・潜在意識と信念って、どう繋がるの？

こうした疑問や悩みを持ち続け、答えに辿り着けていない人も多いので、今回の「思考は現実化する」の解説内容では

・深層自己説得とは
・潜在意識の特性
・反復の力とそれによって芽生える信念

これらについて、詳しく学ぶことができます。

それでは早速、名著「思考は現実化する」の内容について、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

創造的な思考の種子を植える

深層自己説得とは、私たちが五感を通して、自らの心の深層に与えるメッセージや説得のことであり、意識的な思考を潜在意識に教え込もうとするものです。

積極的な良い考えであれ、消極的な悪い考えであれ、意識の中にある思考は深層自己説得として潜在意識に到達し、影響を与えるものです。

人間は、その五感を通して、深層自己説得の力を十分活用できる生き物です。

だからといって、すべての人がその力を利用しているわけではありません。

それどころか、多くの人はこの力の活用方法を知らないため、惨めな一生を送っているのです。

ここまでで学ぶこと

深層自己説得とは、潜在意識に刷り込みを行うことを指します。

これについて、世間でよく勘違いをしてしまっているケースは、頭に反復させようと必死になっていることです。

これは、もっと広義な意味でいうと、自己啓発に関しても同じ過ちを犯している人が大勢います。

これらの事実を、誰にでも分かりやすく例えるなら「頭で覚える」のと「身体で覚える」の違いです。

例えば、知識というものは「頭で覚える」ものになりますよね。

具体的に例えるなら、心理学のようなものです。

一方で「身体で覚える」というのは、実践を踏まえて、反復によって身体に習慣化させて染み込ませるものです。

具体的に例えるなら、数学の問題を解いたり、英会話で話せるようになったりといったものです。

深層自己説得も、身体で覚える部類に属します。

なぜなら、誰もが持つメンタルブロックというものも、これまでに生きてきた中で得た「知識」よって生じるものではなく「経験」によって培われたものだからです。

これと同様に、あなたを形成している潜在意識や習慣も、身体やあなたの思考によって作り上げられています。

ですから、深層自己説得を行う場合には、頭にどれだけ反復させても意味がないのです。

実際に、どれだけ頭に反復させても、それを上回るだけの力を潜在意識は持っており、頭と心の天秤の戦いでは、常に潜在意識の方が重く傾きますよね。

だからこそ、自分を変えるためには頭で理解するのではなく、潜在意識が重要視されているのです。

自分自身を変えたい、潜在意識に良い習慣を植え付けたい場合には、頭で覚えるのではなく、身体で覚えさせるように心掛けましょう。

それでは続いて、潜在意識の特徴について詳しく見ていきましょう。

潜在意識の特徴

潜在意識は、肥沃な畑に例えることができます。

どんなに肥えた畑でも、種子を蒔かずに放置しておけば、雑草天国になってしまいます。これは、潜在意識についても同じことが言えるのです。

深層自己説得によって、心の中の肥沃な部分に、創造的な思考の種子を植えれば、それを育成することができます。

つまり、何の手入れもしなければ、雑念に占領されてしまうだろうし、逆に破滅的な種子をも受け入れてしまうことになるのです。

ここまでで学ぶこと

潜在意識というものは、常に手入れが必要なものです。

「思考は現実化する」では、肥沃な畑に例えられていますが、無人の家に置き換えても分かりやすいでしょう。

無人の家というものは、常に閉め切りで、日光も風も入れずに放置しておくと、家の中はものすごいスピードで荒廃していきます。

常に誰かの手によって管理して、窓を開けたりすることで、日光を入れたり、風を通したりすることで、家の中の環境をより長く保つことができます。

潜在意識に、どのような種を植え、どういった管理を行うかは、その持ち主である自分自身に懸かっています。

ネガティブに支配されてしまっている人は、これまでに潜在意識にネガティブな種を植え続けてしまった人です。

ネガティブと決別したい場合には、潜在意識に巣食っているネガティブの元を根っこから抜き去り、雑草を定期的に除草し、ポジティブな種を植えるようにしましょう。

必要なのは、定期的なメンテナンスと、植える種の選別、そして種が花を咲かせるまでに必要な養分となる、目標や計画、さらには信念を育むことです。

それでは続いて、想像力と反復の力の重要性について、詳しく見ていきましょう。

武者震いするような想像力を働かせよ

これまでの「願望」について記述した章では、願望実現、目標達成のための六つのステップを明示してきました。今一度、それを思い起こして見て下さい。

そのステップの最後のところで、あなたはこれから挙げる内容の力を理解されたことでしょう。

・紙に書いた宣言を、一日に二回、起床直後と就寝前に、なるべく大きな声で読むこと。
・あなたはもう既にその願望を実現したものと考え、そう自分に信じ込ませることが大切である。

これらを実践することによって、あなたは絶対的な信念を、潜在意識に注入したことになります。

そして、やがてそれは潜在意識の中で、不動の確固たる信念になっていくのです。

このプロセスを繰り返すことによって、あなたは積極的な思考習慣を身につけることができます。その習慣が身につけば、しめたものなのです。

これより先へ進む前に、ここでもう一度、六つのステップを注意深く噛み砕いて理解してみて下さい。

そうすれば深層自己説得の力を、一層良く理解することができるでしょう。

この六つのステップ、願望実現のための六カ条を、深層自己説得に関するノウハウと比べてみれば、それはすべて深層自己説得が、その根底にあることが分かります。

したがって、書き出した願望を読むとき、ただ字面を追うだけでは効果がありません。つまり、感情を込めて読んで頂きたいのです。

実践に移すことのできる思考とは、総じてそのようなものなのです。

そして、この場面においてとても重要なことは、反復することによって生ずる、心の変化にあるということです。

つまり、願望を感情を込めて読むのはもちろんですが、それを繰り返し、繰り返し行うことにより、願望に信念という力が加わるのです。

ここまでで学ぶこと

深層自己説得の際に、反復の重要さに対する理解は、おそらく詳しく説明するまでもなく、ご覧になっている人のほとんどが理解されていることでしょう。

数学の問題でも、バットのスイングでも、英会話でも、何度も繰り返すことで習慣化した力の偉大さは、誰もが知っていることです。

ここで、解説を入れる必要があるポイントは「感情を込めること」になるでしょう。

「反復させることは確かに理解できる。でも感情を込めることで何が変わるの？」

と疑問に思われている人もいるかも知れませんが、これも実はとても単純な原理なのです。

もし、このような疑問をお持ちの人がいたら、ものは試しに自分以外の他人に、挨拶やお礼を感情を込めて行うのと、感情を込めずに行う二つを試してみて下さい。

周囲の人に、感情を込めて挨拶やお礼を行えば、相手からも好感を持って同じように返ってくるでしょう。

一方で、感情を込めずに挨拶やお礼を行えば、相手は「なぜわざわざしてきたの？」と疑問を持って、先程同様にあなたがした時と同じような態度で返すでしょう。

潜在意識は、確かに概念でしか無いので、生物でもありません。

しかし、潜在意識はもう一人のあなたである、と考えてみたらどうでしょうか？

そして、もう一人のあなたとは、現在は険悪で協力関係になく、お互いのことを理解しようともせず、意見はいつも食い違って、反発し合っているような相手です。

ただ、あなたはこの潜在意識という、もうひとりのあなたと手を取り合って、二人三脚で協力して願望や目標達成を志すために、仲間にしようとしています。

その相手を理解して、距離を縮め、仲を深めようとしているのに、感情を込めずに行うというのは、あまりに無作法ですよね。

つまり、もう一人の自分に向かって感情を込めるというのは「自分に素直になること」にも繋がるのです。

あるいは、もっとロジカルに理解をしたいのであれば、先程の「潜在意識を肥沃な畑」とした例を思い返してみて下さい。

あなたが、反復させて浸透させたい内容とは、先程の例に組み込むとしたら、種が花を咲かせるために、つまりは成長のために必要な日光と同じです。

あなたの感情の度合いは、日光の強さ、つまりは熱と同じと思って下さい。

要するに、あなたの込める熱の強さが、そのまま日光の熱となるのです。

いつも曇っているようでは、種も思うように育たず、晴天で晴れやかであり、適度な熱があれば、種もすくすくと育つようになります。

わざわざ潜在意識の天候を曇りにする必要はありませんので、気持ちの良い晴れにしてあげることが重要となります。

それでは最後に、反復によって生じる信念が持つ力について、詳しく見ていきましょう。

反復によって芽生える信念

信念という強力なパワーは、あなたの心の深層に眠っている、人間の原始的な心の力であり、それは誰もが持っているものです。

しかし、それを呼び覚まし、つまり説得して心の表層で活躍してもらうためには「繰り返し」が必要になるのです。

信念に包み込まれた願望は、それまでの単なる願望とは異なります。この事実は非常に重要です。本書の各章を実践する場合、必ず思い出すようにして下さい。

この事実を理解しない人は、例え深層自己説得を応用しようとしても、望ましい結果を得ることはできないでしょう。

なぜなら、感情のこもっていない言葉では、潜在意識に影響を与えることはできないからです。

潜在意識を刺激するには、確信や信念によって、感情移入されたイメージや思考や言葉が必要です。

また、最初から自分の感情をコントロールできないからといって、失望する必要はありません。何もしないで何かを得ようとするのは、ムシが良すぎるからです。

本気で成功したいと思うなら、ズルはしないことです。

潜在意識に影響を与える脳力を得たいと思うなら、ここで説明した原理を活用し、根気よく努力するしかありません。

指示を活用する力が備わるかどうかは、あなたの燃えるような執念を、あなた自身の願望に集中できるかどうかに懸かっているのです。

ここまでで学ぶこと

潜在意識へと植えた積極的心構えの種、目標や計画の種というものは、信念によって保護されていきます。

これは、地球に例えるならオゾン層のようなものです。

オゾン層は有害な紫外線を吸収して、地球という星を包み込み、守る働きをしてくれています。

もし、オゾン層が失くなってしまうと、地球上に有害な紫外線が多量に入り込むことによって、生物全般に多大な悪影響を及ぼしてしまうのです。

信念も、潜在意識に植えた積極的心構えや、目標や計画といった種を守り、包み込む働きをしてくれています。

もっと分かりやすく例えるなら、成功する人たちが、どのような苦境や困難、トラブルに遭っても、折れずに前進できるのは、この信念に保護されているためです。

この信念を、潜在意識下ではなく、あなたの表層まで出て来てもらうようにするためには、深層自己説得が必要になります。

そして、そのためには感情を込めて、潜在意識に訴えかける必要があるのです。

こうして、腑に落ちてくると、感情を込めて深層自己説得を行う意味と意義というものが、理解できるようになってくるでしょう。

そうすれば「恥ずかしいから」「今はいいや」といった雑草たちに賛同することなく、こうした雑念はさっさと除草して、いち早く取り組もうと思えるはずです。

潜在意識の天候を晴れにして、除草を行い、必要な種を植えて、成長に必要な養分と日光を与えて、目標や願望の達成のために、信念による保護をしてあげましょう。