【思考は現実化する】解説|富への拍車|ナポレオン・ヒルの成功哲学

今回の「思考は現実化する」の解説内容は、戦場における一人の将軍と、シカゴの商人であるマーシャル・フィールドの二名の実話です。

この二人はどちらも、自分たちのフィールドにおいて、自分の為すべきことを知っていた人物です。

今回のエピソードは「決意と決断」について、学べる実話です。

・いつも保留してしまい、物事を決めることができない
・決断する勇気を持てない

こういった悩みを抱えている人にとっては、背中を押されるきっかけになるかもしれません。

今回の二名のエピソードでは

・決断と覚悟の重要性
・決意と計画の大切さ

これらについて学ぶことができます。

それでは早速、二名のエピソードについて、ナポレオン・ヒルの成功哲学に20年従事している専門家が、ひとつひとつ詳しく解説していきます。

この記事を書いた人

1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。

ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。

以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。

  • ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
  • ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
  • マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
  • ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
  • ブライアン・トレーシー(営業の神様)
  • デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
  • ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)

現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。

富への拍車

昔、ある偉大な将軍が、戦場で勝利のために、重大な決断をしなければならないことがありました。

数の上で、自軍に勝る強力な敵軍に、自分の兵を送り込まなければならなくなったのです。

将軍は兵隊を船に分乗させ、見つからないように、敵地へ忍び込みました。

兵隊と武器、そして弾薬のすべてを船から降ろすと、将軍は、自軍の船を全部燃やすようにと命令しました。

メラメラと燃える船を背にして、将軍は言いました。

「皆、見るが良い。我が軍の船が、いま炎上している。

我が軍には、もはや逃げて帰る船はない。

戦いに勝たなければ、生きて帰ることはできないのだ。

溺死したくなければ戦え!

我が軍は勝つか、あるいは全滅するかのどちらかしかないのだ」

そして、彼らは勝利を収めました。

目標や願望の如何に関わらず、 勝つためには、後退するためのすべての道を断絶しなければなりません。

成功するために不可欠な、燃え上がる願望を心の中に持ち続けるには、そうすることが必要なのです。

ここまでで学ぶこと

人は、人生で成功を志す上で、いつでも必ず有利な状況にあるとは限りません。

それどころか、不利な状況であることがほとんどです。

しかし、それでも前に進むことを要求され、前に進む以外に道はありません。

この将軍も、自軍よりも明らかに強大な敵軍に、勝つことを要求されていました。

そのため、この将軍が取った一手は、自軍全員を背水の陣へと追い込むことでした。

この将軍の一手は、ある種の自暴自棄にも見える行動かもしれませんが、実際のところは、最善の一手です。

なぜなら、元々自軍よりも敵軍の方が強大であり、将軍の目には、このまま戦いを挑んでも、敗走することが予測できていたからです。

このまま進軍させても、敗走するのが目に見えているのであれば、勝ちの目を見出すためには、自軍に覚悟を決めさせ、軍全体の現状を変える必要があります。

それを行うためには「自分たちにはもう後がない」という状況を作り出し、そして奮起させることが、唯一の勝ちの道である、と踏んだのです。

結果的に「もう後がない」という状況を、誰もが確実に認識したことで、軍の兵士一人ひとりが奮起し、自軍より強大であった敵軍に勝つことができたのです。

私達も、成功のためには、自分自身を奮起させる必要があります。

もちろん、無計画ではただの無謀になってしまいますので、計画は立てなければなりません。

この計画というものは、将軍の場合は勝利ですが、私達の場合は、成功へ向けたものである必要があります。

これまでの人類史においても、大きな成功を成し遂げた人たちというのは、必ず自身の内側に、燃え上がるような願望を持っていました。

これは決して灯火ではなく、燃え上がるような強さの願望です。

このような強さまで願望を引き上げるためには、計画と決断、そして覚悟が必要になるのです。

あなたも、願望を燃え上がるような強さまで高めるために、現在の自分には、計画と決断と覚悟のどれが不足しているのかを、チェックしてみましょう。

続いて、もう一人の商人のエピソードについて、見ていきましょう。

焼け落ちた町に一人残った男

1871年、シカゴに住むパトリック・オリアリーの牛小屋から生じた火は、たちまちシカゴ全域をなめつくし、十万人もの人々が、家を失ってしまいました。

このシカゴ火災のあった次の日の朝、商人たちは街角に三々五々集まって、昨日までは自分たちの商店があった焼跡を、呆然と見ていました。

そして、この土地に店を再建するか、またはシカゴを離れて、もっと将来性のあるどこか他所の土地に移るかを、話し合い出しました。

最後には、たった一人の男を除き、全員がシカゴを離れる決意をしました。

ここに踏みとどまり、 店を建て直すと決めたその男は、焼跡を指し示して、こう言ったのです。

「皆さん、これから何度火災が起きても、私はここに残って、必ず世界一の店を再建してみせます」

この話は、一世紀以上前のことですが、その時に建てられたビルは、今でも燃え上がる願望を表す記念碑のように、勇ましい姿でそびえ立っています。

他の商人たちと同様、将来性がありそうも無いこのような土地は、このたった一人の男、マーシャル・フィールドにとっても、簡単に見捨てることができたはずです。

このマーシャル・フィールドと、他の商人たちとの違いを、見過ごすことはできません。

というのも、人が成功するか、失敗するかの違いは、ここにあるからです。

人は、金銭の重みが分かってくる年齢に達すると、誰でもお金が欲しくなるものですが、ただ欲しいと思っていても、お金は手に入ってくるものではありません。しかし

・心の底から金持ちになりたいという願望を持ち
・その願望の成就のために揺るぎない計画を立て
・決して心を他のことで迷わせない

このような固い決意を持って、その計画を行動に移せば、願望は必ず達成するのです。

ここまでで学ぶこと

人生に、トラブルというものはつきものです。

よく「現在のトラブルが片付いたら取り掛かります」と言う人がいますが、このような機会は、永遠に訪れることはありません。

なぜなら、現在のトラブルが片付いて落ち着いたら、今度は予測していなかったタイミングで、新しいトラブルが舞い込んでくるのが、人生というものだからです。

そして、こういったトラブルというものは、自分がどれだけ気を付けていても、周囲の誰かの行いや発言によって、次々と生み出されるものです。

今回のシカゴの人々や、マーシャル・フィールドに起きたトラブルも、自分が気を付けていても、どうにもならない不可抗力のようなものです。

しかし、それでもマーシャル・フィールドは、折れることはありませんでした。

彼の「シカゴに世界一の店を建てる」という決意は、火災程度で揺らぐものではなかったのです。

そして、結果的に彼の願望は、シカゴに拠点を置くデパートである、マーシャル・フィールドアンドカンパニーとして、現実のものとなります。

あなたの願望は今、どのような迷いを抱えていますか?

願望を迷わせないためには、将軍のような、燃え上がるような願望が必須になります。

そして、その願望を成就させるためには、自身が揺るがないための計画が必要であり、また、それを実現させるための、決断と決意が必要になります。

これらが備わった時、あなたの願望の周囲に、例えどのようなトラブルが舞い込んで来たとしても、動じることがなくなるのです。

なぜなら、あなたは燃え上がる願望を達成させるために、退路を断ち、一直線に全力で向かっていけるようになるからです。

これらを支える、すべての土台となるものが、積極的心構えというものです。