自己啓発のため目標設定すると大体痛い目に遭う理由を専門家が解説

私は自己啓発の世界にかれこれ20年ほどおりますが、この内容を書く時に「自己啓発目標」という単語をネットで初めて見ました。

その感想は

わーお

です。

もうネットの世界では何でもアリでもはや早く書いた者勝ちだな、というのが率直な感想です。

なぜかというと詳しくは後述しますが、分かりやすく説明しますと「免許運転」「リモコンテレビ」「洗剤洗濯」と言っているようなものです。

今この記事を見ているということは、こちらの題名通り一度は目標設定をしてみたけど達成できなかったという人が多いことでしょう。

そして、どうしたら「達成できる目標設定」ができるのかを知りたくて検索しているはずです。あとは

・自己啓発のために目標設定するのって意味あるの?
・自己啓発目標って何?ただの目標と何が違うの?
・正しい自己啓発とは?

このような疑問を持って辿り着いた人が多いことでしょう。

自己啓発と哲学って似たようなものでしょ?といった疑問をお持ちの方は、以下の記事が参考になります。

そこでこの記事では、自己啓発のために目標設定したけど達成できない人のメカニズムを自己啓発の専門家がひとつひとつ詳しく解説していきます。

自己啓発と目標設定の関係

まずは最初に、自己啓発と目標設定の関係について解説していきます。

自己啓発とは、正しくは教えや導きなどから現在の自分を見つめ直し、自分の心構えを整えて物事を明らかにし、より高めるために「準備を行うこと」を言います。

【啓発】無知の人を教え導き、その目をひらいて物事を明らかにさせること。

ネットでは、なぜか自己啓発とは自分を高めるための「行動」(ダイエット、ジョギング、筋トレ、読書など)のことを指しています。

そして「自己啓発しよう!」と推しているのですが、準備をせずに見切り発車で行動を起こしていれば、それは続かずに頓挫したり失敗するのは当然なのです。

すると当然、次は「計画を立てましょう」という話になり、目標設定へと話が変わっていきます。ここで

「あれ?そう言われてみれば確かにおかしいじゃん」

と気付かれた人はとても鋭いです。

自己啓発のために目標設定する営業が未達で終わる理由については、以下の記事が参考になります。

そうなのです、お気づきの通りで既におかしいのです。例えばですが

1,起業、開業しよう!
→計画はその後でもオッケー!やりたいことは何?まずは行動だよ!

2,目標を設定しよう!
→???

この順序は明らかにおかしいですよね。

これをなぜか皆さんは疑うこともせずに、当たり前のように行っているのです。

成果の出る行動というものは、事前の入念な計画ありきです。

分かりやすく例えるなら、自己啓発のために目標設定しているというのは、計画を立てるために行動しているようなものなのです。

免許運転、リモコンテレビ、洗剤洗濯

次に、冒頭にあった内容について触れていきます。

自己啓発のために目標が必要といっているのは、免許のためには運転が必要と言っているのと同意です。

運転免許は、皆さんもご存じの通りで「車両を運転しても問題ない資格」として交付されるものです。

なのに、免許を取るためには運転が必要と言われても、そもそも無免許では運転ができませんから、これでは誰も運転免許が取れなくなってしまいます。

そして仮に無免許運転を行えば違法行為となり罰を受けますし、事故を起こすことはほぼ間違いないでしょうから絶対にやってはいけないのです。

では免許という資格はどうしたら取得できるのか、改めて順序を確認しましょう。

まず法律や標識、交通ルールなどの知識や車両を実際に運転する技術を身に付けます。

そして、知識も技術も問題がないかを確認するために、試験に合格した人だけが持てるものですよね。

さらには、その状態が維持できているかどうかを確認するために、定期的に免許の更新を行います。

もし、維持ができなかった人(違反した人)は更新時に講習が必要になったり、場合によっては免許の取り消しになって再度取り直し(学び直し)が必要になります。

自己啓発のために目標が必要と言っているのも、これと全く同じことなのです。

正しくは「目標設定(達成)のために自己啓発が必要」ということです。

「自己啓発目標」という造語もそうですし、「自己啓発のために目標設定する」というのも、すべて順序が逆転してしまっているのです。

これでは大体の人が痛い目に遭う、という理由がお分かり頂けましたでしょうか。

続いて「大体の人」以外に属する、自己啓発を必要としなくても目標を設定でき、そして達成できる人について解説していきます。

自己啓発は不要で目標設定ができ、かつ達成できる人

自己啓発を必要とせずに目標設定をして、行動して達成できる人はごく少数ですが存在します。

成功には資格も必要ありませんし、極端な話ですが目標設定すら行わずにいきなり行動して達成できる人も、さらにごく少数ですが存在します。

それはなぜかというと、運転免許の時と理論は同じです。

それは「法律や標識、交通ルールなどの知識や車両を実際に運転する技術」などの、目標達成のために必要なものをすべて持ち合わせているケースです。

本来であれば自己啓発を行って身につけるものを、行動を起こす前の時点ですべて持ち合わせている人も実際にいます。

ところが、これができる人はこの記事に辿り着くことはありません。

つまり、現在の自分を受け入れて、現状で何が足りないのかをしっかりと認識して改善していく必要があります。

続いて、この記事を見ている人が一番気になっているであろう「目標設定しても達成できない原因」について解説していきます。

目標設定しても達成できない人に、自己啓発が必要な理由

結論から申し上げますと、この記事を見ている人のほとんどが次の二つのいずれかに該当します。

1,目標設定の段階で「達成できない目標設定」を行っている

目標はただ設定すれば良いというわけではありません。

よくある理論ですと、1981年にジョージ・T・ドラン博士が提唱した「SMARTの法則」などがありますが、この記事をご覧の方はおそらく既にご存知でしょう。

一応、初めてお聴きになる方向けに「SMARTの法則」を簡単に説明しますと

Specific:具体的で分かりやすい
Measurable:計測できる、数値化された
Achievable:納得できる、達成可能な
Relevant:目的に関連付けられた
Time-bound:期限設定されている

といったもので、こちらの理論はSMARTER、SMARTTAと時代を重ねるごとに進化しています。

この記事を見ている人が、気になっている問題はこの先の部分ですよね。

・それで達成できましたか?

そうなんです。SMARTの法則が間違っているわけではありませんし、とても分かりやすい法則です。

しかし、このような法則を知っていて実践してみても目標が達成できないという人は、目標設定自体にミスがある可能性もあります。

もしくは、後述する2に問題がある可能性もあります。

これは、具体的な症状は人によって異なりますので、残念ながらここで答えをお伝えできるものではありません。

自己啓発で病んでしまう人の特徴に関しては、以下の記事が参考になります。

ですので「答えはこうです!」と断定しているようなものは、あなたが近い将来に必ず後悔することになりますので、絶対に信じないことを強くお薦めします。

なぜならそれは、遠隔の超能力で現在のあなたの問題を診断して、薬の処方をしているようなレベルの話だからです。

診察の要らないような簡易レベルであれば話は別ですが、自己啓発におけるほとんどの場合は要検査の状況が一般的です。

ですので、この場合は専門家の門戸を叩いて相談してみることをお勧めします。

②目標設定は問題ないが、他に足りないものがある

目標設定が上手く出来たとしても、それだけで目標が達成できるわけではありません。

こちらも運転免許の時と、理論は同じです。

「法律や標識、交通ルールなどの知識や車両を実際に運転する技術」などの目標達成のために必要な他のパーツが揃っていないといけません。

そうでないと目標設定に問題がなくても、残念ながら成果としては未達に終わってしまうのです。

「他の要素も知ってる!モチベーションでしょ!」

確かにそれも必要なのですが、それよりももっと重要で、あなたがおそらくモチベーションと勘違いしているものはエンスージアズム(熱意)です。

モチベーションとは動機ですので、熱意とは全くの別物なのです。

そして、目標設定の中に含まれているものがモチベーションです。

実際にナポレオン・ヒルの成功哲学の中にも、エンスージアズムというものは17の成功法則の中に組み込まれている一つです。

もちろん、目標設定もその一つです。

しかし、モチベーションという項目は17の成功法則として扱われてはいません。

明確な目標設定の中で、目標を設定する際や達成計画を作る上で必要な要素の一つとして扱われているだけです。

このように「まだ足りないものや知らないこと、勘違いしていることがある」ということです。

自己啓発を無駄にしないために必要なことを学びたい方は、以下の記事が参考になります。

逆を言えば、それを満たすことができれば成果に繋げることが可能ということでもあります。

正しい自己啓発というのは、これまでに挙げたような足りないものや知らないものを知ることから始まります。

そして、それを関連付け血肉化し、応用できるようになるまでの準備の工程のことを指すのです。

ここまでくると自己啓発のために行動するということが、どれだけ的外れなことを言っているかもご理解頂けることでしょう。

自己啓発の正しい意味と理解し、目標を達成するために

この記事で、自己啓発とは「目標設定をすることが自己啓発」でも「活動することが自己啓発」でもなく、自分自身の心構えにおける、準備の工程であることを学びました。

私は20年間ずっと

「やり方ではなく、在り方を構築しないと成果には繋がりません」

と、クライアント企業や個人のプログラムユーザーさんへ伝え続けています。

この記事を見ている人へお伝えしておきたいことは

・在り方が大事ですよ、と言いながら目標設定をさせる
・在り方を構築しましょう、となぜか過去の自分を振り返る

などなど「在り方」というワードを使っているのに、なぜか「やり方」をレクチャーする間違いの例で挙げた免許運転のような人もたくさんいます。

中身のない怪しい自己啓発に騙されないようにするためには、以下の記事が参考になります。

また、間違ったパーツをどれだけ集めても、成果に繋がることもありません。

時計のゼンマイ仕掛けも、すべての役割が正しく揃うことで初めて回転を始めますよね。

素晴らしい目標や願望をお持ちで、達成のために自己啓発に興味を持ってもらえたのであれば、自己啓発を正しく理解して目標達成のためにお役立て下さい。

まとめ
  • 自己啓発と目標設定の関係を正しく理解しよう
  • 目標設定が間違っているのか、その先が間違っているのか現状を正しく把握しよう
  • 誤った知識や内容に振り回されないように自己を構築するのが在り方の形成