自己啓発のため目標設定すると、大体痛い目に遭う理由を専門家が解説
私は、自己啓発の世界にかれこれ20年ほどおりますが、この内容を書く時に「自己啓発目標」という単語をネットで初めて見ました。
その感想は
わーお
です。
もう、ネットの世界では何でもアリで、もはや早く書いた者勝ちだな、というのが率直な感想です。
なぜかというと詳しくは後述しますが、分かりやすく説明しますと「免許運転」「リモコンテレビ」「洗剤洗濯」と言っているようなものです。
今、この記事を見ているということは、こちらの題名通り一度は目標設定をしてみたけど、達成できなかったという人が多いことでしょう。
そして、どうしたら「達成できる目標設定」ができるのかを知りたくて、検索しているはずです。あとは
・自己啓発のために目標設定するのって意味あるの?
・自己啓発目標って何?ただの目標と何が違うの?
・正しい自己啓発とは?
このような疑問を持って、辿り着いた人が多いことでしょう。
自己啓発と哲学って似たようなものでしょ?といった疑問をお持ちの方は、以下の記事が参考になります。
そこでこの記事では、自己啓発のために目標設定したけど達成できない人のメカニズムを、自己啓発の専門家がひとつひとつ詳しく解説していきます。
1982年生まれ。2004年(22歳)から20年間自己啓発の世界に身を置き、自己啓発のプロフェッショナルとして営業、社内講演や研修をメインに活動していました。
ナポレオン・ヒル財団・アジア/太平洋本部で、日本唯一の販社オーナーとして当時の個人、代理店共に月間セールス日本一の記録も保持していました。
以下の自社取扱いプログラムを所有、実践しており、ナポレオン・ヒルが一番好きです。
- ナポレオン・ヒル(成功哲学の祖。「思考は現実化する」など成功法則を体系化)
- ジョセフ・マーフィー(マーフィーの法則や潜在意識活用法)
- マクスウェル・マルツ(サイコ-サイバネティクス理論)
- ジグ・ジグラー(自己イメージ改造理論)
- ブライアン・トレーシー(営業の神様)
- デール・カーネギー(道は開ける・人を動かす)
- ジョー・ヴィターレ(引き寄せの法則を広めた「ザ・シークレット」の賢人エイブラハム)
現在はほぼ隠居状態でのんびり、山籠りで自給自足の生活も良いなぁとか考えたりしてます。
自己啓発と目標設定の関係
まずは最初に、自己啓発と目標設定の関係について解説していきます。
自己啓発とは、正しくは教えや導きなどから現在の自分を見つめ直し、自分の心構えを整えて物事を明らかにし、より高めるために「準備を行うこと」を言います。
【啓発】無知の人を教え導き、その目をひらいて、物事を明らかにさせること。
ネットでは、なぜか自己啓発とは、自分を高めるための「行動」(ダイエット、ジョギング、筋トレ、読書など)のことを指しています。
そして「自己啓発しよう!」と推しているのですが、準備をせずに見切り発車で行動を起こしていれば、それは続かずに頓挫したり失敗するのは当然なのです。
すると当然、次は「計画を立てましょう」という話になり、目標設定へと話が変わっていきます。ここで
「あれ?そう言われてみれば、確かにおかしいじゃん」
と気付かれた人は、とても鋭いです。
自己啓発のために目標設定する営業が未達で終わる理由については、以下の記事が参考になります。
そうなのです、お気づきの通りで既におかしいのです。例えばですが
1,起業・開業しよう!
→計画はその後でもオッケー!やりたいことは何?まずは行動だよ!
2,目標を設定しよう!
→???
この順序は、明らかにおかしいですよね。
これをなぜか皆さんは疑うこともせずに、当たり前のように行っているのです。
成果の出る行動というものは、事前の入念な計画ありきです。
分かりやすく例えるなら、自己啓発のために目標設定しているというのは、計画を立てるために行動しているようなものなのです。
免許運転、リモコンテレビ、洗剤洗濯
次に、冒頭にあった内容について触れていきます。
自己啓発のために目標が必要といっているのは、免許のためには運転が必要と言っているのと同意です。
運転免許は、皆さんもご存じの通りで「車両を運転しても問題ない資格」として、交付されるものです。
なのに、免許を取るためには運転が必要と言われても、そもそも無免許では運転ができませんから、これでは誰も運転免許が取れなくなってしまいます。
そして仮に、無免許運転を行えば違法行為となり罰を受けますし、事故を起こすことはほぼ間違いないでしょうから、絶対にやってはいけないのです。
では、免許という資格はどうしたら取得できるのか、改めて順序を確認しましょう。
まず、法律や標識、交通ルールなどの知識や、車両を実際に運転する技術を身に付けます。
そして、知識も技術も問題がないかを確認するために、試験に合格した人だけが持てるものですよね。
さらには、その状態が維持できているかどうかを確認するために、定期的に免許の更新を行います。
もし、維持ができなかった人(違反した人)は、更新時に講習が必要になったり、場合によっては免許の取り消しになって、再度取り直し(学び直し)が必要になります。
自己啓発のために目標が必要と言っているのも、これと全く同じことなのです。
正しくは「目標設定(達成)のために自己啓発が必要」ということです。
「自己啓発目標」という造語もそうですし、「自己啓発のために目標設定する」というのも、すべて順序が逆転してしまっているのです。
これでは、大体の人が痛い目に遭う、という理由がお分かり頂けましたでしょうか。
続いて「大体の人」以外に属する、自己啓発を必要としなくても目標を設定でき、そして達成できる人について解説していきます。
自己啓発は不要で目標設定ができ、かつ達成できる人
自己啓発を必要とせずに目標設定をして、行動して、達成できる人はごく少数ですが存在します。
成功には資格も必要ありませんし、極端な話ですが目標設定すら行わずに、いきなり行動して達成できる人も、さらにごく少数ですが存在します。
それはなぜかというと、運転免許の時と理論は同じです。
それは「法律や標識、交通ルールなどの知識や車両を実際に運転する技術」などの、目標達成のために必要なものをすべて持ち合わせているケースです。
本来であれば、自己啓発を行って身につけるものを、行動を起こす前の時点で、すべて持ち合わせている人も実際にいます。
ところが、これができる人は、この記事に辿り着くことはありません。
つまり、現在の自分を受け入れて、現状で何が足りないのかをしっかりと認識して、改善していく必要があります。
続いて、この記事を見ている人が一番気になっているであろう「目標設定しても達成できない原因」について解説していきます。
目標設定しても達成できない人に、自己啓発が必要な理由
結論から申し上げますと、この記事を見ている人のほとんどが、次の二つのいずれかに該当します。
1,目標設定の段階で「達成できない目標設定」を行っている
目標は、ただ設定すれば良いというわけではありません。
よくある理論ですと、1981年にジョージ・T・ドラン博士が提唱した「SMARTの法則」などがありますが、この記事をご覧の方は、おそらく既にご存知でしょう。
一応、初めてお聴きになる方向けに、「SMARTの法則」を簡単に説明しますと
Specific:具体的で分かりやすい
Measurable:計測できる、数値化された
Achievable:納得できる、達成可能な
Relevant:目的に関連付けられた
Time-bound:期限設定されている
といったもので、こちらの理論はSMARTER、SMARTTAと、時代を重ねるごとに進化しています。
この記事を見ている人が、気になっている問題はこの先の部分ですよね。
・それで、達成できましたか?
そうなんです。SMARTの法則が間違っているわけではありませんし、とても分かりやすい法則です。
しかし、このような法則を知っていて実践してみても、目標が達成できないという人は、目標設定自体にミスがある可能性もあります。
もしくは、後述する2に問題がある可能性もあります。
これは、具体的な症状は人によって異なりますので、残念ながらここで答えをお伝えできるものではありません。
自己啓発で病んでしまう人の特徴に関しては、以下の記事が参考になります。
ですので「答えはこうです!」と断定しているようなものは、あなたが近い将来に必ず後悔することになりますので、絶対に信じないことを強くお薦めします。
なぜならそれは、遠隔の超能力で現在のあなたの問題を診断して、薬の処方をしているようなレベルの話だからです。
診察の要らないような簡易レベルであれば話は別ですが、自己啓発におけるほとんどの場合は、要検査の状況が一般的です。
ですので、この場合は専門家の門戸を叩いて相談してみることをお勧めします。
②目標設定は問題ないが、他に足りないものがある
目標設定が上手く出来たとしても、それだけで目標が達成できるわけではありません。
こちらも運転免許の時と、理論は同じです。
「法律や標識、交通ルールなどの知識や、車両を実際に運転する技術」などの目標達成のために必要な、他のパーツが揃っていないといけません。
そうでないと、目標設定に問題がなくても、残念ながら成果としては未達に終わってしまうのです。
「他の要素も知ってる!モチベーションでしょ!」
確かにそれも必要なのですが、それよりももっと重要で、あなたがおそらくモチベーションと勘違いしているものはエンスージアズム(熱意)です。
モチベーションとは動機ですので、熱意とは全くの別物なのです。
そして、目標設定の中に含まれているものがモチベーションです。
実際に、ナポレオン・ヒルの成功哲学の中にも、エンスージアズムというものは、17の成功法則の中に組み込まれている一つです。
もちろん、目標設定もその一つです。
しかし、モチベーションという項目は、17の成功法則として扱われてはいません。
明確な目標設定の中で、目標を設定する際や達成計画を作る上で、必要な要素の一つとして扱われているだけです。
このように「まだ足りないものや、知らないこと、勘違いしていることがある」ということです。
自己啓発を無駄にしないために必要なことを学びたい方は、以下の記事が参考になります。
逆を言えば、それを満たすことができれば、成果に繋げることが可能ということでもあります。
正しい自己啓発というのは、これまでに挙げたような、足りないものや知らないものを知ることから始まります。
そして、それを関連付け、血肉化し、応用できるようになるまでの、準備の工程のことを指すのです。
ここまでくると、自己啓発のために行動するということが、どれだけ的外れなことを言っているかもご理解頂けることでしょう。
自己啓発の正しい意味と理解し、目標を達成するために
この記事で、自己啓発とは「目標設定をすることが自己啓発」でも「活動することが自己啓発」でもなく、自分自身の心構えにおける、準備の工程であることを学びました。
私は20年間ずっと
「やり方ではなく、在り方を構築しないと、成果には繋がりません」
と、クライアント企業や、個人のプログラムユーザーさんへ、伝え続けています。
この記事を見ている人へ、お伝えしておきたいことは
・在り方が大事ですよ、と言いながら目標設定をさせる
・在り方を構築しましょう、となぜか過去の自分を振り返る
などなど、「在り方」というワードを使っているのに、なぜか「やり方」をレクチャーする、間違いの例で挙げた免許運転のような人もたくさんいます。
中身のない怪しい自己啓発に騙されないようにするためには、以下の記事が参考になります。
また、間違ったパーツをどれだけ集めても、成果に繋がることもありません。
時計のゼンマイ仕掛けも、すべての役割が正しく揃うことで初めて回転を始めますよね。
素晴らしい目標や願望をお持ちで、達成のために自己啓発に興味を持ってもらえたのであれば、自己啓発を正しく理解して、目標達成のためにお役立て下さい。
- 自己啓発と目標設定の関係を正しく理解しよう
- 目標設定が間違っているのか、その先が間違っているのか現状を正しく把握しよう
- 誤った知識や内容に振り回されないように、自己を構築するのが在り方の形成